要注意人物?

先日の「朝鮮日報」の記事といい、この「東亜日報」のコラムといい、要するに保守系の皆さんにとって、「〈盧武鉉旋風の悪夢〉を思い起こさせるのは、李海瓚よりも文在寅よりも金斗官だ」ということなんでしょうね。最後に書かれている通り。

[オピニオン]親盧ファミリー
JUNE 05, 2012 08:11

民主統合党の代表を選ぶ地域巡回選挙で、金斗官(キム・ドゥグァン)慶尚南道キョンサンナムド)知事の役割が話題を呼んでいる。金ハンギル候補が「李海瓚(イ・ヘチャン)大勢論」を破り、序盤に先頭を走っている背景に、金知事の影響力が働いているという分析が出ている。金知事側は、李海瓚候補に対する「明確な反対も支持もない」として曖昧な態度を見せてきた。年末の大統領選への立候補を表明している金知事は、今後、党内の予備選挙で文在寅(ムン・ジェイン)顧問と争う可能性が高い。文顧問と近い李候補を公に支持するわけにはいかないが、李候補支持者を取りこみたい思惑が読み取れる。その過程で、「親盧系(故盧武鉉前大統領系)は団結せよ」と叫んでいる李候補の戦列が乱れる中、金ハンギル候補は、その隙に食い込んでいるものと解釈される。

◆李候補は「親盧系の座長」で、文顧問は「盧武鉉の永遠な秘書室長」と言われるが、金知事は「リトル盧武鉉」と呼ばれている。いずれも盧武鉉政権下で政府与党の要職に就いた経験がある。だが、今の民主党の党大会と大統領候補選びの予備選挙を控えている親盧系に一体感など読み取れない。「李海瓚+文在寅」の組み合わせと金知事との神経戦は益々過熱化している。

◆文顧問が、「安哲秀(アン・チョルス)氏との共同政府」を持ち出したことを受け、金知事は「時期尚早」として民主党強化が先決だと否定した。金知事は、さらに「17年にわたって地域運動をしてきた自分は、2001年に盧前大統領と政治的に連帯した。盧前大統領の参謀たちとの生き方の軌道が異なる」と話した。文顧問を狙った発言だった。金知事陣営では、「盧武鉉政権下で、文顧問側は大統領府を掌握したが、我々はその恩恵を被ったことがない」という話も聞かれる。親盧系は、すでに文顧問陣営対金知事陣営に二分だれ、一戦をも辞さない構えた。

◆金知事は、「私は大きく見て親盧系だが、親盧ファミリーではない」として一線を画している。そのため、「ビヨンド盧武鉉盧武鉉を超えて)が必要だ」主張する。だが、党代表選の大詰めで、土壇場の逆転を目指している李候補は、「そう言っても、金知事は親盧ファミリーだ」と話している。親盧系の分裂が自分に不利に働くことを恐れているようだ。文顧問は先月23日、盧前大統領死去3周忌を迎えて、「これで、あなたを送ります」を話した。しかし、親盧系のファミリー云々は続いており、国民は疲労感を感じ始めている。

鄭然旭(チョン・ヒョンウク)論説委員

http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2012060564448

[オピニオン]「要注意人物」金斗官
JUNE 08, 2012 08:24

昨年半ば、親盧系(盧武鉉前大統領系)の座長格である李海瓚(イ・ヘチャン)氏が、韓明淑(ハン・ミョンスク)、文在寅(ムン・ジェイン)、金斗官(キム・ドゥグァン)氏らに会って、親盧系内部の交通整理をした。この席で、文在寅氏を2012年の民主党の大統領選候補に、金斗官氏は次期(2017年)大統領選候補に推そうという話が出た。李海瓚氏は、「2017年に、私が金斗官選挙対策委員長を引き受ける」と言ってムードを盛り上げたという。しかし、李海瓚氏の考え通りの構図はまとまらなかった。金斗官氏は、2012年の大統領選挙に直行することを悩み始めた。権力の意志は他人と分けることができないためだ。

◆文在寅氏と金斗官氏は親盧系だが、歩んできた道が違う。文在寅氏は、盧武鉉ノ・ムヒョン)前大統領の家臣グループで、「主流」に分類される。金斗官氏は、里長を経て長官まで上りつめた「自手成家」型で、自ら「非主流」と卑下する。金斗官氏側は、「文在寅氏と違って、私たちは絶えず困難な現実を切り抜けてきた」と差別化を図った。金斗官氏は現在53才で若い方だ。しかし、5年が経てば、親盧系からは安熙正(アン・ヒジョン)、李光宰(イ・クァンジェ)氏ら「386」世代が主導する可能性がある。金斗官氏が2012年大統領選を控え、背水の陣を敷こうとするもう一つの理由だ。

◆2010年、慶尚南道キョンサンナムド)知事選挙で、金斗官氏は無所属で出馬した。慶南では民主党勢が劣勢なため、個人の競争力で勝負をする方がいいと判断した。与党からは「政治初年兵」である李達坤(イ・ダルゴン)候補を推し、反射的利益を得た。金斗官氏は、長年の地域活動で、築き上げた親しみを前面に押し出し、得票率53.5%で当選した。セヌリ党の前身のハンナラ党の牙城である慶南の橋頭堡が崩れると、与党に「金斗官警戒令」が発動された。

◆金斗官氏は7日、「(7月中旬ぐらいに)出馬宣言をすることになれば、準備した政策を国民に発表する」と明らかにした。そして、トレードマークのようになった「里長から大統領府まで!」の人生ストーリーを強調した。事実上、大統領選出場の意向を明らかにしたわけだ。セヌリ党は、金斗官氏が歩んできた経歴、大統領選の勝負所である慶南出身であり、庶民的なイメージに注目している。盧前大統領によって、ひっくり返された2002年の「悪夢」を思い出す人もいる。民主党の別の大統領選候補も、金斗官氏の動きに神経を尖らせている。与野党は表には表さないが、内部では金斗官氏を「要注意人物」と見ている。

鄭然旭(チョン・ヨンウク)論説委員

http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2012060823298