総合編成チャンネルに見る「保守」と「進歩」の対立

ついでに「ハンギョレ」からもう一つ。これはぜひ、「朝鮮日報」のこの記事と対比させたいところです。

朝鮮日報の手前味噌な記事に、敢えて乗る。

早い話、朝鮮日報が総合編成チャンネルの持ち上げるのは自分とこのTV朝鮮があるからで、ハンギョレが叩くのは、それが「保守」系メディアが出資したものであるからです。総合編成チャンネルそのものの是非や、成果と課題などといったものを論じているようでも、実際にはどちらも結論ありきなわけですねえ。

ハンギョレチャンネル」みたいなものがあったとしたら、両者の議論はまるっきり現状の裏返しになるだろうことは、容易に想像がつきます。議論が飛躍しているかも知れません*1が、韓国の「保守」と「進歩」の対立なんてのは、しょせんその程度のものだったりしますね。安哲秀が降りてしまった大統領選挙が、盛り上がらないわけです。

総合編成チャンネル 1年、視聴率 0%台 苦戦…

保守偏向時事プログラム‘世論歪曲’
登録 : 2012.11.27 21:13 修正 : 2012.11.28 03:52
4社平均視聴率 0.49% に終わり
広告直取引特典にも関わらず売上低調
大統領選挙を控え保守層結集に率先
多様な高品格コンテンツ 掛け声倒れ


総合編成チャンネル 月別視聴率

 来月1日で開局1周年をむかえる総合編成チャンネル(総合編成)が、低視聴率と低調な経営実績で苦戦をまぬがれなくなっている。 総合編成チャンネルは大統領選挙局面で報道時事番組で反転を模索しているが、保守一辺倒の声を上げている。

■ 低調な成績表、守られなかった約束

 現政権が社会的論難を押し切って総合編成チャンネル導入を押しつけ、前面に掲げた政策目標は‘メディア所有および兼営規制を緩和し、グローバル メディア企業を育成し、地上波放送の寡占を緩和しコンテンツ産業を発展させる’ということだった。 総合編成企業も事業承認申請の時に揃って高品格コンテンツと世論多様性の拡大を強調した。 しかし、不十分なコンテンツに対する視聴者たちの離反によりほとんど空手形に終わっている。 視聴率調査業者TNmS資料によれば、1年間の総合編成4社平均視聴率は0.49%だ。 総合編成の再放送比率は50%を越えていることが明らかになりもした。 去る1年間の総合編成視聴率1・2位はJTBCが独占中継した韓国サッカー代表チームのワールドカップ予選協議程度で、総合編成の自主製作番組は視聴者たちの関心の圏外だ。

 低視聴率は広告にもそのまま影響を及ぼす。 広告収入は総合編成1社当たり月30億〜40億ウォン水準で、4社を合わせて月150億〜160億ウォンだ。 総合編成の中で自社広告売上を年2000億ウォンと予測した所もあったが、現在の規模から見れば総合編成の広告費を全て合わせてそうなる。 代行システムを使っている地上波放送と異なり、広告直取引という特典を得た総合編成はプログラム単位ではなく企業別に総広告費を受け取っている。 ケーブル放送各社は総合編成チャンネルが市場をかく乱させているという不満を爆発させている。

 総合編成チャンネル企業はスタート当時‘社会的約束’だと言うべき外注製作会社との共生や雇用創出でも失敗している。 「地上波と独立製作会社間の不公正取引を払拭させる」として、製作費支給の現実化、外注製作比率60%などを先を争って公言したが視聴率が上がらないとして契約破棄が常態化した。 ペ・テシク独立製作会社協会企画チーム長は「総合編成が今でも一部外注会社との契約を中途破棄する場合がある」と話した。 放送通信委員会は総合編成チャンネルの生産誘発効果が2兆9000億ウォン、就職誘発効果が2万1000人に達すると広報した。 しかし総合編成4社の職員は1300人余りに過ぎず、外注製作も活発でない状況であり全般的就職誘発効果もこのような約束に大きく及ばないという評価が出ている。

■ 総合編成から時事報道中心に移動-"世論市場歪曲"

 総合編成の視聴率は0%台を抜け出せないが、それでも最近は上昇傾向を示している。 大統領選挙局面で相対的に製作費は少なく視聴率は高いほうである時事報道番組を強化した結果という解説が出ている。 地上波が大統領選挙討論主催や報道に消極的という状況に食い込んだわけだ。

 しかし、このような傾向は報道・教養・ドラマ・娯楽などをバランスをとりながら編成するという総合編成のスタート趣旨にはそぐわない。 また、保守新聞が放送を通じて特定政治勢力を保護し自分たちの価値観を拡大伝播するという総合編成反対論者らの憂慮が現実化されている側面もある。

 チョン・ヨンウ世明大教授は「総合編成は大統領選挙を控えて政治評論家を大挙引き込み世論を歪曲している。 朝鮮・中央・東亜の新聞と連係した総合編成チャンネルが健全な討論文化を誘導するよりは米国<フォックス ニュース>のように保守的有権者の票を結集させる先頭に立っている」と批判した。 チュ・ヘソン 言論改革市民連帯事務局長も「総合編成は大統領選挙を控えて最後の機会と考えて紙新聞と連係して朴槿恵候補にオールインしていると見られる。 総合編成に付与された多くの特典によりメディア生態系が深刻に歪曲されているが、19代国会で総合編成特典の廃止と総合編成退出のための法案を準備する計画」と話した。

 総合編成の‘報道チャンネル化’に対してユン・ソガム編成製作本部長は 「初期には製作・編成を地上波のようにしようとしたが、開局後4ヶ月間にわたり資金を持続的に投じたが視聴者の反応が熱くならず、費用対効果がないと見た。 今年は赤字幅を減らし報道時事でアイデンティティを構築しようという経営的判断をした」と話した。 彼は「大統領選挙の後には報道時事と教養・芸能をバランスを取りながら編成する」と付け加えた。

ムン・ヒョンスク先任記者

韓国語原文入力:2012/11/27 20:19
http://www.hani.co.kr/arti/society/media/562624.html 訳J.S(2114字)

http://japan.hani.co.kr/arti/culture/13422.html

引用はもちろん原則的に原文ママですが、若干変換ミスが目につきますね。ブログ時代とほぼ変わらない態勢だとすれば、校閲にあまり期待できないでしょうから、仕方ないと思いますけど。


ちなみに私は、両陣営が何を言おうと関係なく、イジニ(이진희)さんの味方です。これは譲れません。



*1:いつものことですけど。