【大学ラグビー】天理大が初の決勝進出

2日は箱根駅伝大学ラグビーを両方気にしながら高校サッカーも観る、というのが恒例なわけですが、制度的に関東勢以外を排除している箱根駅伝を論外としても、関西勢がなかなか結果を出せないでいたスポーツで確実な地殻変動が見えてきているのは喜ばしいことです。

特に大学ラグビーでは、ここ数年の関西学院立命館の復活台頭を皮切りに、関西Aリーグが少しずつ活性化しています。その中で力をつけてきた天理大学は、今季のリーグ戦でも相当の強さを見せていました。なかなか突破できなかった関東の壁を打ち破ってたどり着いた決勝戦で、帝京大相手にどんな戦いを見せるのか、今回はなかなか楽しみです。

ラグビー]天理大が初決勝!関西勢24大会ぶり…全国大学選手権


後半28分、天理大・宮前(左)がトライを決める

 ラグビー全国大学選手権準決勝 天理大42─17関東学院大(2日、東京・国立競技場)関西の覇者、天理大は8トライの猛攻で、関東学院大(リーグ戦3位)を42―17で下し、1925年の創部以来87年目で初めての決勝進出を決めた。関西勢としても、87年度の同大以来、24大会ぶりに決勝へ駒を進めた。また、82〜84年度の同大以来史上2校目の3連覇を目指す帝京大(対抗戦1位)は、筑波大(同4位)を29―3で下して4大会連続の決勝進出。8日の決勝(国立)は、24大会ぶりの“東西王者対決”となった。両校は、日本選手権(2月25日開幕)への出場も決めた。

 ノーサイドの笛が響き渡る国立で、天理大件フィフティーンはその瞬間をかみしめた。“関西王者”は大学日本一6度の関東学院大に一度もリードを許すことなく圧倒し、創部以来初めての決勝進出。「前半、風下を選んで結構ボールを動かせたので思い通りの試合展開でした。(トンガ人の)両センターがマークされたぶん、僕は走りやすかったです」とSO立川理道主将(4年)は笑顔で振り返った。

 前半5分、敵陣10メートル付近からの展開で立川が抜け出し、飛ばしパスから右ウイング宮前勇規(3年)が右スミに先制トライ。立川を起点に、宮前が4本、左ウイングの木村和也(4年)が2本と、8トライのうち6本をウイングが奪う理想通りの全員ラグビーで加点すれば、ディフェンスも鋭い出足で相手の両ウイングに仕事をさせなかった。

 国立競技場は、84年度の準決勝(0―20慶大)以来27大会ぶり。だが、黄金期を知らないメンバーには重圧はなかった。「アップ前、国立の写メを撮る選手もいて、リラックスムードだったことも良かった」と立川。宮前も「国立で走れて気持ち良かった」と普段通りの力を発揮して、大学日本一に王手をかけた。

 91年度には関西リーグでBリーグに降格、翌92年度にはCリーグにまで落ちた。立て直しを託され、93年度から指揮を執る小松節夫監督(48)は「当時は京産大や大体大の台頭に追い付けなくて」と苦闘の時代を思い起こした。1年でBリーグ復帰も、Aリーグ復帰にはさらに8年を要した。05年度に21大会ぶり選手権出場も初戦で大東大に完敗(10―61)。その後、OBで神戸製鋼FBとして日本一を経験した八ツ橋修身コーチ(37)や、トンガ人留学生らを迎えるなどして強化。関西王者として2年連続で臨んだ今大会、あと1つまでこぎ着けた。

 決勝の相手は大会2連覇中の帝京大。リーグ戦から10戦無敗同士の東西の王者が激突する。「早稲田に負けて悔しかったなあ」。小松監督が同大のセンターとして臨んだ87年度大会以来、関西勢としては、24大会ぶりの決勝。「今季の目標はあくまでも(大学)日本一。勝って監督の現役時代を上回る。練習したすべてを出し切ります」と立川主将。天理大史上最強チームが8日、頂点を狙う。

http://hochi.yomiuri.co.jp/osaka/sports/article/news/20120103-OHO1T00075.htm