何をいまさらな仁川空港アクセス談義

こんな話、地方に住んでれば、今に始まったことではない当たり前の話なんですけど。仁川空港ができてから何年経ってると思ってるんですか。

去年、光州から金浦空港の午後便に乗ったときでも、早朝からタクシーで良洞市場駅→地下鉄で光州松汀駅→KTXで竜山駅→地下鉄1号線で鷺梁津駅→地下鉄9号線で金浦空港駅、という移動になってしまい、なかなか大変でした。数の少ないKTXの時間に拘束されますし*1、空港鉄道が発着するソウル駅に直接アクセスできないという意味でも、京釜線沿線よりも湖南線沿線の住民の方がはるかに不遇です。

したがって、慶尚道の南部新空港云々には個人的に賛同できません。金海国際空港もありますしね。

そろそろ懲りましょう。

また、国内的に南部の地方がほったらかされていたというだけでなく、この南部圏の人々をターゲットにして、成田空港経由のためのアクセス便を飛ばすという発想も、日本サイドで熟することないままにここまで来てしまったような気がします。

記事入力 : 2011/08/14 08:25:51
「外国より遠い」仁川国際空港(上)

光州広域市から海外出張のため飛行機に乗るまでにかかる時間
南部の大都市からの場合、ソウルに比べて時間も費用も4倍から6倍
2013年にソウル直行のKTXが開通すればアクセスが便利に

【チョン・チョルファン記者/チャ・ビョンソプ・インターン記者(ソウル大学外交学科4年)】 光州広域市のある中堅企業に研究職として勤務するキムさん(39)にとって、海外出張は一苦労だ。出張の回数が多いからではなく、仁川空港に行くまでの移動がまさに苦痛だからだ。光州からKTXや直行バスを利用して、仁川空港までにかかる時間はおよそ5時間。飛行機の搭乗時刻に間に合わせるためには、7時間から8時間前には光州を出発しなければならない。飛行機の出発時刻が午前中の場合には、前日に出ることもある。キムさんは「飛行機に乗っている時間よりも、光州から仁川空港まで移動する方が時間がかかる。外国よりも仁川の方が遠く感じることもある」などと述べた。

 今や年間1400万人の韓国人が海外を行き来する時代だが、地方に住む人や企業は深刻な「出国難」に直面している。ソウルから仁川空港までの所要時間は1時間ほどだが、大邱、光州、蔚山、木浦などから向かう場合には最低でも半日はかかるからだ。その上、2回から3回は乗り換えが必要で、費用の負担も大きい。地方に住んでいるというだけで長い時間と巨額の費用を浪費することになる。

■飛行機に乗るまでに半日

 大邱、光州、蔚山、木浦など南部から仁川空港に向かうには、(1)国内線の飛行機(2)KTX(3)リムジンバス(4)自家用車を利用する、という4つの方法がある。しかしどの方法でも4時間から6時間はかかり、費用は最低でも5万ウォン(約3600円)以上、飛行機なら10万ウォン(約7200円)はかかる。ソウルから仁川空港まで移動するケースと比較すると、費用も時間も4倍から5倍以上は必要となる。

 国内線の飛行機やKTXは高速だが、最低でも2回は乗り換える必要がある。蔚山で勤務するある大手企業の課長(39)は「蔚山空港から仁川空港に直行する飛行機がないため、まずは金浦空港まで飛行機で行き、それから空港鉄道やリムジンバスに乗り換えなければならない。しかし、金浦では荷物を受け取らなければならないため、仁川空港までは1時間以上余分にかかる」と述べた。また蔚山から仁川空港に向かうリムジンバスの場合、6時間以上かかる上、便数も5時間に1回と少なく、到底利用することはできないという。蔚山商工会議所海外支援チームの担当者は「“蔚山まで行くのは大変”と不満を語るバイヤーもいる。そのため、海外営業やマーケティング担当の部署だけを首都圏に移す企業もある」と述べた。

http://www.chosunonline.com/news/20110814000013

記事入力 : 2011/08/14 08:25:59
「外国より遠い」仁川国際空港(下)

■欧州のように高速鉄道で空港まで

 仁川空港がオープンして10年になるが、このような不満は今なお多く残っている。大邱慶北研究院の関係者は、「経済性がないという理由で南部に新空港を建設しないのであれば、慶尚北道と仁川空港をつなぐ交通の便を整備すべきだ。しかし今のところ、何の対策も打ち出されていない」と述べた。

 欧州では高速鉄道が主要な国際空港や全国各地をクモの巣のように連結しており、韓国のような不便さはない。自国民だけでなく、周辺国からでも高速鉄道に乗れば、1時間から3時間以内で大型の国際空港にたどり着くことができる。料金は40ユーロ(約4370円)から60ユーロ(約6540)で、現地の物価水準からすれば比較的安い。一部の駅では搭乗手続きまで行っているところもあり、時間も節約できる。

 韓国もこのような欧州式の交通モデルに注目している。国土海洋部(省に相当)の関係者は、「TGVとICE(ドイツの高速鉄道)がシャルル・ドゴール空港(パリ)とドイツのフランクフルト国際空港を直結しているように、KTX京釜線と湖南線を仁川空港まで延伸させる計画だ」と述べた。

 これに伴い韓国鉄道施設公団は最近、京義線と空港鉄道を連結する工事を発注した。2012年末に工事が完了すれば、KTXはソウル駅と水色駅(ソウル市恩平区)を経て仁川空港に直行できるようになる。韓国鉄道公社(KORAIL)の関係者は「再来年(2013年)には釜山、光州、木浦などから仁川空港までKTXで3時間以内で移動できるようになるだろう。ソウルまで運行しているKTXの10%から20%は、乗り換えなしで仁川空港に直行できる」と述べた。

http://www.chosunonline.com/news/20110814000014

それにしても、空港鉄道の路線も京義線の路線も、昨日今日にでき上がったものでもないのに、KTXの乗り入れという話がここまでなかなか煮詰まらなかったのも不思議な話です。残る問題はいろいろありますが、この乗り入れが実現すれば(地方在住者にとって)便利なことは間違いありません。もっとも、どうせ経由するなら、水色駅よりもデジタルメディアシティー駅だと思うんですけど。

またそれよりも何よりも、だったら長い工期をかけて空港鉄道をDMC駅から弘大入口駅・孔徳駅経由でソウル駅に接続する必要があったのか、ちょっと疑問です。むしろ孔徳から竜山につないで中央線に乗り入れさせた方がよかったのではないかと思わなくもありません。そしたら往十里とか清涼里のような東部の重要駅と仁川空港が鉄道で直結できたんですけど。

*1:ですから、この時には光州駅からはKTXに乗れませんでした。