【北京の風景】丰台区(豊台区)を歩く・その2:造甲村社区

こちらの続きになります。

【北京の風景】丰台区(豊台区)を歩く・その1:古いほうの丰台站(豊台駅)

正陽大橋を南に移動して、豊台駅の裏側に回るように建国街を東に歩いて行きます。が、この通りの両側には新しい、といっても最新でもない高層アパートが多く立ち並んでいて、正直あまり面白味はありません。

目に付いたのは、東端にあったこの在来市場くらいですかねえ。

で、この市場に向かってワンコがトコトコやって来た、その交差点の向こうを突き当たったところで目にしたのが、「造甲村」という名前。


http://zjcsq.ccn360.com/

社区简介
发布日期:2013-03-29 信息来源: 本站 作者(原创者): 造甲村社区

新村街道造甲村社区位于新村街道与丰台镇交界,东至刘家村,南至丰台东路,西邻新华街,北至丰台火车站。辖区面积3平方公里,共有楼房22栋,平房院落200个,常住人口1639户,4088人。社区设有居民活动室、市民文明学校、体育锻炼场地等,方便社区居民和中小学生活动,社区有6个文体团队,有5支志愿者服务队伍。

社区居委会依法实行居民自治。社区服务站实行“一窗式”服务,代理公共服务,开展公益服务,提供便利服务,不断满足社区居民的物质文化需要。在社区居民和驻区单位的积极参与下,共建文明的和谐社区。

http://zjcsq.ccn360.com/msgdetail?newsId=110986

造甲村社区_百度百科

「造甲村社区」とありますが、「社区」というのは中国の都市部における地域社会組織で、英語でいうところの「Community」なのだそうです。

「社区」とはなにか 新しいコミュニティーの出現

いま、中国の大都市で、社会の基盤をなす地域社会が変わりつつある。「社区」という、外国人には耳慣れぬ概念の組織が生まれ、発展しているのだ。

 「社区」は、欧米の「コミュニティー」とも、日本の「町内会」や「団地」とも少し違う。中国の発展の歴史や実情の中から生まれてきた独特の組織であり、また、独特の役割を果している。いまや中国の大都市の市民生活は、「社区」なくしては語ることができない。

 注目すべきことは、「社区」の発展にともなって、住民の社会への参加意識や民主的意識が高まってきたことだ。これまでは自己管理に「自覚がなかった」市民が、「自覚的に管理する市民」へと変貌をとげつつある。

 「社区」の実態はどうなっているのか、そしてこれから「社区」は、どうなるのか……。北京のいくつかの「社区」を例に報告しよう。(文・侯若虹  写真・楊振生)

 その1 住民自治の試みが始まった

 その2 「社区」の現状と未来

http://www.peopleschina.com/tejiyilan/2007-12/05/content_88839.htm

社区を扱った研究論文も日本語でいくつか読めますね。

「中国都市部の社区居民委員会の現状 ―現地調査の3つの事例を踏まえて―」

天児慧・任哲『中国の都市化:拡張、不安定と管理メカニズム』「第1章 中国の都市化と社会空間の変遷」

地図の上では、いま立っているところは「造甲街北里」と呼ばれ、ここから南の豊台南路駅に至るまでがいわゆる「造甲村」なのだそうです。

私としては、建国街と造甲街との交差点からずっと東に延びる道が、気になります。ほら、無機質なアパートに飽き飽きした後には、ええ感じでしょう?


ただここ、もしかしたら新しい豊台駅の方面に抜けられるかと思ったのですが、残念ながら奥は行き止まっていて、近道にはなりませんでした。袋小路の生活空間に迷い込んでしまったようです。申し訳ありません。

仕方がないので折り返します。

すると、先を急ぐわけでもなさげなのを察せられたのか、あっちの建物、こっちの脇道から誘いの声なき声がかかります。



今さら言うのも何なんですが、郭遊びというのはつまり、こんな感じ…?

誘いに乗ってついていくことはなかったのですが、遠くからもお声掛かりがあったりします。


思ったより戻ってくるのに時間がかかりました。ともあれ、この界隈はわりと庶民っぽい雰囲気を湛えているのですが、いま行ってきたあたりなどは、一昔前の「豊台っぽさ」をとりわけ残しているように思います。たぶん。

というわけで、ここからは造甲街を南に下り、豊台東路に折れて東に向かいます。

ええ向かいます。そんな目で見つめられても、向かいますとも。