新国立競技場建設費用の換算の仕方:ガンバ大阪単位

1300億やら3000億やら、追加で500億やら、大きすぎてちっともピンとこない金額なので、わかりやすい換算を試みてみましょう。

とりあえず、直近に完成予定の施設として、ガンバ大阪新スタジアムを参照しましょうか。

http://www.field-of-smile.jp/

40,000人収容のこのスタジアムの建設費用が、140億円と言われています。


サッカー:ガ大阪新スタジアム事業費140億8000万円
毎日新聞 2015年06月18日 21時06分(最終更新 06月18日 21時25分)

 サッカーJ1・ガ大阪の新スタジアム(大阪府吹田市)の建設募金団体は18日、総事業費が約140億8000万円で確定したと発表した。目標の140億円を上回り、当初の計画通り、屋根付きで4万人を収容し、大型ビジョン2面を備えた施設が建設されることになる。

 同団体は2012年4月から法人や個人に寄付を呼びかけていたが寄付が伸び悩み、事業費の確保が懸念されていた。寄付の受付期間を今年3月まで延長し、法人のべ721社から約99億5000万円▽個人のべ3万4627人から約6億2000万円が集まった。さらに、スポーツ振興くじなど約35億1000万円の助成金受給が決まり、目標額を上回ることができた。

 既に新スタジアムは万博記念公園内で建設が進められており、今秋に完成し、来年2月にこけら落としの試合が行われる予定。【前本麻有】

http://mainichi.jp/sports/news/20150619k0000m050067000c.html

これを基準に換算したものを、新国立競技場をめぐる記事に挿入してみます。小数点第2位を四捨五入しています。

 新国立競技場は、2012年11月に国際公募で選ばれたザハ・ハディド氏のデザインに基づき、総工費約1,300億円ガンバ大阪新スタジアム9.3個分)での改築を目指していたが、13年10月に整備費が最大約3,000億円ガンバ大阪新スタジアム21.4個分)になるとの試算が明らかにされ、下村文科相より計画縮小を検討する方針が示された。その後、同年11月には延べ床面積を縮小する修正案がまとめられ、14年5月には建物の高さを5メートル低くした基本設計案が承認。事業主体である日本スポーツ振興センター(JSC)の見通しでは、総工費は約1,692億円ガンバ大阪新スタジアム12.1個分)、工期は42カ月となっていた。

 だが今年5月中旬以降、事態はさらにややこしくなっている。5月18日、都庁を訪れ舛添都知事と会談した下村文科相は、都に約500億円ガンバ大阪新スタジアム3.6個分)の負担を求めた。また、そのうえで新国立競技場の開閉式屋根の設置を五輪開催後に延期することや座席の一部を仮設にする旨を明言。それに対し舛添都知事は難色を示した。

http://www.data-max.co.jp/0615_dm1716/

どんなけでかくて豪華なものか知りませんが、ガンバ大阪の新スタジアム21個分のスタジアムを東京に1つ作るなら、ガンバ大阪新スタジアムクラスの(もしくはFIFA規格やJ1規格に合わせた)スタジアムを全国各地に21個作った方が、スポーツ振興には役立つと思うんですよね。

まあとりあえず、この換算単位を「140億円=1ガンバ」と定めたうえで、過去の夏季五輪メインスタジアムの建設費用が何ガンバになるのか、計算してみます。

新国立競技場、見えぬ着地点 都は不信感「負担ありき」:朝日新聞デジタル

えーと、アトランタ1.6ガンバシドニー3.3ガンバアテネ2.6ガンバ、あの北京でも3.1ガンバ、ロンドンが4.6ガンバといったところですか。

やっぱり、当初予定でも9ガンバ以上、下手すると21ガンバでも足りなくなると言われているその金額、ちょっと常識外れてませんか?



追記:で、この建設費用に充てる財源の不足を、国立大運営交付金を削減して捻出するって?元大蔵官僚で現大阪市長の特別顧問にあらせられる方の書くことですから、まったく個人の思惑だけで書いているとも思えませんねえ。観測気球ですか?

まあ一度、文部科学大臣なり財務大臣なりから、それを正面切ってぶち上げてみてはいかがですか?事態の収拾を図る指導力をアピールしたいなら、首相が会見してもいいでしょう。

世間の反応もわかって、政治的リスクが見極められますよ。

 その問題が今日まで尾を引いているのは、文科省・JSCの失態だ。霞が関の普通の感覚からいえば、500億円を東京都につけ回すのは無理なので、文科省予算の範囲内で処理される。

 下村文科相は東京都に負担を求める根拠法を作ることを検討するというが、おそらく形式的に一部資金は東京都負担のようになっても、かなりの部分は文科省の予算で実質負担せざるを得ないのではないだろうか。超党派の議連を推進力にしてきたので、予算はなんとか捻出されるはずだからだ。

 ただし、財務当局はそれでは面白くないので、なんとか文科省予算の枠内に収めようとする。たとえば、国立大の文系学部縮小という政策の流れなので、国立大運営交付金を削減して、新国立競技場改築の穴埋め財源にする−などの方策が検討されるのではないか。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150616/dms1506160830005-n2.htm

要するに、「すぐ金にならない」と思われることで生計を立てている存在が疎ましくてならない人が、いるということなんでしょうかねえ。そんな人が世にどれくらいいるのか、知りはしませんけど。