大学院生とポスドクと奴隷扱い

韓国の大学の実態を一面で的確にえぐりだした論説です。制度面にも問題はありますが、人間の問題も大きいですね。

とは言え、事がソウル大や韓国の大学に限られると思ったら大間違いです。同じような実例は、想像以上にすぐ近くに、あるものです。

[オピニオン]奴隷扱いの大学院生
OCTOBER 12, 2012 07:54

「ゾウを冷蔵庫に入れる方法」という寒いギャグがある。政治家はゾウに賄賂を渡して冷蔵庫に入らせる。警察はゾウを拷問して「鶏」という自白を強いてから入らせる。数学者はゾウを微分して冷蔵庫に入れる。フェルマーバージョンもある。「ゾウを冷蔵庫に入れられる驚くべき方法を発見した。ところが、余白が狭い」。余白が狭くて定理を書き込まなかったという数学者フェルマーのエピソードをなぞらえた話だ。大学教授にゾウを冷蔵庫に入れろと言ったら、答えは「大学院生の助手にやらせる」だ。

◆「有閑マダムに教授が人気がある理由」というユーモアがある。時間が多くて、誘うといつでも会ってくれる。会ったら一つでも学ぶことがある。直接出られなかったら、助手でも送ってくれる。笑い話だから、教授の皆さんに誤解はご遠慮いただきたい。このような笑い話に投影されている一面の真実に心が寒くなる。外国から来た教授は、韓国の大学院生と助手にとって、大学教授が逆らうことのできない絶大な権力者であるという現実に頭をかしげる。

ソウル大学人権センターが大学院生1380人を対象に、教授と大学院生の間で慣行的に起きている弊害を調査した結果、41.6%が教授の不十分な授業準備で学習研究権利を侵害されたと答えた。「教授や先輩の論文を代筆した」という答えが16%で、28.1%は「強制に行事に動員された」と回答した。指導教授が嫌う教授の講義を取れないようにしたり、特定科目の受講を強要したり、論文指導の名目で金品を要求するケースもあった。聞こえてくる話によると、助手が皿洗い、買い物、クリーニング取りをするのは基本で、教授の子どもの宿題を代わりに見てあげたり、望まない飲み会に同行する場合もある模様だ。

ソウル大学だけのことではないだろう。数年前は、ある女子大学の教授が助手に自分の家の風呂場を掃除させて物議をかもした。たびたび起きているセクハラも男子教授と女子大学院生の一方的な関係から始まっている。教授が論文通過や教授任用などに全権を握っているだけでなく、同じ学問を研究する限り、その分野で一度憎まれたら生き残るのが厳しい徒弟システムが前近代的な悪習を生んでいる。教授らは、「私も助手時代はそうだった」と抗弁するかも知れない。しかし、自分がそうだったとして間違いを繰り返すのは困難だ。知性の殿堂と言われる大学がこのような弊習を断ち切る時になった。

鄭星姫(チョン・ソンヒ)論説委員

http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2012101255138


追記:こんな風に表沙汰になるのなんて、ホントに氷山の一角ですから。届け出てないだけで。

実験失敗の院生に“罰金”34万…准教授を懲戒

 愛媛大は12日、失敗した実験の費用名目などで、指導する男子大学院生から約34万円を取り上げたとして、大学院医学系研究科の40歳代の男性准教授を出勤停止14日間の懲戒処分にした。

 発表では、准教授は2009年6月、院生に対し、失敗した実験で使った試薬や器材の費用を自己負担するよう指示し、25万円を支払わせたほか、同7月にも財布から9万2000円を取り上げた。また、キャッシュカードの暗証番号を聞き出そうとしたり、ATM(現金自動預け払い機)で残高照会をさせて額を見たりもした。

 大学側は院生から相談を受けて調査。准教授は事実を認め、「実験がうまくいけば返金する予定だった」と話したという。同大学は実験費用を学生・院生に負担させることはないといい、記者会見した安川正貴・医学系研究科長は「現金を支払わせたこと自体が不適切と判断した」と処分理由を述べた。

(2012年10月13日09時13分 読売新聞)

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20121013-OYT1T00267.htm

アカハラ:学芸大2教授、停職処分 授業出席拒否し、論文指導怠る/自身の論文入力、無報酬で強要 /東京
毎日新聞 2012年10月11日 地方版

 東京学芸大学小金井市)は10日、アカデミックハラスメントアカハラ)などをしたとして、教育学部の60代と50代の男性教授をそれぞれ停職3カ月と同1カ月の懲戒処分にしたと発表した。

 学芸大によると、60代の教授は、10年ごろから指導する女子大学院生に対し、授業への出席を拒んだり、修士論文の執筆で適切な指導をしなかった。また同僚の女性教授には頻繁に怒鳴るなど威圧的言動を繰り返した。「教育指導上のものとして行った」などと釈明しているという。

 50代の教授は、数年前ごろから複数の大学院生に無報酬で自身の論文入力作業を強要した他、食事をおごらせるなどした。「学生にも勉強になると思った。飲食代分は別の品物で返した」などと話しているという。

 被害を受けた学生らが今年1月ごろ、校内のキャンパスライフ委員会に届け出て発覚した。【平林由梨】

〔都内版〕

http://mainichi.jp/area/tokyo/news/20121011ddlk13040286000c.html