ソルラルと顕忠院と無名勇士

まあそんなわけで、引き続き旧正月ともバレンタインデーとも縁のない私は、またもやこちらへと出かける。

ソルラルのソウル顕忠院は、墓参のクルマで大渋滞。臨時の駐車場までできていた。

さて、今日のお題はこちらの3枚の写真から。



最初の写真は顕忠搭。これは単なる慰霊塔ではなく、内部は朝鮮戦争当時、遺体が見つからなかった「戦死者」10万名余のための位牌奉安堂となっている。中央に飾られている花輪の中には、日本の統合幕僚長名義のものもあった。



次の写真は、顕忠院の隣にある「国防部 遺骸発掘鑑識団」の入口。日本と同様、韓国でも、戦死者の遺体・遺骨の発掘収集作業は継続的に続けられている。


で、その作業の結果、発掘された遺体・遺骨がどのように扱われているか、という流れで登場するのが、三枚目の写真にある「忠魂堂」である。

この建物の一階奥、他のエリアと違って薄暗く、訪れる人もほとんどないスペースに、それはある。


ここに納骨されているのは、すべて発掘された戦死者のものである。遺品などで氏名が判明したものは遺族へ引き渡されるなりして改めて納骨されるであろうから、こちらは「無名勇士」ということになっている。




おおむねこんな感じで遺体に関する個別データを表示した上で、あとは他の死者と同様の扱いで納骨されている。

これが数万単位となればこの納骨堂でもとても足りないが、3階がほとんど納骨堂未設置のままであるなど、今のところこの施設はまだかなり余裕がある。

ともあれ、日本の千鳥ヶ淵戦没者墓苑との比較などはすぐに思いつくし、あくまで個別性にこだわった取り扱いなども、注目される点であろう。納骨堂については他にも考えなければならない論点がいろいろあるのだが、これもまた重要な問題の一つになると思われる。