韓国アマバスケの不正と審判の待遇

日本語の翻訳記事を見る限り、「金まみれの不正が蔓延するアマチュアバスケ」という話にしかならないのですが、韓国語の記事まで読んでみると、その根底にはどうも「アマチュアスポーツにおける審判の待遇」という問題があるようです。

日本の場合、アマチュアスポーツの審判は、教員をはじめとして本職を別に持っている人がボランティア的にやっているケースが多いように思うのですが、韓国ではそうではない状況があるのかもしれません。

記事入力 : 2012/10/30 08:22
韓国アマバスケ界に激震、審判らチーム側に金品要求

協会役員や審判がチーム側に金品要求
役員・審判、アマチームの監督や保護者など151人が関与
金を渡さなければ厳しい判定などの不利益

 「選手たちが何度もファウルを犯す傾向がある。判定を厳格にしたい」。バスケットボール大会の審判たちからこのような電話を受けたアマチュアチームの監督・コーチ陣は、カネを渡すほかなかった。そうしなければ、試合中に主力FWが5回反則を取られて退場となりプレーできなくなるなど、自チームがあからさまに不利益を被った。

 釜山地方警察庁捜査課は、2008年から今年6月にかけて全国体育大会(全国体典)など韓国国内で行われたアマチュアのバスケットボール大会26大会で、各チームの監督らから総額約2億5000万ウォン(現在のレートで約1800万円、以下同じ)を不正に受け取った疑いで、大韓バスケットボール協会の審判委員長や副会長など現職・元職の役員と審判を、また協会側にカネを渡していた全国の中学・高校・大学・実業団チームの監督、体育教諭、保護者などを摘発したと29日発表した。このうちバスケットボール協会の役員と審判、監督、コーチなど73人を在宅のまま起訴し、残りの78人については被疑事実を管轄の教育庁教育委員会に相当)とバスケットボール協会に通知する予定だ。韓国のアマチュアスポーツ史上前例のない大規模な不正が摘発されたわけだ。

 警察によると、審判委員長(60)は、バスケットチームの元コーチだったブローカーを通じ、特定の審判を連続で割り当てるという形で便宜を図り、2010年の全国体典の前後に200万ウォン(約14万5000円)を受け取ったのをはじめ、総額6100万ウォン(約440万円)の不当な金を手にした疑いが持たれている。

 協会副会長(62)は、審判の厳しい判定からチームを守るという「保護費」の名目で、総額2600万ウォン(約190万円)を手にした疑いが持たれている。また、審判幹事(48)は「判定を有利にしてやる」と各チームの監督・コーチに電話をかけ、総額1億200万ウォン(約740万円)を受け取ったとされる。このほか審判16人は、各チームの監督・コーチに便宜を図る見返りに155回にわたり計5700万ウォン(約410万円)を受け取った疑いが持たれている。

 警察によると、アマチュアバスケットボールの勝負判定は非常にひどい状態だったという。審判たちは試合終了後にコーチらに電話をかけ「選手たちのファウルの回数が非常に多いため、次の試合では厳格に判定する」と脅して金を受け取っていた。また、主力FWのファウルを5回取って早々に退場させるなどの不利益を与え、金品を巻き上げるケースもあったという。

釜山= 権慶勲(クォン・ギョンフン)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/30/2012103000481.html

アマバスケで最悪の審判買収摘発、審判が監督に恐喝電話も
OCTOBER 30, 2012 07:42

♯1=数年前の10月の全国体育大会。女子バスケットボール一般部ベスト8入り試合で、某地方自治体所属のAチームは、相手のKチームに61―59でかろうじて勝った。Kチームとは宿命のライバルであり、Kチームは主な決勝試合のたびに、Aチームの足を引っ張るのが常だった。Kチームを抑えたAチームは、勝ち進んだ末、決勝戦でもD実業チームを、60―57で破って優勝した。実力での勝利だとばかり思われていたが、その裏では、醜く黒い取引があった。当時、ベスト8入りを控えた10月4日、Aチームの関係者は、大韓バスケットボール協会のC審判委員長(60)に200万ウォンを渡すなど、全国体育大会の前後に、審判割り振り権限を持っているC氏などに、4度にわたり計900万ウォンを手渡した。

♯2=昨年、某男子高校バスケットボールチームのKコーチは全国大会を控え、K審判から一通の電話を受けた。「あなたのチームの主攻撃主はかなりの反則を犯している。このままだと、今度の試合では、5回反則で退場になり得る」という内容だった。Kコーチはこの審判に、「大目に見てほしい」と頼み、借名口座に100万ウォンあまりを振り込んだ。

♯3=10年、某女子高校バスケットボールチームのPコーチも某審判から、「今日の試合では、選手たちがかなり反則をしてたではないか。次回の試合では、厳しく処理する」という電話を受けた。Pコーチは10年から昨年にかけて、この審判に対し、6度にわたり、計300万ウォンあまりを渡した。

サッカーや野球に続き、アマチュアバスケットボールでも、黒い金がやり取りされたことが確認の結果わかった。きれいなはずのスポーツ試合で、勝負に勝つため、審判に金を渡したのだ。さらに、今回の事例はプロではない、全国小中高校や大学、実業チームのバスケットボールで起こったことであり、「金品の授受のないスポーツなどない」という言葉まで出ている。

釜山(プサン)地方警察庁捜査2係は29日、全国規模のさまざまなバスケットボール大会で、有利な判定を下す見返りとして、億ウォン単位に上る金品を授受した収賄などの容疑で、大韓バスケットボール協会審判委員長などの協会関係者や審判、バスケットボールチームの監督やコーチ、保護者など151人を摘発した。このうち、バスケットボール協会のC副会長やJ審判委員長など73人は在宅起訴し、残りの78人は、不正事実を該当教育庁とバスケットボール協会に通知した。

審判の割り振り権限を持っているバスケットボール協会審判部の重要幹部らは、08年1月から今年6月にかけて、全国の学校や実業チームの監督97人から、「試合で有利になるよう、特定審判を割り振ってほしい」という請託を受け、256度にわたり、計1億9000万ウォンあまりを受け取った容疑がもたれている。

協会所属のK審判も、「試合の際、判定を有利にしてほしい」という請託を受け、155度にわたり、計5700万ウォンを受け取った容疑がもたれている。アマチュア試合の審判として、バスケットボール協会に登録されている28人のうち、16人が、このような不正を働いたことが、捜査の結果わかった。

審判らは、試合を前後に、バスケットボールチームのコーチなどに、「次回の試合のときは、反則について厳しく見守るぞ」、「主攻撃主が、5反則で退場させられかねない」という脅迫まがいの電話をかけて、金品を受け取る手口として使ったことが、調査の結果わかった。

協会の関係者や審判らにお金を渡したバスケットボールチームの監督やコーチなどは、大会の優秀選手に選ばれた保護者に金品や費用を要求したり、保護者会のレベルで上納金を準備するよう働きかけたという。

収賄の容疑がもたれている該当審判などは、警察の取調べで、「勝負の八百長はなかった。ただ、判定にやや影響はあった」と供述したという。リュ・サムヨン捜査2係長は、「試合前に金品を渡し、特定審判が割り振られたことから見て、八百長があった可能性についても捜査している」とし、「しかし、プロバスケットボール試合での審判買収はまだ確認されていない」と述べた。

http://japan.donga.com/srv/service.php3?biid=2012103045678

[만물상] 심판 매수
김광일 논설위원
입력 : 2012.10.30 22:33

농구 심판이 알고 지내는 학교 팀 코치에게 전화를 건다. "너희 아이들 많이 컸네. 내일 시합 때 휘슬 엄격하게 분다." 코치가 바짝 긴장한다. 현금서비스로 200만원을 찾아 심판에게 갖다 준다. 초·중학생들이 뛰는 소년체전에서 동메달을 따면 200만원, 은메달 300만원, 금메달 500만원을 심판부에 건넨다는 소문도 있었다. 그런저런 돈들이 심판들끼리 경조사비로 쓰이기도 했다.

▶20~30점 실력 차가 나는 두 농구팀을 심판이 반칙만 눈감아줘도 4~5점 차이로 좁힐 수 있다. 5반칙 퇴장은 두 팀 모두를 초조하게 만드는 무기가 된다. 공을 잡고 세 걸음 이상 움직이는 트레블링 같은 반칙도 애매할 경우가 많아서 심판이 휘슬 불기 나름이다. 공격 선수와 수비 선수가 몸을 부딪칠 때도 공격자 반칙인지 수비자 반칙인지 모호하다. 심판의 판단과 재량이 그만큼 중요하다.

▶농구 심판이 중학교 경기를 뛰면 한 경기에 2만5000원, 고교 경기는 3만5000원, 대학·실업 경기는 6만원씩 받는다. 심판은 봉급이 없다. 협회에서 체력단련비만 받는다. 심판 1~2년차면 월 30만원, 경력이 쌓이면 50만~80만원쯤 된다. 동호인들의 길거리 농구에 10만원쯤 받고 '알바'를 하기도 한다. 아는 코치에게 "생활이 어렵다"고 하소연도 한다. 경기가 있으면 같은 숙소에서 자고 같은 식당에서 마주치는 가까운 사이다.

▶2007년에도 소년체전에서 심판에게 돈을 건넸다는 농구계 원로의 양심선언이 파문을 일으켰다. 농구협회 심판간사에게 100만원을 줬다가 도리어 경기에서 지자 돈을 돌려받았다고 했다. 아마추어 농구에서 4강이나 결승에 오를 팀은 심판부와 내통한다는 얘기도 돌았다. 회식비, 목욕비, 축승금(祝勝金) 같이 명목도 다양하다. 보는 눈이 적은 학생 스포츠가 더하다. 승패에 따라 당장 아이들 진학과 진로가 결정되기 때문이다.

▶26개 아마추어 농구대회에서 심판·감독·학부모 150여명이 여러 해 동안 2억5000만원을 주고받았다가 경찰에 들통났다. 심판 판정에서 불이익을 당하지 않게 팀을 감싸는 '보호비'였다니 어안이 벙벙하다. 이런 일에서 과거 법원은 "승리에 대한 심리적 압박을 참작한다"며 집행유예로 풀어주곤 했다. 다른 나라는 5년 이하 징역형까지 책임을 묻는다. 절대로 돈에 팔려서는 안 되는 존재가 심판이다. 스포츠, 특히 아마추어 스포츠는 우리 사회에 맑은 물이 흐르게 하는 마지막 보루다. 심판이 썩으면 더 이상 기댈 곳이 없다.

http://news.chosun.com/site/data/html_dir/2012/10/30/2012103002856.html

記事入力 : 2012/10/31 11:08
【萬物相】審判買収

 あるジュニアのバスケットボールの試合後、笛を吹いた審判が普段から親しい出場チームのコーチに電話をかけ、「君のチームの選手たちは成長したな。明日の試合ではこれまで以上に厳しく笛を吹くから」と告げた。するとこのコーチは血相を変えて銀行に行き、200万ウォン(約15万円)を引き出してこの審判に届けた。小中学校の全国大会で銅メダルを獲得すると200万ウォン、銀メダルは300万ウォン(約22万円)、金メダルだと500万ウォン(約36万5000円)が審判の手に渡るといううわさもある。これらの現金は審判同士で冠婚葬祭などに使われることが多いようだ。

 本来なら20−30点の実力差があるチーム同士が対戦した場合でも、審判が少し反則を見過ごしただけで、その差は4点から5点へと一気に縮まる。1人の選手が5回のファウルで退場すると、退場者を出したチームはもちろん、相手チームも一気に緊張する。ボールを持って3歩以上動けばトラベリングだが、実はこれも非常にあいまいなため、審判の笛によってどうにでもなる。オフェンス側とディフェンス側の選手同士がぶつかった時も、それがどちらの反則かを正確に判断するのは非常に難しい。つまり審判の判断と裁量は、試合の結果を左右する重要な要素となっているのだ。

 バスケットボールの審判が中学校の試合で笛を吹く場合、1試合2万5000ウォン(約1800円)、高校だと3万5000ウォン(約2600円)、大学や実業団は6万ウォン(約4400円)をチームから受け取るが、バスケットボール協会から決まった給与を受け取ることはなく、協会から支給されるのはトレーニング名目の費用だけだ。しかし審判を続けるには2年目までの新人なら月30万ウォン(約2万2000円)、経験を重ねると50万−80万ウォン(約3万7000−5万8000円)ほど費用が掛かるため、時には愛好者によるストリートバスケットなどで、1試合10万ウォン(約7300円)ほどもらってアルバイトで審判を引き受ける。そのため時にはコーチ同士で「生活が苦しい」などと口にすることもあるという。審判たちは大会の際には同じ宿泊施設で寝食を共にするため、互いにとても親しい間柄だ。

 2007年にはバスケットボール界のあるベテラン指導者が、全国少年大会で審判に金を払った事実を告白し、大問題になった。この人物はバスケットボール協会の審判部長に100万ウォン(約7万3000円)を払ったが、試合に敗れたため、金を返してもらったという。「ジュニアやアマチュアのバスケットボール大会で準決勝や決勝に進出するようなチームは、どこも協会の審判部と親しい」などのうわさも広まっている。会食代、銭湯代、祝勝金など名目は様々だ。外からの監視が比較的緩い小中高校のジュニアだと、特にこのような傾向が強い。試合の結果によって子どもの進学先などに影響が出てくるからだ。

 釜山地方警察庁捜査課は、2008年から今年6月にかけて全国体育大会(全国体典)など韓国国内で行われたアマチュアのバスケットボール大会26大会で、各チームの監督らから総額約2億5000万ウォン(約1800万円)を不正に受け取った容疑で、大韓バスケットボール協会の審判委員長や副会長など現職・元職の役員と審判を、また協会側にカネを渡していた全国の中学・高校・大学・実業団チームの監督、体育教諭、保護者などを摘発した。当事者たちの言い分によると、これらの金は審判の判定で不利にならないよう、チームを守るための「保護費」だという。同じようなケースが取り扱われた過去の裁判では「勝利に対する心理的圧迫を考慮する」として執行猶予で終わるケースが多かったが、海外で同じようなケースが起これば、5年以下の懲役刑が下されることもある。スポーツの審判というのは絶対に金で左右されてはならない存在だ。スポーツ、特にアマチュアスポーツは、韓国社会で澄んだ水が流れる最後のとりでだ。審判が腐敗してしまうと、選手にとって頼るべきところはもうないのだ。

キム・グァンイル論説委員

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/10/31/2012103101040.html

先日できた「ハンギョレ」日本語版サイトは「スポーツやエンタテイメントのコーナーがない」という硬派ぶりを見せているのですが*1、こういう記事は訳してもいいんじゃないですかねえ。政治的スタンスは措くとしても、「朝鮮日報」に比べて「ハンギョレ」の翻訳記事選択における幅の狭さがどうも目につきます。正直言って損していると思うんですけど。

아마농구 ‘심판배정’ 비리 3명 영장 신청할듯
등록 : 2012.10.30 20:26수정 : 2012.10.30 23:09

 ㄱ중학교 농구부 코치는 지난해 5월 경남에서 열린 전국소년체전 1차전을 하루 앞두고 농구계 인사에 정통한 브로커한테 ㄴ·ㄷ 심판을 배정받게 해달라고 부탁하면서 선수 학부모회로부터 받은 100만원을 건넸다. 이 돈을 브로커는 대한농구협회 심판위원장의 계좌로 보냈다. 다음날 ㄱ중의 1차전 경기에는 ㄴ·ㄷ 심판이 각각 주심과 부심을 맡았다. ㄱ중 코치는 1차전에서 승리한 뒤 브로커한테 다시 100만원을 보냈다. 그 다음날 열린 2차전도 ㄴ·ㄷ 심판이 각각 주심과 부심을 맡았으나 ㄱ중은 패배했다.

 부산지방경찰청 수사과는 농구 경기에서 ‘특정 심판을 배정하거나 유리하게 판정해 달라’는 청탁과 함께 금품을 받은 혐의로 입건한 전국 초·중·고·대학교와 실업팀의 코치·감독, 이들로부터 금품을 받은 대한농구협회 부회장 진아무개(62)씨 등 73명 가운데, 죄질이 무거운 2~3명의 구속영장을 이르면 31일 신청할 예정이다.

 진씨 등 대한농구협회 간부를 포함한 이들 73명은 2008년 1월부터 올해 6월까지 전국 초·중·고·대학교와 실업 농구팀의 감독·코치 등 97명한테서 256차례에 걸쳐 차명계좌 등을 통해 1억9000만원을 받은 혐의를 사고 있다. 감독·코치 등은 경기를 이기려고 학부모들에게서 걷은 찬조금을 심판들한테 건넨 혐의를 받고 있다.

 학생·실업팀 농구 경기에서 공정해야 할 심판 선정이 금품 비리로 얼룩진 것은 이들의 고용 불안과 낮은 보수가 한몫했다는 지적이 나온다. 초·중·고교 농구부 코치는 해마다 계약을 맺어 학교장으로부터 월평균 100만원가량의 급여를 받는데, 150만원가량을 받는 시·도 교육청 소속 순회코치를 희망하는 이들이 많다.

 경찰 관계자는 “코치들과 심판들의 고용 조건이 매우 열악해, 승부 조작과 다름없는 심판진 매수 유혹에 빠져들었던 것으로 보인다”고 말했다.

부산/김광수 기자

http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/558260.html

*1:だから翻訳される記事が政治的・政局的なものに偏ってて読んでてつまらない、というのは内緒です。