ネクセンヒーローズ、来年も「ネクセンヒーローズ」へ

慎武宏さんの記事を読んだ直後にソウル新聞でネクセンのスポンサー契約延長のニュースを読んで、ちょっと苦笑いが出ました。

結論から言えば、従来のスポンサーであるネクセンからJトラスト並みの2倍のスポンサー料を得ることになったわけで、ヒーローズ球団としてはそう悪くない結末となった次第です。ヒーローズ自体、発足当初のお荷物球団状態から脱却して、常時プレーオフ進出を狙う実力球団となり、カンジョンホやパクビョンホといったスター選手も輩出していますし、さらに言えばソウルに本拠地を構えて来年からは高尺スカイドームに移るわけです。そのあたりのネーミングライツの価値の向上も、ネクセンタイヤとしては評価したのではないでしょうか。

…まあ、「日系の金融企業に球団(の命名権)を売り渡した企業」という汚名を被るリスクも、損得勘定の計算には入ったんでしょうね。あとは、みんなでネクセンのタイヤ*1を買って、球団保有効果を目に見える形で示せばいいんではないでしょうか。そしたらネクセンもさらに契約延長するかもですよ。

2015.11.06
韓国プロ野球日系企業のスポンサー契約に批判噴出!「黒い金」
文=慎武宏

 日系企業が、韓国プロ野球界進出を果たすかもしれない。日本では「Jトラスト株式会社」との名で知られ、韓国では「J TRUST」グループとして事業展開している金融グループが、韓国プロ野球球団・ヒーローズのネーミングスポンサー契約を協議しているというのだ。

 ヒーローズは2008年、外資系投資会社とされるセンテニアル・インベストメント主導で、株式会社ソウル・ヒーローズとして創設。他球団が特定の母体企業を持つ中、韓国プロスポーツ史上初となるネーミングライツによる経営を実施。初年度は民間たばこ会社ウリ・タバコとスポンサー契約を交わして「ウリ・ヒーローズ」としてスタートを切るが、途中、ウリ・タバコのスポンサー料未払いなどで「ヒーローズ」となる。財政難に苦しむが、10年から業界3位のタイヤメーカーであるネクセン・タイヤがメインスポンサーとなり、「ネクセン・ヒーローズ」として活動してきた。そのネクセンとのスポンサー契約が今季で切れることもあって、新たなスポンサーとしてJ TRUSTグループが浮上したのだ。

 ただ、この一報を受けた野球ファンの反発は激しい。世論調査機関であるリアルメーターが実施したアンケート結果によると、両者の契約締結に反対が64%。賛成は11.6%で、約5.5倍も反対が多かった。メディアも「ヒーローズ、“黒い金”をなぜ受け取る」(スポーツ新聞・スポーツ東亜)、「ヒーローズ、金が少なくても国内企業を選ぶべき」(ネットメディア「ノーカットニュース」)などと、かなり否定的だ。

 なぜ、否定的で反発が激しいのか。ひとつは、J TRUSTグループのイメージである。12年に韓国進出したJ TRUSTグループは、JT親愛貯蓄銀行JTキャピタル、JT貯蓄銀行などを展開しており、現在では総資産約2兆2000億ウォンにまで成長。銀行などの「第一金融圏」に次ぐ、「第二金融圏」(信用組合郵便貯金、保険・証券会社、投信会社など)の代表格になっており、将来的な韓国上場も発表しているが、韓国では貸付事業もしており、販売商品の大部分が最低12%から最高29.2%の高金利融資商品が多いことから、貸金業者としてのイメージも強い。韓国では貸金業は「信用等級の低い庶民を蚕食する業者」と見る向きが強く、その広報宣伝に加担することは“反庶民”だと決めつけられる。9月も、J TRUSTグループの企業広告に出演した人気女優コ・ソヨンが猛烈なバッシングを受けて、自ら反省文を発表し広告出演契約解除に至ったほどだ(参照記事 http://biz-journal.jp/2015/10/post_11811.html)。

高額なスポンサー料で揺れるヒーローズ

 こうした流れから、ヒーローズとJ TRUSTのスポンサー契約に反対する声は大きいが、さらにファンたちの感情を逆なでしているのは、J TRUSTグループが日系企業であるということだ。依然として“親日”を良しとしない風潮がある中、日系企業ネーミングライツ・スポンサーとはいえ、韓国プロ野球に参入することは言語道断というわけだ。ファンの間では「『J TRUST』のJは「JAPAN」の略語だ」といった噂まで流れ(正しくは「Justice/公正)、猛反対している。野球解説者であるホ・グヨン氏も、「韓国最高のスポーツであるプロ野球のイメージを失墜させないスポンサーを探さなければならない。ヒーローズは、ファンと国民情緒を無視してはならない」と意見を述べているほどだ。

 ただ、ヒーローズ側にも言い分がある。ヒーローズは来季から韓国初のドーム球場である高尺(コチョク)スカイドームを本拠地にすることが決まっている。その使用料は、今季まで本拠地だった木洞(モクトン)野球場より数倍も高く、年間数十億ウォン(数億円)はかかるとされている。そんな支出がかさむことが明らかな中で、J TRUSTグループは年間100億ウォン(約10億円)以上の高額なスポンサー料を提示しているといわれている。今季までスポンサーだったネクセンからのスポンサー料が年間50億ウォン(約5億円)前後だったことを考えると、渡りに船どころか最高のスポンサーなのだ。

 ヒーローズは、J TRUSTとネーミングライツ契約を交わすのか。「J TRUSTヒーローズ」誕生となれば、いい意味でも悪い意味でも日韓で何かと話題になりそうだが、果たしてどうなるだろう。
(文=慎武宏)

http://biz-journal.jp/2015/11/post_12283.html

[프로야구] 내년에도 ‘넥센’ 히어로즈 만난다

네이밍스폰서십 3년 연장키로

내년에도 ‘넥센’ 히어로즈를 만날 수 있게 됐다.

KBO리그 히어로즈 구단은 5일 서울 서초구의 넥센 빌딩에서 넥센 타이어와 네이밍스폰서십 연장에 합의했다고 밝혔다. 기간은 2016년부터 2018년까지 3년이다. 계약 규모는 공식적으로 공개하지 않았으나, 기존의 2배 수준인 연 100억원 선인 것으로 전해졌다.

앞서 히어로즈 구단은 일본계 제2금융권 기업인 J트러스트와 스폰서십 계약을 체결할 것으로 알려져 논란을 빚었다. 고척 스카이돔으로 이사하면서 운영비가 많아진 히어로즈 구단은 과거 대부업체라는 이미지 쇄신을 위해 거액을 제시한 J트러스트와 손을 잡으려 했지만 팬들의 반발로 계약을 포기한 것으로 알려졌다. 한 리서치 회사의 설문조사에 따르면 히어로즈와 J트러스트의 계약에 반대하는 의견이 약 64%에 달했다.

히어로즈 구단은 실리보다 명분을 택하면서 넥센 타이어와 재계약 협상을 벌여 합의에 도달했다.

이장석 히어로즈 대표이사는 “넥센타이어의 메인스폰서십 계약 연장 결정에 진심으로 감사드린다”면서“메인스폰서 선정 과정에서 보여 주신 팬들의 관심과 염려, 그리고 다양한 목소리에 감사드린다. 앞으로 더 좋은 구단을 만들기 위해 노력하겠다”고 말했다.

히어로즈는 2008년 해단한 현대를 인수해 출범했다. 첫 스폰서는 우리담배였다. 우리 히어로즈라는 이름으로 첫발을 내디뎠다. 그러나 우리담배가 후원을 중단하면서 2009년 서울 히어로즈로 개명했다. 2010년 넥센타이어와 계약해 지난 시즌까지 넥센 히어로즈로 리그에 참가했다.

강신 기자
2015-11-06 26면

http://www.seoul.co.kr//news/newsView.php?code=seoul&id=20151106026009

記事入力 : 2015/11/05 08:07
野球:ヒーローズ命名権日系企業ではなくネクセンへ

ネクセンと10億円でネーミング・スポンサー契約延長
日系第2金融会社との契約話進めるも批判浴びて撤回

 ヒーローズ野球団(李章碩〈イ・ジャンソク〉代表)とネクセンタイヤが2016年のネーミング・スポンサー契約を結んだことが4日、分かった。

 これは、ネクセン関係者が「ヒーローズと来年のスポンサーシップ契約を締結した。金額はこれまでの約2倍に相当する年間100億ウォン(約10億円)台になるだろう」と明らかにしたもの。ヒーローズは2010年にネクセンと毎年50億ウォン(約5億円、推定)の条件でネーミング・スポンサー契約を締結、今季までそれが続いていた。

 ヒーローズはネクセンタイヤとのスポンサー契約満了を前に、日系第2金融会社のJトラストと100億ウォン前後のスポンサー契約話を進め、物議を醸していた。Jトラストは消費者金融業を基盤に韓国で急成長した企業だ。同社はネクセンに姜正浩(カン・ジョンホ)=ピッツバーグ・パイレーツ=だけでなく、朴炳鎬(パク・ピョンホ)についても米大リーグのポスティング(入札)を要求しており、フリーエージェント(FA)選手を獲得しようと、30億−40億ウォン(約3億−4億円)の追加支援を約束していたことも分かった。しかし、ヒーローズは「日系企業に韓国最高の人気スポーツであるプロ野球の球団ネーミング権を売るのか」という世間の批判に悩まされたという。ヒーローズ関係者は「金額より義理などが決定に大きくかかわった」と語った。

姜鎬哲(カン・ホチョル)記者 , 郭彰烈(クァク・チャンリョル)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/11/05/2015110500576.html

ちなみに、この「日系金融企業と韓国プロスポーツ」という話には先例があって、それがラッシュアンドキャッシュ(→OK貯蓄銀行)と男子バレーボール・Vリーグとの関係です。こちらは、チーム創設から2年で今年、リーグ優勝を果たすまでに成長しています。

ラッシュアンドキャッシュが創設したプロバレーチーム

韓国Vリーグ男子の明暗:OK貯蓄銀行とウリカード

今回の場合、プロ野球にはVリーグとは比較にならない注目度がある点が、明暗を分けたかも知れません。また、ラッシュアンドキャッシュの場合、チーム創設から運営に至るまで、親会社として実際に「汗をかいた」のに対し、Jトラストの場合は球団運営には直接関わらないネーミングライツのスポンサー契約だった点も、逆に批判を呼びやすい要素だったとも考えられます。

ま、ともあれ、来年はこのドーム球場でネクセンヒーローズの試合が観られる、ということになりました。来シーズンこそは一度くらい、ヒーローズの試合を観てみたいものです。

韓国初のドーム球場開場 来季からネクセンの本拠地
2015.11.4 20:40更新



韓国初のドーム型野球場「高尺スカイドーム」 =4日、ソウル(共同)

 韓国・ソウル市九老区に完成した同国初のドーム型野球場「高尺スカイドーム」が4日、正式にオープンし、8日に日本で開幕する野球の国際大会「プレミア12」に出場する韓国代表キューバ代表の親善試合が行われた。

 韓国高校野球の開催地として親しまれたソウルの東大門球場の解体に伴い、ソウル市が2009年に着工。当初アマチュア向けを想定していたが、プロ球団ネクセンが来年から本拠地として使用することが10月に決まった。

 球場は両翼99メートル、中堅122メートルで、座席数は約1万8千席。グラウンドから屋根までの高さは、東京ドームより約6メートル高い約68メートルという。使用感を確かめるテスト競技では「照明がまぶしすぎる」との意見も寄せられ、来年までに改善する。

 仕事帰りにビール片手に観戦した仁川市の男性会社員(26)は「ドームといえば東京や名古屋が思い浮かぶので、日本で観戦している感じ」と笑った。(ソウル共同)

http://www.sankei.com/photo/story/news/151104/sty1511040011-n1.html


追記:ラッシュアンドキャッシュの先例は、やはり現地でもすでに指摘があったみたいですね。

記事入力 : 2015/10/24 08:25
韓国プロ野球界に「サムライマネー」上陸か

ヒーローズ「日系金融グループとネーミング・スポンサー契約協議中」
年間100億ウォン台後援提示

 「サムライマネー」が韓国プロ野球にやって来るのだろうか。韓国プロ野球チームのヒーローズは23日、「新たなネーミング・スポンサーについてJTグループと協議をしている。年内までに交渉を終える予定だ」と明らかにした。日系金融グループ「Jトラスト(JT)グループ」関係者は「日本の本社が直接、交渉に当たっている」と語った。

 JTグループは日本でクレジットカード業により成長し、現在23の系列会社を擁する。資産規模は5兆ウォン(約5340億円)台と言われている。JT側は「韓国では貸付業からスタートしたが、今はすべて整理した。現在は貯蓄銀行JT貯蓄銀行)など3社が経営されている」と述べた。関係者は「JTグループが貸付業をしているなら、そもそも交渉を開始していなかっただろう」と言った。

 投資会社センテニアル・インベストメントのイ・ジャンソク代表が2008年に存続の危機にあった現代ユニコーンズを買収した後、再結成したのがヒーローズだ。親会社がないヒーローズはメーンスポンサーから資金を受け、その企業名をチーム名に使用する方式で球団を運営してきた。このため、球団の歴史は8年と短いが、チーム名はすでに3つめになる。今はネクセン・ヒーローズだ。6年間続いたヒーローズとネクセン・タイヤのネーミング・スポンサー契約は今年切れる。

 JTグループが今回提示した金額はネクセン・タイヤの2倍以上となる年間100億ウォン(約10億7000万円)台とのことだ。これは魅力的な条件だ。ヒーローズはソウル市陽川区の木洞球場を離れ、ソウル市九老区に完成した韓国初のドーム球場・高尺スカイドームを来年から本拠地として使用するため、現在よりも運用コストが増える。

 JTグループはスポーツを通じた広告効果を狙っている。日本プロサッカーJ2リーグFC岐阜のスポンサーを務めており、8月に東アジア・カップのスポンサーとしても参加した。事実、JTグループより先に韓国のスポーツに進出した日系貸付業者ラッシュ・アンド・キャッシュは男子バレーボールチームを買収してプロチーム「安山OK貯蓄銀行ラッシュ・アンド・キャッシュ」を創設、効果を挙げている。OK貯蓄銀行関係者は「今年は優勝を達成して知名度が上がり、ネガティブだった親会社(ラッシュ・アンド・キャッシュ)のイメージも刷新された」と言った。OK貯蓄銀行の資産額はこの1年で5倍近く(昨年6月2904億ウォン〈約310億円〉→今年6月1兆6160億ウォン〈1726億円〉)と増加した。ヒーローズのスポンサーのネクセン・タイヤは業界3位から2位浮上している。

オ・ユギョ記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/10/24/2015102400577.html

*1:韓国のタイヤメーカーでは確か、韓国タイヤ・錦湖タイヤに次ぐ業界3位だったかと思います。