Kリーグの八百長問題が深刻化

最初はごく少数の個人レベルでの話かとも思われましたが、捜査が進むにつれ、どんどん事態の深刻度は増しているようです。

今すべきことは、事件の全貌を明らかにして処分すべきところは処分すること、併せて違法賭博に対する取締りを徹底化することでしょう。誘惑があってこそ選手が八百長に手を染めることがあるわけですし、違法賭博で動くお金というのはたいていの場合、闇社会の資金源になっているはずです。そちらの観点からの取り組みも、八百長の根絶には欠かせないものだと思います。

記事入力 : 2011/05/26 09:54:28
【社説】韓国にも上陸したプロサッカー八百長

 昌原地方検察庁特捜部は、勝負を操作して巨額の配当を得ようと、プロサッカー「Kリーグ」の選手を買収したスポーツ賭博ブローカー2人を拘束、ブローカーから金銭を受け取ったプロサッカー選手2人を取り調べている。拘束されたブローカー2人は今年4月、プロサッカー大会に出場したあるチーム所属のゴールキーパー(GK)に1億ウォン(約740万円)、別のチームに所属するミッドフィールダー(MF)に1億2000万ウォン(約890万円)を渡し買収した疑いが持たれている。韓国サッカー連盟の記録によると、買収されたGKは所属チームが行った5試合中4試合に出場、計11点を許し、所属チームは3試合で敗戦した。MFは1試合にスタメン出場したが、所属チームは試合に負けている。

 スポーツ賭博とは、サッカーの試合が始まる前に勝敗を予測して金を賭け、試合の結果に応じ配当金を受け取るものだ。警察は2008年、実業団サッカーリーグとアマチュアのサッカーリーグで八百長に加担した選手とブローカー23人を摘発している。この事件以来、トップクラスのサッカー選手たちが出場するKリーグでも、ブローカーが介入する八百長があるとのうわさが広がった。そして今回、そのうわさが事実だったことが確認されたのだ。

 政府が許可している公式のスポーツくじは「スポーツTOTO」だけだ。しかし、インターネット上では、スポーツTOTOをまねた違法なスポーツ賭博サイトが幅を利かせている。地下の違法なスポーツ賭博市場の規模は4兆ウォン(約2975億円)に上るといわれている。違法なスポーツ賭博を行う組織は、インターネット上にサイトを作り、引退した選手たちをブローカーとして雇う。そして、現役選手たちを買収、暴力団員らを動員し、選手たちが余計なことを考えないように脅迫する。年俸が低い地方の中小チーム所属選手のうち、八百長試合で決定的な役割を担うGKとディフェンス(DF)の選手を主な買収対象にしているという。

 Kリーグには16チームあるが、八百長に加担する選手が各チームに2−3人ずついて、中には元韓国代表選手もいるとのうわさもある。八百長はスポーツファンを裏切る行為であり、結局はスポーツの没落を早める深刻な自殺行為だ。

http://www.chosunonline.com/news/20110526000031

記事入力 : 2011/05/30 10:01:05
【社説】八百長を見て見ぬふりしたチームの責任は重い

 韓国プロサッカー「Kリーグ」で選手たちが行っていた八百長行為に対し、チーム側がそれを知りながら放置していたことが分かった。しかし、ただ傍観していたわけではない。各チームとも八百長に加担したことが疑われる選手のリストを作成し、時には他チームともこれらの情報を共有しながら、1年に2回あるトレードの時期に問題の選手を適当な理由をつけて放出するか、あるいは八百長行為について知らない海外のチームに金銭トレードを行ってきた。これではチームもファンを愚弄してきたとの非難から逃れられないだろう。各チームとも、今からでも自分たちが持つブラックリストを検察に提出し、全てを明らかにして捜査に協力すべきだ。

 検察は昨日までに大田シチズン所属の選手8人に対する事情聴取を終え、次は光州FC所属の選手たちから詳しい事情を聞く予定だという。サッカー界では今、Kリーグに所属する16チーム全てが大小さまざまな八百長に関わってきたことが、半ば明白のこととされている。身柄を拘束された大田シチズンの選手は「ブローカーから受け取った額は1億2000万ウォン(約895万円)で、これを八百長に加担したチームの仲間7人と山分けした」と証言している。16チーム全てでこのような形の八百長が行われたと仮定した場合、最低でも50人、多い場合には100人以上が事件に関係しているはずで、検察もその可能性は十分あるとにらんでいる。

 八百長は通常のスポーツTOTOなど、合法的なギャンブルをめぐっても行われていたが、賭け金に制限がなく巨額がやりとりされる違法スポーツ賭博サイトでより積極的に行われていた。現在500以上あるとされる違法サイトでは、年間の取引総額は4兆ウォン(約3000億円)に達すると推測されている。選手たちも3人に1人は特に罪の意識を感じることなく、これら違法サイトにアクセスして自ら賭博を行った経験があるという。選手がもし自分のチームが負ける方に賭ければ、これは当然八百長に加担する結果となる。

 プロサッカー連盟は26日に特別会合を開き、対策委員会を立ち上げて八百長に対するチェックを強化することと、国民体育振興公団が行っているスポーツTOTOの対象から、プロサッカーを当分の間除外するよう求めることを発表した。また先週末から「クリーンキャンペーン」を開始し、試合前に監督、コーチ、選手、チーム関係者らが八百長根絶を誓い合っているが、これらはいずれもファンの冷たい視線を意識して取り繕われたものとの感は否めない。

 今すべきことは、まず八百長を知りながらこれを放置してきたチームが率先してファンに謝罪することと、関係した選手全員を処分することだ。ファンが試合結果を信用しないのなら、これ以上試合を続けても意味がないからだ。サッカーは2002年のワールドカップ韓日大会でベスト4に進出したことをきっかけに、今では全ての国民がファンといっても過言ではない。発足から28年目を迎えたプロサッカー界だが、これまで積み上げてきたもの全てをいったんはなかったことにし、その上で一からやり直すという覚悟がなければ、決して生まれ変わることはできないだろう。

http://www.chosunonline.com/news/20110530000017

平均年俸1200万ウォンのKリーグ1.5軍選手、黒い誘惑に
2011年06月01日09時07分

プロサッカー八百長にかかわった容疑で拘束された選手たちには共通点がある。年俸が低く、主戦力ではない1.5軍の選手という点だ。年齢は20代半ば−30代初め。サッカー選手として全盛期の年齢で実力が足りずポジション争いで劣勢となるため、年俸は少なくなるしかない。結局、プロサッカー選手として成功するのが難しい状況に追い込まれ、お金の誘惑に流される。

市民球団の大田(テジョン)シチズンと光州(クァンジュ)FCによると、この日現在、ブローカーから1億2000万ウォン(約950万円)を受けた容疑で拘束された大田シチズンのMFパク選手(25)と、パク選手から1000万−4000万ウォンを受けたGKシン選手(26)、DFヤン選手(25)、MFキム選手は1.5−2軍所属。ブローカーから1億ウォンを受けた容疑で拘束された光州FCのGKソン選手(31)も昨年まで仁川(インチョン)ユナイテッドの1.5軍にいた。1軍は主戦選手、1.5−2軍は非主力選手をいう。

彼らの年齢は25−31歳。サッカー選手として全盛期だが、主力選手になれず、Kリーグのグラウンドを踏む機会が少ない。特に元プロサッカー選手のブローカー(28)は高校時代は有望株だったが、慶南(キョンナム)FCで6カ月間、一度も試合に出られずグラウンドを離れた。

年俸も低かった。球団設立当時、両球団が他球団から選手を連れてくる時、主力級は5000万ウォン(約380万円)、非主力級は1200万ウォン(95万円)で年俸契約をしたという。一方、国家代表級選手の年俸は10億ウォン(勝利手当などオプション含む、広告は除く)という。国内プロサッカー上位圏チームの主力選手は4億−5億ウォンほど受けている。市民球団の非主力選手の年俸は国家代表級選手の年俸の100分の1程度だった。大田シチズンイ・ジフン広報担当は「主要ポジション別に差はあるが、市民球団の選手は他の球団に比べて年俸が少ない」と話した。

事件の裏にはブローカーと選手間の学縁も絡んでいた。検察によると、30日に自殺したソウルユナイテッドのチョン・ジョングァン選手(30)はブローカー2人の高校の先輩だった。こうした学縁が八百長という事件に拡大した。光州FCのチェ・マンヒ監督は「学縁や劣悪な環境、こういうものをモラルで乗り越えるのがプロだ」と述べた。

http://japanese.joins.com/article/425/140425.html?servcode=600§code=610