この話、もともとの公認萌えキャラの件も、そのテレビの出演者のツッコミも、この記事書いてるライターの書きぶりも、何もかもゲスくてうんざりするのですが、肝心の発言の論旨がちゃんと記録されているので、ここに残しておくことにしましょう。
「グラビアアイドルのくせに」というところから他人を見下す態度がいかに人を醜くするか、よく見て覚えておくことにします。
おのののか“海女萌えキャラ”批判に総ツッコミ「エロで稼ぐ人が何言ってるんだ」
デイリーニュースオンライン 2015.09.09 08:009月7日に放送された『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)に、グラビアアイドルでタレントのおのののか(23)が出演。エロを否定する発言を繰り返し、「お前が言うな」と厳しい声が上がっている。
番組では、海女さんをモチーフにした三重県志摩市の公認萌えキャラ「碧志摩メグ」を取り上げ、「海女さんの萌えキャラは女性蔑視か? クールジャパンか?」というテーマで討論を繰り広げた。
阿川佐和子も思わず突っ込んでしまうほどの迷言!?
この「碧志摩メグ」。脚が露出し、前すそがはだけた白い磯着に胸を強調させたデザインで、一部市民の間では「女性蔑視」だと批判が続出。が、志摩市曰く、クールジャパン戦略の1つ。アニメの文化を通じて、若者や外国人に志摩の文化を感じて欲しいとの理由から市の公認キャラクターに設定したという。
これに、おのののかは「ご当地キャラって、みんなから愛されなきゃいけないキャラじゃないですか。それにエロを求めちゃいけないんじゃないかなって」「萌えキャラ自体はいいと思うんですけど、そこにエロを足す必要は全然なくて」と見解を述べた。
すると、お笑いタレントのヒロミ(50)やMCを務める阿川佐和子(61)が、「おのさんはエロをこうやっている(アピールしている)わけじゃない?」「おのさんはどうなんですか? 自覚は?」と、おのののかが萌えキャラと同様に、グラビアなどでエロを売り物にしていることに対しての意見を求めた。
さらに、胸の谷間を強調させたおのののかの写真が映し出されると「碧志摩メグと一緒じゃん!」と共演者たちが一斉に指摘。おのののかは「これは男性誌で男性が見るもので、お仕事としてやっているものであって」と反論した。
続けて、阿川佐和子が「おのさんが、志摩市からキャラクターになって頂きたいんですけどって言われたら、私はエロだからダメですって(断る?)」と聞くと、おのののかは「その時はその時に応じたお洋服を着て、ちゃんと隠すとこを隠して。こんな(海女さんの萌えキャラのような)格好では出ない」と主張した。
おのののか自身はグラビアで過激ショットを連発しているにもかかわらず、エロを否定。この一連の流れに対し、言動が矛盾していると捉えた視聴者も多く、ネット上では、
「エロで金を稼いでいる女が何言ってんだよ」
「説得力が無さ過ぎて呆れる」
「言ってることと、やってること矛盾してることに気づけよ」
「おのののか自分でグラビアを否定してるw」
「萌えだとかエロだとか語らないで下さい。あなたもそれでしょ」と辛辣な意見が相次いだ。
ナイスバディを武器にグラビア界のエースとして君臨中のおのののか。バラエティやトーク番組に出演する際は、自分の立場を意識した発言にも心掛けたいところだ。
(文/丸山ひろし)
追記:この件、NAVERでまとめられてましたね。
TVタックル海女萌えキャラ「碧志摩メグ」で“総スカン”のグラビアアイドルおのののかさんが正論すぎる件 - NAVER まとめ
ともあれ、カワイくても見下し、ブサイクでも見下し、そうやって最終的にはいったいどうしたいというんでしょう。
辛酸なめ子氏 ブスキャラ芸人の過酷扱い「胸が苦しい」と語る
2015.08.25 07:00「吉本ぶちゃいくランキング」で殿堂入りを果たしたお笑いコンビ・アジアンの隅田美保が、ブスいじりをされているせいで婚期を逃していると主張し、バラエティー番組から姿を消して5か月。女性にとって、自ら言う「ブス」と他人から言われる「ブス」は訳が違う。今の女性が“顔面偏差値”の低い、いわゆる「ブス」をどう捉えているのか。コラムニストの辛酸なめ子さんが語る。
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以前、美人の友人が「仕事を適当にやってるのに怒られないのが不思議」と言ったセリフが印象に残っています。それはあなたが美人だから…という言葉が出かかりました。彼女は外見の恩恵をそんなに意識していないようでしたが、美人はブスに比べて生涯所得が12%高い、というアメリカの大学の研究結果もあり、扱いの差は無視できません。
最近は、仕事で広告代理店や出版社などに行くと、若い社員のルックスの良さに驚きます。就職活動でも見た目が重視されているという世知辛い現実があるそうです。十人並みの容姿の私は、もし就活していたらどこの会社にも入れなかったと思います…。
ルックス格差を痛感したのは、高校時代です。小学校では見た目がかわいいというよりも、生命力あふれる活発な子が人望を集めていました。銀縁めがねで運動が全くできなかった私はヒエラルキー最下位だったのですが、見た目では露骨に差別されなかったです。
中学に入ると、女子校ということもあり、異性の目は気にしなくても良くなり、顔の良し悪しよりもおしゃれセンスや知力、運動神経などが重視されていました。しかしそんな平和な空気は、合コンなどで男子校と交流するようになって一変しました。
女子の間ではウケていたのに、合コンのカラオケで歌い踊っても男子の顔は能面のようにしらけ感が…しかも会計はなぜか女子が多めに取られる冷遇ぶり。あとあと考えてみると、女子側のルックスが相手の求める基準を満たしていなかったという結論になりました。
また、別のある合コンでは、女子の間では人気の子が、男子たちにはブスと思われていることが態度で伝わってきて、失礼だと義憤にかられ、女子全員、途中で勝手に帰ったこともありました。
大人になってからも、外見差別のシーンに遭遇することが多々あります。自分ではいまいちなルックスを承知していても、人から指摘されたくないものです。男性上司が女性スタッフに軽い口調で「残念なルックスだね」と言ったり、アーティストがブスのファンに話しかけられて無愛想だったり。
「あいつとは何の関係もないから」とブサイクな女子との無関係を強調する男子や、おかめみたいな年増女子に告白された体験を酒の席でおもしろおかしく話す男性とか…。
ブスキャラの女芸人にバンジーとか熱湯風呂とか過酷なことをさせてさらに変顔を笑うバラエティー番組を見ていても、当事者の気持ちを考えると胸が苦しくなります。ブスをいじられて傷つかない女子なんて存在しません。
もしいるとしたら、わざと野暮ったくしているビジネスブスで、ちゃんとお化粧したらきれいになると内心自負しているハートの強い女子くらいです。ブスキャラ女芸人のほとんどは、アイメイクをしっかりめにすれば(芸能人としてのオーラもあるし)美人の範疇に入るのでは…という気もします。
ブスと言われ傷ついても、涙を見せず笑っているタフな女子たち。一方でブスをいじって笑う男子は、内心、ブスに畏れを抱いているのかもしれません。日本神話には、ブスだという理由で嫁ぎ先から送り返されたことで呪いパワーを発動してそのため人類を短命にさせたという、破壊力抜群の神様、イワナガヒメがいらっしゃいます。日本人の遺伝子には、ブスへの畏れがインプットされているのです。その畏れがいつか敬いに変わることを祈ります…。
※女性セブン2015年9月3日号