英語ができりゃいい

…ワケがない、ということ、こういうニュースを見てればわからないではないと思うのですが。

記事入力 : 2012/03/22 11:18
延世大韓国語学堂で200回目の卒業式
韓国初の韓国語教育機関として、53年間に9万3000人以上が卒業


ソウル市西大門区新村洞の延世大学百周年記念館で行われた韓国語学堂第200回卒業式。写真は、卒業生たちが記念撮影を行っている様子。/写真提供=NEWSIS

 韓国をよく知る「知韓派」を次々と輩出―。

 21日午前、ソウル市西大門区新村洞にある延世大学百周年記念館で、同大韓国語学堂の第200回卒業式が執り行われた。1959年に韓国初の外国人向け韓国語教育機関としたスタートした韓国語学堂は、これまで外国人や在外同胞など9万3229人の卒業生を送り出した。同校の卒業生たちは「韓国語だけでなく、韓国の社会や文化についても深く学ぶことができた」と語る。

 語学堂出身者として有名なのは、フランス出身で流暢な韓国語を使いこなすタレントのイダドシさん。フランスの大学院でアジア関連のビジネスを専攻する過程で「ソウル五輪を成功させたダイナミックな韓国」関心を持つようになり、1992年に語学堂に入学した。その後、1996年に韓国に帰化し、現在は韓国とフランスを行き来しながらビジネスや著作活動に励むなど、韓国の文化やビジネスを海外に広める仕事に携わっている。

 朝日新聞若宮啓文氏(64)も語学堂出身の一人だ。1981年から1年間、語学堂で韓国語を学び、卒業後の93年には韓国と日本の政財界、学界、マスコミ関係者などによる「日韓フォーラム」に参加した。

 韓国人の父と日本人の母の間に生まれ、現在日本で参議院議員を務める白真勲氏も1986年に語学堂で韓国語を学んだ。白氏は2003年に日本に帰化したが、在日韓国人地方参政権獲得に向け熱心に活動するなど、韓国に対する愛情は格別なものがある。

 さらに延世大学を設立したアンダーウッド氏の4代目に当たる元漢光(ウォン・ハングァン)元延世大学教授、ソウル大学国楽科のヒラリー・フィンチャン=ソン教授も語学堂出身者だ。また、アジア人として初めてアイビーリーグ(ハーバード大など米国東部の8校の名門私立大学)で学長に就任したキム・ヨン氏や、東京大学姜尚中(カン・サンジュン)教授など、多くの在外同胞も語学堂で母国語を学んだ。

 延世大韓国語学堂のクァク・チヨン教務課長は「韓国についての識見と愛情を持った海外の知韓派学者や政治家、マスコミ関係者の中には、語学堂出身者が非常に多い。卒業生を通じて語学堂の評判が口コミで広まり、韓国を訪れる外国人や韓国語に慣れない同胞にとって、今では必修コースになっている」と述べた。

ナム・ジョンミ記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/22/2012032201070.html

今は他大学からも多彩なテキストが出ていますけど、延世の語学堂テキストは長年、韓国語教育のスタンダードの一つになってきました。

延世大語学堂、創立50周年

こちらも、関連するニュースということになります。

記事入力 : 2012/03/25 08:22
ハノイで韓国語国際会議開催
KOICA、50カ国908人に韓国語研修や奨学金支援

 「私にとって韓国語は世の中をさらに広く見ることができるようにしてくれた、もう一つの目です」

 家庭の経済的事情から外国留学の夢を諦めていたラオス人のブンスン・ブッパさん(34)は、韓国国際協力団(KOICA)の奨学金を受け、2003年2月から1年間、慶熙大学国際教育院で韓国語を学んだ。その後、ラオス人として初めて、韓国政府の奨学金を得て08年に慶熙大で韓国語教育の修士号も取得した。ブッパさんは現在、ラオス天然資源環境部法律課の副課長として、外国人投資家への土地賃借関連の法律サービスを担当している。流ちょうな韓国語の実力のおかげで、ラオスで投資関連の法律問題に悩む韓国人投資家の間でブッパさんは大人気だ。ブッパさんは今後、韓国で法学を学び、博士号を取得するつもりだ。

 1997年からバングラデシュダッカ大言語教育院で韓国語を学んでいたヌル・アメドさん(38)は、2001年にKOICAの奨学金を得て慶熙大で学び、韓国語が非常に上達した。その後、リビアに進出した韓国の建設会社に就職し、労務関連の業務に従事した。この会社がバングラデシュの労働者550人を雇用したためだ。アメドさんは11年からバングラデシュ海外雇用サービス部でバングラデシュ人の韓国企業への就職を担当している。

 2人は先月2月23日から3日間、ベトナムハノイにあるグランド・プラザ・ホテルでKOICAと慶熙大が共同開催した「韓国語国際カンファランス(会議)−夢をかなえる韓国語」に出席、韓国語が自分の人生にどのような変化を与えたかについて発表した。

 KOICAは現在までに、50カ国908人に韓国語研修のための奨学金を支給し、36カ国に1400人の韓国語教育ボランティアを派遣している。

ハノイ=ソン・ウォンヒョン記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/25/2012032500062.html

もちろん、日本にだって日本語や日本文化の教育実践がないわけはありません。

日本人の知らない日本語3  祝! 卒業編

日本人の知らない日本語3 祝! 卒業編

ただ、先日ふと感じたのは、何でもかんでも英語で済まそうとする人の中には、日本語教育の意義を妙に低く査定していて*1、この手の〈現地語教育〉にもほとんど関心を示さない人がいるらしい、ということです。

まあ、そうした方にとっては、手持ちのリソースである英語の価値が最大化される世界が望ましいのでしょうから、考えてみれば当然のことかも知れません。

むろん、そんな人の都合などは、英語も韓国語もできない私の知ったことではありませんけどね。


ともあれ、韓国語教育にも英語教育にも熱心なところのある韓国では、日本に負けず劣らず言葉への関心は高いわけです。そのあたりに関連するネタを、引き続き「朝鮮日報」からクリップしておきます。

記事入力 : 2012/03/25 08:25
大学編入予備校、海外留学からのUターン組が急増

 A編入予備校は最近、マレーシアの韓国人女性会から「マレーシアで説明会を開いてほしい」と要請を受けた。マレーシアの大学に通っているか、卒業した韓国人のうち、韓国の大学への編入を希望している人が100人近くに上るため、こうした韓国人を対象に韓国の大学への編入方法などについて講演してほしいということだった。編入予備校の関係者の間では「韓国国内の編入予備校が海外にまで進出して編入説明会を開催するのは今までなかったこと」といわれている。

 説明会に参加を希望しているマレーシア在住の留学生たちは、大部分が韓国の高校を卒業した後、マレーシアの専門大学(短期大学に相当)や四年制大学に入学した学生たちだ。

 外国留学を終えて韓国に戻ってくる「リターニー(returnee)」が急増している。専門家は、世界的に経済状況が悪化する中、外国の大学を出てもいい仕事に就くのが難しいという認識が広まり、このような現象が起きていると話す。15日、ウィズユー編入予備校が首都圏の8大学について、2010−12年度の3年間の編入志願者現況を調査した結果、全体の編入志願者のうち、外国の大学に通っているか、すでに卒業した人が、2010年度の840人から11年度には1153人、12年度には1607人と2年で倍近くまで増加したことが分かった。

 中央大学では、10年度の編入志願者のうち外国の大学の出身者は132人だったが、12年度には282人に増加した。韓国外語大は同期間、68人から282人と3倍以上増加した。西江大は134人から223人、仁荷大は28人から106人、漢陽大は150人から247人など増加傾向が明確に表れている。

■リターニーとは

 留学を終えて韓国に帰国する学生。専門家は、帰国するリターニーが最近では年間2万4000人に達していると推定している。
キム・ヨンジュ記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/25/2012032500063.html

記事入力 : 2012/03/25 08:18
方言矯正教室に学生殺到のワケ
方言矯正教室に就職希望者が殺到
「方言は矯正対象ではないのに」…激しい生存競争の影響か


今月3日午後、ソウル市江南区にあるスピーチ教室で、受講生たちが右足を上げたまま教材を読んでいる。この教室では、方言を直すために、正しい発声に効果的な姿勢で標準語の練習をするなど、多様な授業が行われている。/写真=鄭敬烈(チョン・ギョンヨル)記者*2

 19.8平方メートルの細長い教室で、5人の受講生が上体を前に伸ばしたまま、口をそろえ「アッ」と声を出した。受講生たちは両手で頬をこすったり、体操をするかのように片足を上げたまま教材を読んだりした。壁に備え付けられた鏡が、受講生の動作を映しだし、教室の隅には授業の様子を録画するためのビデオカメラが設置されていた。

 今月3日午後4時、ソウル市江南区ノンヒョン洞のスピーチ教室。この教室の講師は「口になじんだイントネーション(方言)を直すには、滑らかな発声が重要なので、このようにおなかに力が入る姿勢を取るのが効果的だ」と説明した。

 「私はすてきな声になりたい…」―同じ時刻、隣の講義室のモニターには8週間前に撮影されたイ・ジウンさん(19)=釜山外大中国語学部=の「スピーチ映像」が映し出されていた。授業を受ける前、ジウンさんは、アクセントの高低が目立つ慶尚道地方のイントネーションで「ナヌン(私は)」を「ネヌン」と発音していた。2カ月間この教室で訓練を受けたジウンさんは「客室乗務員(フライトアテンダント)の面接を受ける際、標準語で話した方がより専門的に見えると思う」と話した。

 江南区のあるスピーチ教室の関係者は「受講生約250人のうち、半数以上が大学生と就職準備をしている人たちだ」と話した。慶尚道全羅道出身の受講生が最も多く、忠清道や中国の朝鮮族出身者の中にも受講する人がいるという。

 昨年初めに釜山大経営学科を卒業したキムさん(27)=女性=は、同年4月に流通企業の採用試験を受けた際、面接官から「営業職を希望するならまず方言を直すように」と指摘された。キムさんは「自分にとって非常にショックで、すぐに40万ウォン(約2万9000円)を支払い、江南の教室で『方言矯正講座』を受講した」と話した。標準語のイントネーションで「ご飯食べた?」と発音できるようになるのに1週間かかったというキムさんは「2カ月間の死闘の末、方言を直し、昨年下半期に大企業系列の流通企業に入社することができた」と話した。

 ソウル大学言語学科のキム・ジュウォン教授は「矯正とは、間違ったものを正すという意味であり、固有の体系や独自性を持った方言は矯正の対象ではない。しかし、韓国で方言矯正教室がはやるのは、就職難などに伴う『生存のための闘争』と見るべきだろう」と話した。

キム・ヒョンウォン記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/03/25/2012032500060.html

個人的には、かわいい女の子の話す사투리とか方言とか、ドキドキしてしまいますけどね。

「あんたがいくらドキドキしても、そんなもん就職の役には立たない」と言われればその通りです。はい。すみません。

ギュリ女神様に免じてお許しください。


*1:日本人の場合です。

*2:朝鮮日報」日本語版の記事には、写真のキャプチャのみがあって写真がなかったので、韓国語版の元記事(취업 위해서라면… 사투리와 한판 승부 - 조선닷컴)から写真を補っています。