天下のソウル大も日和った?

記事入力 : 2011/04/14 10:55:34
KAISTでの問題受けソウル大が方向転換?

 優秀な学部生を選抜して特別教育を施すという、いわゆる「オーナーズ・カレッジ(優等大学)」について、本紙が「ソウル大学が計画を推進中」と報じたところ、これに対して同大は13日に報道資料を配付し、正式に否定した。資料を通じてソウル大学は「在学生の中から優秀な学生を選び、オーナーズ・カレッジを運営するという計画はない」「学内で議論されたとか、アイデアとして提示されたこともない」とは明確に否定した。

 しかし、このような公式の立場とは異なり、ソウル大の関係者は同日、「(オーナーズ・カレッジは)呉然天(オ・ヨンチョン)総長(学長)が掲げる“学問を引き継ぐ世代の養成”に関係するものだ。これは呉総長が掲げた10大公約の一つでもある」「自由専攻学部の募集定員を削減するか、あるいは完全に廃止した上で、オーナーズ・カレッジ体制に転換することが検討されていたのは事実だ」と述べた。

 学内で役職を持つある教授は「韓国科学技術院(KAIST)の“授業料免除の段階適用制度(成績が低い場合、授業料を納付する制度)”が、学生の相次ぐ自殺につながったとする批判の声が上がっている中、学生を優劣によって区分するオーナーズ・カレッジを推進することに、大学本部が負担を感じたようだ」とコメントした。

李碩浩(イ・ソクホ)記者

http://www.chosunonline.com/news/20110414000043

このニュース、下の記事などを受けてのものです。確かに、その内容の是非は別にして、今これを推進するというのは、いかにもタイミングが悪いでしょう。急を要するものでもないですし、ソウル大としては賢明な選択だと思います。

記事入力 : 2011/04/13 07:38:59
ソウル大、優等生教育プログラムの設置を検討

 ソウル大学が、優秀な在学生を対象に別途の教育プログラムを運営する「オナーズ・ カレッジ(優等大学)」の設置を推進している。設置されれば、優秀な学生には学業をさらに深めるチャンスが開け、学生同士の競争は一層激しくなる見通しだ。

 ソウル大関係者は11日「優秀な学部生を対象に1段階レベルの高い教育を行う、オナーズ・ カレッジの設立を検討している。朴明珍(パク・ミョンジン)副総長(副学長)を中心に議論を進めており、具体的な内容は研究チームを構成して詰めていく」と語った。

李碩浩(イ・ソクホ)記者

http://www.chosunonline.com/news/20110413000006

こんな報道もありましたが、こちらはどうなるのでしょうか。工科大学・経営大学レベルでの個別のプログラムみたいですが、本部からストップがかかっても不思議ではありません。もちろん、そのまま推進されるかもしれませんけど。

ソウル大、成績優秀者に道徳性・リーダーシップ教育
2011/04/13 17:58 KST

【ソウル13日聯合ニュース】韓国の理工系名門大学、韓国科学技術院(KAIST)で過度な競争が原因とされる自殺が相次いでいるなか、ソウル大学が成績優秀者に対し、道徳性とリーダーシップ強化の支援に乗り出した。

 同大学の工科大学は13日、グローバル人材の育成を目指し、成績優秀者の集まり「STEM」の2期生24人を選抜したことを明らかにした。「STEM」は米大学の「オナー・ソサイエティ」のような一種の交友会で、優秀な学生を集め、奉仕の精神とリーダーシップ、国際感覚を身につけさせることを目的としている。

 3年生から加入でき、1〜2学年の平均点数が4.3点満点中3.7点以上か、学科内の成績順位が上位10%以内に入る学生だけが志願できるほど、加入条件が厳しい。担当教授または会員5人以上の推薦も必要で、運営委員の面接をクリアしなければならない。

 学生自治組織だが、初期段階にあるため、大学側がボランティア活動やリーダーシップ教育、英語講座などのさまざまなプログラムを支援している。工科大学関係者は「ソウル大が目指す人材育成のためには、専攻科目の教育に力を注ぐだけでは不十分だと判断した。学生に真のリーダーについて考えさせ、動機を与えるのがSTEMの趣旨」と説明した。

 さらに、同大学の経営大学は今学期から成績優秀者に贈る「学長のリスト」という制度を導入した。平均点数4.0以上の学生が対象で、リストに入った学生には学長名義の認証書が交付され、1学期間、校舎のロビーに名前が掲示される。

 経営大学側は同制度について、落第のようなネガティブ方式の制度ではなく、優秀な学生を表彰するポジティブ方式の制度だと説明する。また、ごく少数の学生が選ばれるだけに、選定されなかった学生が挫折を味わうことはないだろうと強調した。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/society/2011/04/13/0800000000AJP20110413003900882.HTML


今回の問題の発端であるKAISTも、事態の収束を図っています。もしかしたらこれで一段落、ということになるかもしれませんが、それでもノンストップで突き進んできた「徐南杓改革」に急ブレーキがかかったことは事実で、しばらくはやはりギクシャクすると思われます。

挫折感からやる気をなくすか、目標を新たに設定しなおして一歩を踏み出すか、総長自身にとってもKAISTにとっても、ここが正念場でしょう。

自殺相次いだ韓国エリート校、事態は収束局面へ
2011/04/14 14:40 KST

【大田14日聯合ニュース】自殺事件が相次いでいる理工系名門大学、韓国科学技術院(KAIST)の事態が収束局面に向かっている。極端な成績至上主義や過度の競争主義の導入など、強引な学校経営が指摘された徐南杓(ソ・ナムピョ)総長は教授らの要求に同意するなど、校内の意見を受け入れる姿勢を示している。

 KAISTによると、徐総長は14日午前に教授らと学校運営について意見を交わしたのに続き、午後は学生代表と話し合う予定だ。学校側は今日中に学校運営の改善案を確定、15日の理事会で報告する。

 12日に公表してから5時間後に撤回した学校運営の改善案の中では、成績によって懲罰的に授業料を徴収した制度を学部4年生には適用しないことを決定したが、それ以外は議論を続けている。

 学生と教授の両方から実効性を疑問視する声が上がっていた英語授業については、教養科目は韓国語で行う方針を明らかにしたが、英語と並行する方向で見直すとみられる。

 提案のあった「入学から2学期は落第を免除する」は他校では存在しない制度で、適度な緊張感が必要だとの意見もあり、改善案に含まれない可能性が高い。この制度は1995年、同校学生の自殺事件が相次いだことを受け、一時的に導入されたことがある。

 今回の事態の克服に向け、同校では「革新非常委員会」をスタートさせる。すでに委員会のメンバー人選作業に入った。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/04/14/0200000000AJP20110414002300882.HTML