無縁社会化する韓国

朝鮮日報」は、以前にもこのテーマの特集を組んでいたことがあります。

「直葬」が韓国でも

無縁化と孤独死:「朝鮮日報」の特集

承前・無縁化と孤独死:「朝鮮日報」の特集

そう言えば『無縁社会』の韓国語翻訳版が、教保文庫で平積みになっていましたね。

無縁社会 (文春文庫)

無縁社会 (文春文庫)

무연사회 혼자 살다 혼자 죽는 사회
NHK 무연사회 프로젝트 팀 지음 | 김범수 옮김
용오름
2012년 07월 15일 출간
정 가 :13,000원
판 매 가 :11,700원[10% 1,300원 할인]

http://www.kyobobook.co.kr/product/detailViewKor.laf?ejkGb=KOR&mallGb=KOR&barcode=9788992820158&orderClick=LAG&Kc=SETLBkserp1_5


記事入力 : 2012/09/23 08:54
無縁故者の「直葬」、韓国でも増加傾向に

 親戚・知人との関係が途絶えた状況で死亡し、引き取り手がいない遺体は、別途葬儀などをせず、すぐに火葬を行う。このようなケースを「直葬」と言うが、もともとは核家族化と高齢化が同時に進行している日本で生まれた言葉だ。

 「無縁故遺体の処理に関する規定」によると、市・群・区の自治体がまず死亡者の身分を公告し、家族が現れなければ葬儀会社に委託して火葬や埋葬を行う。この規定に従い、警察は無縁故死亡者の遺体を管轄の市・群・区庁に引き渡し、区庁は変死者公告を出した後、死亡確認時点から最長1カ月間、指定された病院の霊安室で遺体を保管する。公告期間に遺族が現れない場合、遺体の火葬などの埋葬手続きが行われる。この際、区庁は葬儀費用50万ウォン(約3万4000円)を支給する。直葬を行った遺骨は10年間、各火葬場にある無縁故死亡者納骨堂に安置され、この間にも引き取り手がいなければ、共同墓地に合同で埋葬される。

 無縁故死亡者に対する全国的な統計はないが、地域別の統計を見ると、増加傾向にあることが分かる。ソウル市立昇華院(火葬場)で火葬された無縁故死亡者の数は、2009年の206人から10年には273人、11年には301人へと増加している。仁川市立昇華院で火葬された無縁故死亡者数も11年には94人だったが今年は現時点で64人に達し、年末までには100人をはるかに超える見込みだ。08年からは、高齢者療養施設、路上生活者保護施設などに入所していた人が死亡した場合、施設の代表者が縁故者となっているため、事実上の無縁故死亡者数は、さらに多いとみられる。

権承俊(クォン・スンジュン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/09/23/2012092300104.html

記事入力 : 2012/09/23 08:57
韓国社会で増加する「無縁死」

通帳に3000ウォンだけ残し自殺したある夫婦の話


▲22日、仁川市富平区富平洞にある仁川市立火葬場の無縁故納骨堂には、名前の代わりに識別番号が表示された数千個の遺骨箱が保管されていた。/写真=キム・ナウン・インターン記者(東国大英語通訳翻訳科4年)

 今年7月22日午後1時5分ごろ、仁川市立昇華院(火葬場)に到着した霊きゅう車から二つのひつぎが降ろされた。その様子を見守っていたのは、ひつぎを運んできた職員だけだった。葬儀を執り行う人がいない「無縁故死亡者」だからだ。

 二人の遺体は聖仁川韓方病院の安置室に27日間安置されていたが、この日火葬場に移された。葬儀をせずに直接火葬を行う「直葬」だ。遺体はすぐに火葬炉に移され、空っぽの遺族待合室の電光掲示板には「火葬中」という赤い文字が点灯した。1時間30分後、遺骨は小さな木の箱二つに納められ、納骨堂に移された。故人の写真や家族が書いた手紙がたくさん並ぶガラスの陳列棚を通り過ぎ、地下2階に下りると、無縁故死亡者の遺骨箱倉庫が現れた。木の箱が倉庫いっぱいに積まれていた。二人の遺骨が納められた木の箱は、名前もなく「374」「394」という識別番号だけが表示された状態で倉庫の片隅に置かれた。

 この二つの遺骨箱は、通帳に残額3000ウォン(約204円)だけを残し、6月25日に仁川市南区崇義洞の自宅で自ら命を絶った69歳と68歳のヨさん夫妻のものだった。この夫婦の死は、韓国社会で近年増加している無縁死の現状を物語っている。

 自宅で共に命を絶ったヨさん夫妻の遺体は翌26日、部屋を間借りしていた下宿人が発見した。夫婦の遺体の横には身分証と遺体寄贈誓約書があった。残されていた二人の遺書には「遺体は寄贈するが、解剖はしないでほしい」と書かれていた。

 夫婦が静かに死を準備していた痕跡は、あちらこちらに見られた。家の中はもちろん、庭もきれいに整理整頓され、家電製品は中古引き取り業者によって数日前に処分された状態だった。夫婦は育てていた花や木も化学薬品で処理した上で、自ら命を絶った。窓が大きく開いていたのは、死後、遺体をすぐに発見してもらえるよう望んだためとみられる。しかし、死後26時間が経過してから病院に移送されたため、遺体は腐敗しており寄贈できなかった。さらに、夫婦の死について話す人が誰もいなかったため、警察は司法解剖を行わなければならなかった。

 特に目を引くのは、遺体の枕元に置かれていた5万ウォン札10枚(50万ウォン=約3万4000円)だった。通帳に3000ウォンの残高しかなかったヨさん夫妻が、なぜこのお金を置いて命を絶ったのだろうか?無縁故で亡くなった人の葬儀手続きのために政府が霊安室などに支給する金額は50万ウォン。夫婦は自分たちの葬式を行う人がいないことを考え、お金を準備しておいたと思われる。

 本来、ヨさん夫妻にはそれぞれ家族がいた。しかし30年前に二人が再婚したのを機に縁を切っていた。警察が捜査の末、家族に連絡したが、ヨさんの元妻と息子は「殯(ひん)所(出棺まで棺を安置する場所)など準備するつもりはない。連絡しないでほしい」と葬儀を行うことを拒否した。また、妻の息子はかなり前に亡くなっていた。

 本紙の記者が、ヨさん夫妻が暮らしていた近所の家を訪ねたところ、二人を知る人物はほとんどいなかった。10軒ほど訪ねたが、近所の人の大半は、夫婦の死を「メディアのニュースで初めて知った」と答えた。洞事務所(役場に相当)の社会福祉士も「ここで3年半も暮らしていたのに夫婦に関する話を聞くことができなかった。また、地域の情報通として知られる地区長も「人口住宅総調査(国勢調査に相当)の際に、1度会っただけ」と話す。

 ヨさん夫妻のことを知る近所の住民は、隣の家に住むイムさん(64)ただ一人だった。障害を持つおい、17歳の孫娘と一緒に暮らしているイムさんは、ヨさん夫妻よりもさらに苦しい生活を送っていた。イムさんはヨさん夫妻によく助けてもらったという。「孫娘の頭が良くなるようにと、銀杏を毎回きちんと処理した状態で分けてくれ、毎日3個ずつ食べさせるようにと何度も念を押された」とのことだ。「同じように生活が苦しいのに、なぜこんなに良くしてくれるのか」と尋ねると、ヨさんの妻は「私には夫がいる。夫がいないのはどれだけ大変か。夫がいるのだから、私はあなた(イムさん)よりずっと豊かだ」と話していたという。

 しかし、ヨさんの妻はイムさんにも、自分の身の上話は全くしなかった。イムさんが「洞事務所に行けばいろいろと助けてくれる」と話したが、ヨさんの妻は「そんな所に行けば名前や家族のことなど、全部話さなければならなくなる。そういうのは嫌なので、支援は必要ない」と答えたという。ヨさん夫妻が亡くなったことを知ったイムさんは「殯所もないので家で一生懸命祈った。二人が天国に行けるよう祈るばかりだ」と話した。

 ヨさん夫妻の遺骨は、今後10年間引き取り手が現れない場合、同じような無縁仏の遺骨と共に市立共同墓地に共同埋葬される。

ナム・ジョンミ記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/09/23/2012092300105.html

記事に出ているソウル市立昇華院や仁川家族公園の火葬場などには、私自身実際に行ってみて、見聞きしたこともあります。まだ書いていないことが多いので、こうした話を念頭に置きつつ、いずれぼちぼち書いていきたいと思います。