ソウル大学校関連

取り上げるタイミングを逸してしまっているのですけど、こちらもやはり、注目しておきたいニュースです。

言うまでもないことだと思いますが、現在のソウル大に日本研究に携わる研究者や学生がいないというわけではありません。

ソウル大学開校65年で初めて日本学科開設
2011年10月14日10時56分
[ⓒ 中央日報日本語版]

ソウル大学は13日、「来年初めに日本学専攻課程を含む東アジア言語文明学部を開設することを学長会議で議決した」と明らかにした。ソウル大学は来月初めに最高意志決定機関の評議員会を開いて最終議決する。

韓国の東亜日報によると、「ソウル大学は国内のすべての学科を網羅した最大規模の総合大学ながら、唯一日本関連専攻学科を開設しなかった。日帝強占期直後の1946年の開校当時に反日感情を考慮して関連学科を開設しなかった。日本最高の国立大学の東京大学が韓国関連専攻学科を開設しておらず、相互主義の次元からも学科を作らなかった」と伝えた。

同紙によると、現在日本の4年制大学760校余りのうち韓国語学科が設置されたところは5校で、韓国語教師資格証を取得できる大学は8校、韓国語関連授業科目が開設されたところは昨年末基準で429校だった。

一方、昨年開設された東京大学現代韓国研究センターをはじめ、慶応大学、早稲田大学九州大学立命館大学などに韓国関連研究所が設置されているという。

http://japanese.joins.com/article/628/144628.html

[オピニオン]ソウル大学の日本学専攻過程
OCTOBER 15, 2011 02:59

韓国にはいたるところに、奇妙な日本不在現象が残っている。韓国最高の国立大学であるソウル大学は、国内の全ての学科を網羅した最大規模の総合大学でありながら、日本学科が無いこともその現象の一つだ。根深い反日感情の上、「日本はどの国よりも我々はよく知っている」、あるいは、「日本は学問的に研究する必要の無い国」のような根拠の無い認識がその根底にある。ソウル大学が昨日、1946年の開校以降「64年間のタブー」を破り、東アジア言語文明学部を新設し、日本学専攻過程を設けることにした。

知日派である池明觀(チ・ミョングァン)元翰林(ハンリム)大学碩座教授は1973年、日本留学に発った。氏は日本についてよく知っているつもりだと考えていたが、いざ、着いてみたら、自分の知っていた日本とはずいぶん違っていて驚いたという。その実、韓国は日本についてよく知らない。大韓帝国時代や日本植民地時代に、韓国の多くの知識人が日本に留学に発ったが、日本について学ぶより、日本を通して西欧文化を学ぶことに偏った。植民地からの独立後、1970年代までは、日本への渡航もあまり無かったし、渡航しても韓国関連資料を探すレベルだった。1980年代を前後に、日本そのものについて勉強するための渡航を始めた。韓国には依然、50年前、100年前の日本文書を解読できる人材がほとんどいない。

ソウル大学は、日本最高の国立大学である東京大学に、韓国関連専攻学科が開設されない以上、日本学科を設けないという相互主義を固守してきた。01年当時、ソウル大学の李基俊(イ・ギジュン)総長と東京大学蓮実重彦総長とがそれぞれ、日本と韓国専攻学科の設置に合意した。その後、東京大学教養学部や人文社会系研究科・韓国朝鮮文化研究専攻の韓国語及び韓国学講師陣を大幅に増やし、ソウル大学は、日本研究所や言語学科内の日本語高級過程を新設した。

◆いまや、韓国と中国、日本の北東アジア時代を迎えている。中国が主要2ヵ国(G2)の一つに浮上したことを受け、これまで、近くて遠い関係を保ってきた3ヵ国は、緊密な協力を模索せざるを得ず、相互についてより多く知らなければならない段階に来ている。中国最高の名門、北京大学が09年、韓国語化を独立学科に格上げさせた。今回ソウル大学が、日本学専攻過程を設けることを決めた。東京大学の韓国語や韓国学講師陣はすでに15人程度と、1学科の水準だ。教科の歪曲問題や領有権紛争など、3国間に懸案はあるものの、問いただすことは問いただし、進展させることは進展指させるのが正しい方向だ。

宋平仁(ソン・ピョンイン)論説委員

http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=100000&biid=2011101585668

記事入力 : 2011/10/16 07:51
【萬物相】ソウル大学日本学科

 日本の作家、司馬遼太郎は、日露戦争をテーマにした小説『坂の上の雲』で「明治初期の日本人には『サル』という惨めなあだ名がつけられていた」と書いた。日本は欧州を見習おうとする民族という意味で「サル」と呼ばれたという。司馬は、このような軽蔑的な表現を最初に使ったのは欧州ではなく韓国だったと説いた。韓国人は公文書でも、明治維新で大変革を遂げた日本を指して「その姿を変え、慣習を変えたのだから、なぜ日本人と言えようか。国交を結びたければ本来の風習に戻すように」と記したという。司馬の文章には、韓国人の根深い日本観に対する抗議と共に、歴史の大転換期にも気付かなかった朝鮮王朝に対するやゆも込められている。

 今はもちろん違う。韓国は日本から多くのことを学ぼうとしており、交流も活発だ。昨年、韓国で日本語能力試験(JPLT)を受験した人は9万3000人(受験者全体の19.8%)に上り、中国の24万人(同51.5%)に次いで2番目に多かった。2010年の韓国語能力試験は、日本人1万1500人以上が受験し、外国人受験者の8%を占め、中国に次いで多かった。

 このように韓日両国は、互いの言語や文化について熱心に学んでいるが、両国を代表する国立大であるソウル大と東大には、これまで日本学科や韓国学科がなかった。1961年の韓国外国語大学を皮切りに、多くの私立大と17校の国公立大に日本関連の学科が設置された。しかし、ソウル大は「民族のプライド」を盾に日本学科の設置を先延ばしにしてきた。「東大が韓国学科を設置するまでは、ソウル大に日本学科を設けるべきではない」という主張もあった。

 だが両大学は2000年、総長同士が立ち上がり、日本学科・韓国学科の設置を同時に推進してきた。ソウル大は日本語講座を開設して研究所を設立し、東大でも韓国学コースが開設されたが、正式な学科ではなかった。一方、ソウル大は同年に日本語教育学科の新設を要請したが、教育部(省に相当)は「日本語教師が多すぎる」として承認しなかった。

 ところが、ソウル大は先日の学長会議で、日本学専攻課程を含む「東アジア言語文明学部」を開設することを決めた。これを機に、日本学科の設置に関するタブーが破られたことになる。日本の文学、歴史、哲学を総体的に捉え、研究する内容となっている)。ソウル大学が学科の設置をめぐって東大と神経戦を繰り広げる時代はすでに過ぎ去った。日本をはじめ、東南アジア、インド、中東など、今までおろそかにしてきた地域に対する理解を深めることが、自国を強化していく道だ。

鄭佑相(チョン・ウサン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2011/10/16/2011101600065.html

ソウル大に日本専攻課程=反日乗り越え新設−韓国

 【ソウル時事】韓国を代表する名門校、国立ソウル大学が、日本関連の専攻課程を開設することになった。定員は1学年5人で、言語や文学に加え、歴史や哲学など日本を広範囲に学ぶという。

 最近の学長会議で、日本学専攻を含む「アジア言語文明学部」を来年初めにも新設することが議決された。来月評議員会を開き、最終決定する。

 ソウル大は日本による植民地支配からの解放翌年の1946年に開校したが、反日感情などを考慮し、日本専攻課程の開設を見送ってきた。90年代に入り、「隣の経済大国の研究を避けるのは時代錯誤」との声が出始め、2004年、学内に「日本研究所」が設置された経緯がある。

(2011/10/17-14:20)

http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011101700379

また、このニュースはこちらの話とも関連づけて考える必要があると思われます。ソウル大で日本研究をするのは、韓国人とは(日本人とも)限りません。ソウルで日本研究を進めることの意義をどこまで高められるか、という挑戦でもありますね。

ソウル大 東大などと共同学位制度の導入推進
2011/10/17 15:46 KST

【ソウル聯合ニュースソウル大学は18日、東京大学北京大学ハノイ大学と共同学位制度を数年内に導入することで合意したことを明らかにした。

 合意により、4大学の担当者は来年3月にソウル大で会合を開き、共同学位制度の導入に向けた具体的な実務協議を行う予定だ。

 共同学位は取得した単位を二つの大学で卒業単位として使えることができ、両大学の学位が得られる制度。  

 ソウル大は2000年、3大学とともに東アジアの学問ネットワークを構築し、共同学位制度を設けることで原則合意。学部と学科レベルでの交流協力を進めてきた。韓国と日本、中国の首脳は2009年、欧州連合(EU)の学生交流プログラムを参考に大学間の交流協力プログラムを拡大することで一致。そこから、アジアの大学間交流は軌道に乗り始めた。

 ソウル大学は来年10月にも、北京大で開かれるコンファレンスで4大学の共同学位制度が締結されると見込んでいる。ソウル大は学生交流プログラムと共同研究も拡大していく方針だ。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2011/10/17/0200000000AJP20111017002000882.HTML