あの岩倉高校が今になって共学化

つい反応してしまったニュース。

岩倉高校といえば、高校野球史的には「KKコンビのPL学園を破った」と形容がつく学校なわけです。

来春から共学化というのは東京の私学にしてはちょっと遅めな気もしますが、鉄道ファンだけでなく鉄道業界への女性進出もすでに進んでいますから、見学会でのこうした反応も不思議ではありませんね。

実業系学科の個性を学校の(女子への)人気につなげることができるかどうか、ちょっと興味深いケースだと思います。昭和鉄道高校とのライバル関係もさらにエスカレートするかもしれません。

【社会】鉄道女子に門戸 岩倉高 来春から共学
2013年7月10日 夕刊


校内に設置された鉄道車両などを見学する中学生や保護者ら=5月25日、東京・上野の岩倉高校で(淡路久喜撮影)

 鉄道好き少女よ、大志を抱け−。日本最古の鉄道学校として知られる私立の男子校「岩倉高校」(東京都台東区)が、来春から男女共学になる。開校百十八年目の「門戸開放」は少子化社会を見据えての決断だが、女性鉄道ファンの裾野の広がりも反映している。鉄道業界で働く女性が増えていることも後押しした。 (中山岳)

 「こんな設備があるなんて」。室内のスクリーンで、特急電車の運転台からの風景映像が流れる。五月末、岩倉高校が開いた本年度最初の校内見学会。実習室にある実物の電車の車体や運転台を目にして驚く中学生の男子生徒に交じり、女子生徒が食い入るように見つめる。

 その一人で、新宿から来た中学三年生の沢田凜(りん)さん(14)は「絶対に進学したい」と第一志望宣言。「小学生のころから電車に乗るのが好き。将来は車掌になりたい」と胸が高鳴る。見学会が終わっても在校生や教諭を質問攻めにしていた。参加した百人ほどの一割が女子。江東区の野上遥香さん(14)は「いろいろ電車や機械のことを学べそう」と興味が尽きない。

 この一カ月前には学校内で「電車運転会」も開き、小中学生が車両とコンピューターの画面で、車掌や運転士の仕事を疑似体験した。千葉市の小学四年清水笑帆さん(10)は「電車からの風景を写真に撮るのが好き。こんな学校もいいかな」。

 女子生徒の受け入れは十年前から検討。三年前に校舎を建て替えた際には、女子トイレや更衣用の場所も用意した。「女子の保護者から入学させたいとの問い合わせが増えていた」と志賀保美教頭(49)。今年初めに都に共学化を届け出た。来年四月の募集定員四百五十人のうち、女子生徒を三十人ほど迎え入れるのが目標。「共学になることで鉄道学校への親しみが広がってほしい」と在校生も期待する。

 国内で鉄道の専門学科を置くもう一つの高校「昭和鉄道高校」(豊島区)は、一足早く二〇〇四年度から共学になった。毎年十人前後の女子が入学。学校側は「鉄道会社に就職した女子の卒業生も出ている」と共学効果をアピールしている。

岩倉高校 1897(明治30)年に前身の学校が千代田区神田錦町に開校。鉄道の旅客営業や運転法規などを学ぶ「運輸科」や「普通科」などがある。全校生徒約1000人のうち7割が鉄道関連の科目を学び、卒業生の4人に1人は鉄道関連会社に就職する。ミニ蒸気機関車を走らせる工作研究部、鉄道模型部などの部活動も盛ん。高校野球では甲子園に春夏それぞれ1回ずつ出場、1984年春に優勝した。

http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2013071002000249.html