高野山大学が河内長野に教育学部を新設

なるほど、いろんな方面の思惑が一致した結果ということですね。

教育学部の新設ラッシュには多少乗り遅れている感がありますので、問題は、学部を新設して卒業生が出た時の出口対策です。ただ、真言宗のネットワークが機能するとすれば、他とは少し違う展開があるのかも知れません。それまでには、大阪の教育現場も正常化していればよいのですけど…。

ちなみに、高野山ほど不便ではないとはいえ、河内長野の市街地や河内長野駅からはちょっと遠いですね。


和歌山)大阪の廃校活用、教育学部新設へ 高野山
中田和宏 2014年9月25日03時00分


旧南花台西小学校。高野山大が新学部設置を構想している=大阪府河内長野市南花台4丁目

 高野山大学高野町)が、大阪府河内長野市で廃校になった小学校の校舎を活用して、4年制の教育学部の新設を構想している。子どもが減り、廃校の活用に頭を悩ませる自治体と、大学側の思惑が一致。高野山大は、地域の子どもと触れ合う場にして「年中、教育実習をしているような環境をつくり、学生の質を高めたい」と意気込む。

 高野山大は来年春から文部科学省厚生労働省への手続きを始め、2016年春の新設をめざすという。

 同大学は高野山真言宗が母体の学校法人「高野山学園」が運営。現在は文学部密教学科のみで、僧侶の子息以外の入学者が少なく、学生の減少が課題だった。

 新学部を構想しているのは、河内長野市北部の開発団地・南花台にある「南花台西小学校」の跡地。この校舎は鉄筋3階一部2階建てで、青い三角屋根の時計塔が特徴。普通教室や多目的室など32室を備える。

 同小は団地の人口増を受けて1990年度に開校し、94年度には児童602人が通っていた。ところが、急激な人口減により2012年度には児童が150人に減少。同年度末、団地内の他の小学校に統合されて23年間の幕を閉じた。

 河内長野市は、住民らと意見交換しながら元校舎の活用法を2年近く模索。体育館や生涯学習拠点、企業の研究部門などが入る複合施設にする案も立てたが、うまく進まなかった。

 一方、高野山大には以前から新学部創設を求める声があったが、場所の問題などで具体化せずにいた。

 河内長野市高野山大が互いの動きを知り、今春、市が大学側に元校舎の活用を打診。高野山大は、全国に約3千ある高野山真言宗末寺の多くが幼稚園や保育園を経営していることから、幼稚園・小学校教諭や保育士らを養成する新学部の構想をまとめた。

 元校舎の一部には06年度から、地域のお年寄りを対象にした福祉施設も入居している。高野山大の谷田明夫企画課長は「高齢者に自らの経験を話してもらったり、子どもに大学へ来てもらったりして、様々な地域住民と常に触れ合える教育の場にしたい」と話す。

 河内長野市は、市内中心部を高野山への参詣(さんけい)者が歩いた高野街道が貫き、南海電鉄高野線も走る。市民にとっては高野山は身近な存在だ。太口智裕・都市魅力戦略課長は「市にとっては初の4年制大学で、地域と連携して構想に協力していきたい」としている。(中田和宏

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