金泳三元大統領が寄付した財産・巨済島の部

「こうした財産に頼らないでも生活できるからできること」とも言えるでしょうし、「そうした方が後世によりよい形で残せる見込みがあるからだろう」という邪推もできますが、そうであったところで、別に悪い話ではありません。

記事入力 : 2011/01/06 09:55:59
金泳三元大統領、全財産を寄付へ

ソウル市内の自宅など、3億円超

 金泳三(キム・ヨンサム)元大統領が5日、ソウル市銅雀区上道洞の自宅を含む全財産を、社会貢献のために寄付する意向を明らかにした。大統領経験者が財産の寄付を表明したのは初めて。

 金元大統領はこの日、自宅に新年のあいさつに訪れた与党ハンナラ党の安商守(アン・サンス)代表に対し「家もすべて売りに出したし、子どもに譲るものも全くない。(故郷の慶尚南道)巨済島に土地が少しあるが、財産をすべて社会に還元したい」と述べた。元大統領はまた「死んだらすべてが終わるわけで、永遠に生きることはできない。財産を子どもに譲る必要はない。社会に還元するのがいいと考えた」と話した。

 金基洙(キム・ギス)秘書室長によると、金元大統領が寄付の意思を表明した財産は、上道洞の自宅敷地(337平方メートル)と建物(地下1階、地上2階)、巨済島の生家、林野などおよそ50億ウォン(約3億7000万円)になるという。金室長は「上道洞の自宅と巨済島の林野は『金泳三民主センタ―』へ、巨済の生家と記録館などは巨済市に、それぞれ寄付する予定。すでに遺言に基づいた贈与の形で公証も済ませ、自宅以外の財産は法的手続きが終わり次第、所有権が移転される」と説明した。

 金元大統領は以前から、財産を寄付する意向を周囲に示していたという。金室長は「金元大統領は在任中、不正腐敗根絶など『韓国病』の治癒を掲げ、金融実名制や公職者の財産登録を導入するなど、改革に取り組んだ。就任の際も『私はこれまでに土地を1坪も増やしたことがない。この状態のまま退任したい』と表明していた。財産の寄付もこうした所信を実践したものだ」と話した。

 これについて安代表は「ほかの政治家にとって素晴らしい手本となる。お元気なので、白寿(99歳)を越えて長生きされるだろう」と述べた。

崔慶韻(チェ・ギョンウン)記者

http://www.chosunonline.com/news/20110106000016

で、金泳三元大統領が寄付するという巨済島の「生家と記録館」ですが、場所的には古縣と長承浦の間にある玉浦から海沿いを北に7キロちょっと行ったところにあります。

関連記事はこのあたりに。

「金泳三記録展示館」

大統領記念館がポコポコと

ここへ行くには、古縣と長承浦方面を結ぶ市内バスを「巨済博物館」で降り、そこでタクシーを捕まえるのがいちばん簡単でしょう。そのあたりには「金泳三大統領生家・記録展示館」と「玉浦大捷記念公園」の行き先案内表示があちこちにありますし、玉浦はちょっとした市街地ですから、タクシーは普通に走っています。

大宇造船海洋の造船所や海水浴場のある海の景色を右手に、巨加大橋に通じる高架道を左手に見ながら、海沿いの道を山二つ越える感じでしばらく走ると、金泳三大統領生家・記録展示館に着きます。




年末の冬休みであったからかどうかは知りませんが、決して広くはない付設の駐車場はほぼ満杯、露天の店がいくつか並んでる展示館前の道路上にまで観光バスやら乗用車やらが二重三重に路上駐車していて、周囲は大混乱の状態でした。

そのわやくちゃの様子を見て、邪魔になりそうだったのでタクシーを帰してしまったのですが、結果的にこれは痛恨の一事となりました。

ともあれ、記録展示館と生家とは、南に面して隣り合っています。どちらもラッシュアワー並みの人出でした。






さて、ぐるっとひと回り見学して、帰ろうと思ったときにはたと気づいたのは、みんな自家用車か観光バスの団体ツアー(学校単位の校外学習か巨済島ツアー)で来ていて、個人で帰る手段がない、ということでした。バスはいつ来るやら一日何本あるやらサッパリわからない上に、流しのタクシーもぜんぜん来ません。

というわけで、歩きました。玉浦まで。

道路自体は整備されていて、歩けなくはないですが、歩道はありませんし、峠を二つばかり越えます。ぶらっと散歩気分で歩く道ではありません。途中でバスに追い抜かれもしましたので、そのバスをおとなしく待つか、行きに乗ったタクシーを帰りまで待たせるかすることをお勧めします*1

とは言え、眺めはなかなか素晴らしいので、こんな写真を撮ってみたり。

途中にある海水浴場に降りてみたり。



玉浦大捷記念公園近くでこんな道路モニュメントを撮ってみたり。

行きがけに見えた造船所の写真を撮ってみたりしていました。

玉浦の街並みが見えたときには、さすがにホッとしましたねえ。


追記:私ほどではありませんが、こちらの方もけっこう歩かれていますね…。

金泳三元大統領の生家と光復前夜編

*1:いま考えれば、コールタクシーを呼ぶという手もないではなかったですね。