韓国プロバレーボールリーグでも八百長

去年、Kリーグがあれだけ八百長問題で揺れたことを見ているだけに、関係者の衝撃は大きいでしょう。韓国のバレーボールは、日本以上にメジャーなウィンタープロスポーツですし。


記事入力 : 2012/02/09 10:08
バレーボールでも八百長、8人逮捕


 昨年のプロサッカーに続き、プロバレーボールでも現役選手と元選手が違法賭博ブローカーと組み、八百長をしていた事実が明るみに出た。韓国電力公社(KEPCO)傘下のプロチーム「水原KEPCO45」の現役選手と元選手計3人とブローカー3人の計6人がまず逮捕され、8日午後には同じチームの現役選手2人が試合出場直前に緊急逮捕された。先に逮捕された3人は故意にミスをし、勝負を操った見返りに約1億ウォン(約690万円)を受け取っていた。

 現役選手2人は、京畿道義王市にある宿舎前で、試合に向かおうとバスに乗り込む際、国民体育振興法違反などの疑いで緊急逮捕された。

 これに先立ち、検察はKEPCO45の現役選手1人、2009−10年シーズン後に引退した元選手2人の計3人を逮捕。このほか、選手に金銭を支払い、違法なスポーツ賭博を行っていた男(29)、違法な賭博サイトを開設していた男(29)など賭博行為に関与した3人も逮捕された。

 先に逮捕された現役選手と元選手計3人は、2009年11月から10年3月にかけての09−10年シーズンに賭博ブローカーに事前に八百長情報を流した上で、試合で故意にミスをする八百長行為に及び、ブローカーが収益を上げるのを助けた疑い。選手らは1試合当たり300万−500万ウォン(約21万−34万円)を受け取っていたとされる。検察関係者は「先に逮捕されたA選手は少なくとも4試合で1試合当たり500万ウォンを受け取り、B、C選手は同じ期間に総額7500万ウォン(約517万円)を受け取っていたことが判明した」と語った。

 ブローカーは選手らと試合前に申し合わせ、違法賭博サイトで数千万ウォン(数百万円)を賭け、多額の配当を受け取り、選手に謝礼を渡していた。

 容疑者らの八百長行為は、ウインタースポーツの華であるプロバレーボールを賭博の場に一変させた。検察は「KEPCOの他の選手だけでなく、他のチームにも八百長に関与した者がいないかどうか捜査する。違法賭博サイトとブローカーを雇った元締めの存在や組織暴力団による介入などについても幅広く調べたい」としている。現在シーズン中の7チームは最近、選手が八百長に関与していないか独自に調査を行ったが、特に判明した事実はなかった。

 今回の事件では、違法賭博サイトが問題の中心だった。合法的なトト(スポーツくじ)は、プロバレーボール1試合のセット別の勝利チームと点数を当てるもの、連続する2−3試合のセットカウントや第1セットの点差を当てるもので、八百長は困難だ。賭け金も1ゲーム当たり10万ウォン(約6900円)が限度だ。

 しかし、今回の事件に関係する違法賭博サイトは、通常100万ウォン(約6万9000円)まで賭けることができ、連続的中すれば、配当率は最高で数百倍に達するケースもある。このほか、最初に失策を記録する選手を当てるゲーム、対戦両チームの総得点が基準点を上回るか下回るかを当てるゲーム、戦績によってハンディキャップを設け、1−2点差でも勝負が分かれるようにしたゲームなどで射幸心をあおっていた。検察は「選手らはちょっとしたミスでもブローカーが要求する結果をつくり出すことができた」と指摘した。わざとレシーブせずに相手チームに点数を与えたり、わざと難しいトスを上げ、攻撃ミスを誘うなどの手口だ。

大邱= 崔宰熏(チェ・ジェフン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/02/09/2012020900897.html

記事入力 : 2012/02/09 10:09
バレーボール:八百長ショックに揺れるKEPCO

所属選手5人が関与
最下位の尚武にも1−3で敗戦

 韓国プロバレーボール男子リーグのチーム「KEPCO 45」所属の現役選手と元選手3人が八百長の疑いで逮捕されたことが報じられた8日午後、京畿道水原体育館。 KEPCOと尚武信協の試合は重苦しい空気の中で行われた。この日も、会場に向かう途中でKEPCOの現役選手がさらに2人、検察に緊急逮捕された。シン・チュンサム監督は「両選手とも独自の調査では容疑を否定していた。ほかの選手たちは試合に集中しようとしたが、人間なのでどうしても動揺は隠せなかった」と語った。パク・ピョンジュン事務局長も「恥ずべきことにわがチームの現役選手・元選手の名前が取り沙汰されていることに対し、ファンにおわび申し上げる。今季を無事に終えることが当面の課題」と述べた。韓国バレーボール連盟は同日の入場者を1519人と発表したが、試合が始まった時点で観客席にいたのは500人ほどだった。

 KEPCOは2005年のプロバレーボール・リーグ発足以来、7シーズンの間5−6位止まり。しかし、昨年3月にシン監督が就任、優秀な選手を多数入団させたこともあり、今季は強豪・現代キャピタルと3位争いを繰り広げている。このままいけばチーム設立以来、初のプレーオフ進出も目前だ。ところが、KEPCOの選手たちはこの日、試合にひたすら集中し、得点しても派手なパフォーマンスはせず、シン監督も終始硬い表情だった。KEPCOは最下位の尚武信協に1−3(25−27、25−20、22−25、25−27)で敗れた。

 今回の事件は、KEPCOだけでなくバレーボール界全体にも大きな衝撃を与えた。韓国バレーボール連盟のキム・ホンレ広報チーム長は「当惑している。ファンに申し訳ない。検察発表が出次第、具体的な対策を講じ、懲戒処分を行う」と述べた。女子リーグの現代建設ファン・ヒョンジュ監督も「バレーボールではこうしたことがないと思っていただけに、とても衝撃が大きい。『この件でバレーボールに対する周囲の見方が変わるのではないか』と選手たちは心配している」と顔を曇らせた。八百長が行われたとみられる2009−10年シーズンにKEPCOを率いていた姜万守(カン・マンス)前監督は同日、メディアとのインタビューで 「(八百長関与の)気配もなかった。八百長疑惑が事実なら、選手たちに裏切られたと感じるだろう」と語った。

 なお、この日に行われた女子の試合では、道路公社が現代建設に3−2(25−22、25−21、17−25、14−25、16−14)で勝った。

水原= 李永民(イ・ヨンミン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/02/09/2012020900903.html

Kリーグの事件でも尚武が大きく絡んでいたことを考えれば、八百長に関わった個々人への追及と併せて、尚武というチームについての構造的な問題も問われなければならないように思います。軍が絡むので、そう簡単ではないでしょうが。

尚武経験選手たちが捜査線上に浮上、バレーボールの八百長事件、
FEBRUARY 09, 2012 08:53

プロサッカーKリーグに続いて、今度はプロバレーボールが怯えている。八百長試合をしたことが事実と判明し、その波紋がどこまで広がるのか注視しながら戦々恐々としている。

8日、大邱(テグ)地検が拘束したと発表した3人の現役と元選手らには共通点がある。皆KEPCO45(旧韓国電力)でプレーし、兵役問題を解決するため、尚武(サンム)信用共同組合(以下尚武)を経ていることだ。チョン某氏はプロリーグ発足前は尚武でプレーし、一番先に拘束されたヨム某氏は2005年から、現役選手のキム某氏は2007年からの2年間尚武所属だった。

なぜ、よりによってKEPCOと尚武なのか。KEPCOは、今シーズン大番狂わせを起こしているが、2007年まではアマチュアチームだった。選手の実力に応じた年俸契約でははなく、韓国電力の職員という身分で定められた給与をもらい、引退後は一般職員になる。新人ドラフトもないため、優れた選手が行くようなチームではなかった。プロチームとの技量の差が大きすぎたため、一部の選手の故意のミスもあまり目立たなかった可能性が高い。

尚武は相変わらず独特なチームだ。KEPCOと同様2005年のプロリーグ発足時にアマチュア招請チームとしてリーグに参加している。2005年シーズンを含めた6シーズンの間、尚武とKEPCOはそれぞれ3度最下位になった。KEPCOがプロチームになった後、尚武は今季を含め3シーズン続けて最下位だった。

昨年、プロサッカーKリーグ八百長事件が発生した際、軍検察が起訴した尚武所属の現役選手は9人だった。だが、この9人の他にも、尚武を経てプロチームに復帰した選手は相当数いる。プロバレーボールの関係者は、この点を懸念している。今まではKEPCO出身選手だけが拘束されたが、尚武を経て他のチームに所属している選手も尚武時代に八百長にかかわっていた可能性があるためだ。今後、新たに捜査線上に浮かび上がっている選手が10人近くいるという噂に各チームが気を揉んでいる理由だ。

球界の関係者がこのような判断をするのには根拠がある。プロ選手として活躍した後、尚武に入団した場合、給与が大きく減る。一部プロチームの場合、「軍服務手当て」という名目での生活費の支給もあるが、以前の年俸とは比べものにならないほど安い。お金の誘惑には簡単に負けてしまう余地が大きい。

ヨム氏の場合、尚武に入団した時から暮らしが厳しくなったという。あるプロバレーボールチーム監督は、「尚武から復帰したうちのチームの選手が捜査対象に含まれているという噂を聞いた。他のチームにもそのような選手がいると聞いている。再発防止のためにも球団をあげて捜査に積極的に協力する」と語った。

http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2012020991208

ただ、女子まで関与しているとなれば、これはサッカー以上に事態は深刻かもしれません。

記事入力 : 2012/02/10 08:57
バレーボール:なぜ尚武が八百長の温床に?

サッカーに続きバレーボールも…

 韓国プロバレーボールの八百長事件をめぐり、軍服務中の選手が所属する尚武信協の現役選手や、女子チームの選手も違法スポーツ賭博サイトの八百長に関与していた事実が明るみに出たことで、検察の捜査がプロバレーボール界全体に及ぶことが避けられない見通しになってきた。

 これまで女子スポーツで八百長が発覚したことは一度もないため、今回の検察の捜査で女子選手の八百長への関与が明るみに出れば、とてつもない波紋が予想される。女子バレーボールは、2005年に男子と共にプロリーグがスタートし、現在は6チームが参加している。

 男子プロバレーボールの八百長をめぐっては、尚武に対する捜査が本格的に始まるとみられる。すでに逮捕された現役選手と元選手の計3人は、いずれも兵役中に尚武に所属した。1人は2002年から2年間、尚武でプレーし、最初に逮捕された元選手は05年から、現役選手(32)は07年から2年間、それぞれ尚武に所属した。現在プロリーグに招待チームとして参加している尚武は、今季を含め3季連続で最下位に低迷している。

 昨年、プロサッカーKリーグで八百長事件が発覚した際も、軍検察に起訴された尚武所属の現役選手は9人に上った。尚武に所属していた当時の八百長行為が発覚して摘発された選手も多かった。

 では、なぜ尚武では問題が多いのか。プロ選手として活躍している途中で、軍に入隊して尚武に所属すると、報酬が大幅にダウンする。一部プロチームでは「軍服務手当」の名目で生活費を支給するケースもあるが、それまで受け取っていた年俸に比べれば微々たるものだ。このため、カネの誘惑に簡単に心が揺らぐ。ほかのプロチームに比べて戦力が劣るため、試合に負けても精神的な負担は軽く、頻繁にミスを犯しても特に怪しまれることはない。

 プロチームKEPCOのシン・チュンサム監督は、9日の記者懇談会で「尚武で選手たちが悪いことに関わったため、問題が起きたようだ。野球やバスケットボールは尚武を1軍リーグに参加させていないため、こうした問題が起きにくいのではないか」と語った。

 大韓バレーボール協会は、3カ月後に迫った五輪予選に向けて今月中に韓国代表メンバーを発表する予定だったが、これを保留し、検察の捜査状況を見守る方針を発表した。逮捕された選手2人は韓国代表でプレーした経験もあるため、現韓国代表の主力選手が八百長に関わっていた可能性も排除できない状況だ。

 韓国バレーボール連盟(KOVO)は9日午前、ホームページに謝罪文を掲載し「バレーボールファンの皆さまに大きな失望を与え、心配をお掛けしたことを、謝罪申し上げる。連盟と各チームは全ての事実が明らかになるよう最善を尽くし、正式な捜査結果が発表され次第、関係者を厳重に処罰する」と説明した。

 この日、仁川市内で行われた男子プロバレーボールの試合では、3位の現代キャピタルが2位の大韓航空を3−0(25−20、25−17、25−20)で下した。大韓航空の連勝は13でストップした。

崔秀賢(チェ・スヒョン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/02/10/2012021000625.html

記事入力 : 2012/02/10 08:58
バレーボール:「女子でも八百長があった」
男子選手が検察で供述

 プロバレーボールの八百長事件を捜査している検察が、女子プロバレーボールでも八百長があったとする供述を確保し、捜査を進めていることが、9日までに分かった。

 女子スポーツの八百長は前例がない。昨年のプロサッカーKリーグ、先の男子プロバレーボールに続き、女子プロバレーボールまでもが八百長に関与したと伝えられ、波紋は広がる一方だ。

 事件を捜査している大邱地検強力部(凶悪犯罪担当)=チョ・ホギョン部長=は、先ごろ八百長の疑いで逮捕した韓国電力公社(KEPCO)所属の現役選手と元選手計3人、今月8日に緊急逮捕した27歳と24歳の現役選手2人など、男子選手を取り調べたところ「一部の女子バレーボール選手がブローカーと手を組み、八百長に加担したと聞いている」との供述を確保したという。

 検察は、女子バレーボールの八百長が違法なスポーツ賭博サイトで行われたことを把握し、捜査線上に浮上した女子選手らが八百長に加担したかどうかを確認している。

 検察はまた、国防部(省に相当)に捜査協力を依頼し、軍のチーム「尚武(韓国軍体育部隊)信協」所属の現役選手1人も同様の容疑で調べているとされ、事件は男子バレーボール界全般に広がっている。軍検察の関係者によると、軍検察は9日に捜査官1人を大邱地検に派遣し、該当選手の八百長加担いかんを確認しているという。軍のある幹部は「尚武チームの現役選手が八百長を企んだり、加担したりしたとすれば、これは明らかな犯罪行為だ。場合によってはチームの解散も検討する」と話した。尚武は現在、招待チームとしてプロリーグ(Vリーグ)に参加している。

 このほど緊急逮捕された現役選手は、先に逮捕された現役選手・元選手らが八百長をしていたVリーグ2009−10シーズン(09年11月−10年3月)以降に入団した選手のため、検察は八百長が数年にわたり広範囲に行われたものとみている。

大邱= 崔宰薫(チェ・ジェフン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/02/10/2012021000626.html