惨憺たる学校体育の現況

このニュースを甲子園のお話と並べるのもまた一興、かも知れません。これはまた、エラいことになってるんですねえ。

記事入力 : 2011/04/03 06:01:15
韓国の学校から消えゆく体育の授業
集中履修制導入で、1年生時にまとめて体育の授業
全国の高校の10%、体力づくりがおろそかに

 ソウルに住むパクさん(46)は最近、高校2年生の息子の机の前に張ってある新学期の時間割を見て、気になることがあった。1週間に体育の授業が1回もないためだ。息子に尋ねると「1年生のときにまとめて体育の授業を受けたから、2年生では体育をしない」という答えが返ってきた。パクさんは「体力づくりは継続して行うべきものなのに、体育を特定の学年にまとめて行うなんて、生徒たちの健康が心配だ」と話した。

 このような現象は、今年の高校1年生から、さらに顕著になりそうだ。「2009年改訂教育課程」により、今年から「集中履修制」が本格的に導入され、学校で体育の授業が目立って減少している。集中履修制とは、授業の集中度を上げるため、一つの科目の授業を6学期(1学年当たり2学期)のうちの特定の学期や、特定の学年にまとめて行う制度だ。

 パクさんの息子の学校のように、体育の授業を集中して行う高校は、全体の70%に迫ることが調査の結果分かった。民主党で国会教科委員会所属のアン・ミンソク議員が、全国の高校3673校で体育の授業の編成状況を調査した結果、全学期を通して体育の授業を行っている学校は、昨年の1994校(54.3%)から1178校(32.1%)へと大きく減少した。

 4学期だけ体育の授業を行っている学校は1541校(42.0%)と最も多く、3学期だけ行う学校が272校(7.4%)、2学期だけ行う学校は366校(10.0%)だった。高校生の10人に1人は、高校時代の2年間、全く体育の授業を受けないことになる。

 中学校も同様だ。慶尚南道教育庁では昨年、管内の中学校250校のうち1学期以上体育の授業がなかった学校は158校で、全体の63.2%に上った。44.4%に当たる111校では、1年間ずっと体育の授業がなかった。

 このように、生徒たちの運動時間が不足すると、生徒たちが病弱になる上、体育教諭たちが他の科目の授業を担当する場合もある。青少年期に十分な運動をしなければ、心身の発達がアンバランスになり、創意力が低下すると専門家は警告する。

 このため、成長期の体力づくりが非常に重要な中・高校生に対しては、体育は集中履修制から除外する必要があるという意見も出ている。

 体育の授業をまとめて行うだけでなく、授業時数を減らすという現象も起きている。韓国教員団体総連合会(教総)が先月、小・中学校585校を対象に実施したアンケート調査では、かなりの学校が体育の授業時数を減らしていることが明らかになった。小学校3年生の場合、28校が体育の時間を平均5.9時間削減し、中学校では8校が平均31.9時間削減したと回答した。

 京畿道のある体育教諭(38)は「体育教育が受験勉強に押され、次第に形式的に行われるようになっている上、集中履修制がこれをあおっている」と話した。教総のキム・ドンシク・スポークスマンは「学校現場では、芸術・体育教育を通じた創意力・人格形成教育を強調しているが、実際は国語、英語、数学の授業だけを増やしている。学校の状況に合わせて、集中履修制をより弾力的に運営すべきだ」と話した。

■集中履修制

 今年から小・中・高校に本格的に適用される新しい授業編成方式の一つ。科目別の授業時間数さえ満たせば、授業を行う学年や学期を各学校が自由に定められるというのが、この制度の柱となっている。例えば、体育の授業を3年間のうちの1年にまとめて行うのか、あるいは3年にわたり毎学期、均等に行うのか、学校の裁量で決定することができる。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

http://www.chosunonline.com/news/20110403000016

要するに、「何だかんだ言っても、体育の授業って邪魔」ってことです。体育の授業が大事だと思っている人も、「英語・数学・国語の時間を削ってまで最優先で体育の時間を確保すべきか」と問われて、断固として「네!」と答えられるかどうかと考えれば、やや(かなり・まったくもって)疑問でしょう。

生徒たちが晒されている競争を勝ち抜くためには、体育や歴史(例えばこちら参照)など、必要とされてないのです。そんなシステムをデザインしたのは、教育現場ではありません。

ただでさえもともと韓国の学校にはプールがほとんどないのに、いずれグラウンドも体育館も学校から切り離されるんじゃないですかね…。今でもすでに、生徒が使わない分を貸し出せば、かなりの需要があるみたいですし。

記事入力 : 2011/04/03 06:09:52
野球:アマチーム急増、野球場の予約が困難に
ソウルだけで1400チームのアマチュア野球チーム
利用料は最高で年8000万ウォン

 先月20日、ソウル市城東区杏堂洞の徳寿高校グラウンドでは、アマチュア野球チーム「ソウル・スティーラーズ」の選手たちが早朝から降る雨の中、ぬかるむグラウンドで試合に夢中になっていた。同チームの総務担当者(33)は「雨は大したことではない。地方遠征に行かずソウルで試合ができるだけでも満足」と言った。

 彼らがコンディションの悪い野球グラウンドも嫌がらないのは、野球場が大幅に不足しているためだ。韓国野球委員会によると、全国にアマチュア野球チームは約4000チーム、選手は50万人に達するという。ソウルだけで1400チーム余りが登録されている。しかし、ソウルでアマチュアチームが使用できる野球場は中学・高校のグラウンドなど30カ所程度しかない。

 このような状況のため、ソウルや首都圏にあり、野球ができる中学・高校をめぐり、激しい「予約戦争」が起きている。アマチュア野球チームの間では「グラウンド予約のほうがゴルフ場予約よりも難しい」と言われているほどだ。

 アマチュア野球チームは各「リーグ」に年会費300万ウォン(22万円)前後を支払い加入、試合を行う。リーグ運営者たちは毎年末、野球場の施設が整った中学・高校と週末利用契約を結び、中高に「学校発展基金」という名目で野球場レンタル料を支払う。アマチュア野球チームが急増していることから、野球場を借りるための学校発展基金も増えている。5年前は年2000万ウォン(約140万円)ほどだったが、最近は人工芝のある一部中高の場合、8000万ウォン(約580万円)台に達している。

 1チームが週末に行える試合数が月1−2回ということで、毎週末野球をするため2−3チームを掛け持ちする人も珍しくない。ある会社員(38)は毎週野球がしたいと思い4チームに入っている。この会社員は「1チームの年会費は35万ウォン(約2万5000円)なので、計140万ウォン(約10万円)は負担だが、週末に野球をするためなら仕方ない」と話している。

ハン・サンヒョク記者

http://www.chosunonline.com/news/20110403000019

何か間違ってるよなあ、と思いますよ。思いません?

さて、どこから手をつけたものでしょうかねえ。