同志社大学の博士課程無料化

見出し的にかなりインパクトのあるニュースですが、これは別に学生のためを思ってといったことではなく、「そこまでしてでも優秀な学生を集めることは、充分に大学の利益にかなう」ということでしょう。

東京大学の「9月入学」は、いったんそっちに流れができれば雪崩を打って一気に追随する大学が増えるかも知れませんけど、こちらに追随できる(=そこまでするメリットがある)大学はそんなにないでしょう。だいいち、無料化の果てに「ホームレス博士」量産といった事態が待っているとしたら、それこそ目も当てられませんから。

同大、博士課程の学費を実質無料化に 12年度から

 同志社大は1日、2012年度から専門職大学院を除くすべての大学院の研究科で、博士(博士後期)課程の学費を実質無料化すると発表した。研究者をめざす優秀な大学院生の獲得が目的。入学時に34歳未満のすべての大学院生が対象で、「入学金なども含む学費完全無料化は、全国でも初めてではないか」としている。

 同大の博士課程(3年)は、授業料と入学金、教育充実費、実験実習費など年約65万〜125万円の学費が必要で、これらに相当する返還不要の奨学金を入学から3年間給付する。12年度に新設する5年一貫制の脳科学研究科は5年とも無料にする。

 同志社大の博士課程には今年5月で451人が在籍している。仮に今回の制度が実施されていたとすると、約200人が学費無料になるという。

 博士課程の大学院生への経済支援は、京都大や京都産業大、東京大、早稲田大、慶応大なども打ち出し、大学院生の獲得競争が激化している。八田英二学長は「優れた研究者の卵を迎え、世界で活躍できる環境を整えたい」と語った。

【 2011年07月01日 23時33分 】

http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20110701000122

同志社と言えば、こっちもちょうどニュースになっていましたね。田辺キャンパスのオープン以来続いてきた文系学部の学年割れ体制も、これでついに完全に幕となるようです。

同大が文系統合、拠点に 上京で新校舎の起工式


同志社大烏丸キャンパス新棟の完成予想図

 同志社大は1日、「烏丸キャンパス新棟」(京都市上京区烏丸通上立売上ル)の起工式を行った。2012年10月末に完成予定で、13年4月から今出川キャンパスに集約する文系学部や国際関係の新学部の拠点となる。

 新棟は市繊維技術センター跡地(約7700平方メートル)に建設し、地下1階地上3階延べ床面積約1万6500平方メートル。大学院の総合政策科学研究科とグローバル・スタディーズ研究科、13年4月開設予定のグローバル地域文化学部などの教室や研究室が入る。

 起工式は八田英二学長ら関係者約50人が出席、賛美歌を歌い安全を祈願した。八田学長は「文系学部のキャンパス統合で、8千人が大学の街京都に帰ってくる。学生文化が烏丸今出川かいわいで復活することも期待している」と述べた。

【 2011年07月01日 23時08分 】

http://www.kyoto-np.co.jp/education/article/20110701000120