早稲田大学、非常勤講師雇用「上限5年」規則を撤回

今朝、目についたこのニュース。ここ2、3年ほど、改正労働契約法の施行にともなってこの手の規制を横並びで進めてきた他大学への影響も、けっこう大きいのではないでしょうか。

改正労働契約法:「5年ルール」の刃

意図せざる結果としての「非常勤講師5年雇止め」

早大非常勤講師:雇用上限5年の規則を撤回 組合と和解
毎日新聞 2015年11月25日 19時22分

 非常勤講師の雇用期間の上限を5年とした早稲田大の就業規則を巡る団体交渉で不当労働行為があったとして、東京都労働委員会に救済を申し立てていた首都圏大学非常勤講師組合は、規則適用を撤回する内容で早大と和解した。組合が25日、都内で記者会見して明らかにした。早大同様、非常勤講師の雇用期間の上限を5年とする他大学の交渉にも影響しそうだ。

 有期雇用が繰り返し更新されて通算5年を超えると労働者側の申し込みで無期雇用に転換できる改正労働契約法が2013年4月に施行されたが、早大はこの直前の13年3月、非常勤講師の雇用期間上限を5年とする内容に就業規則を変えた。組合側は「改正法適用を逃れるための変更だ」と反発。大学との団体交渉で組合差別があったなどとして都労委に救済を申し立てていた。

 和解協定書などによると、就業規則変更1年後の14年3月31日以前に勤務した非常勤講師については(1)上限5年を撤回し、上限を設定しない(2)5年勤務すれば無期契約への転換を申し込む権利がある−−とし、14年4月1日以降勤務の非常勤講師については有期雇用の上限を10年とする内容。

 同労組によると、早大には約3000人の非常勤講師がいる。同労組早稲田ユニオンの大野英士代表は「5年での雇い止めを阻止し無期雇用への展望を開いた。改正法の趣旨に沿うもので意義は大きい」と話した。早大は「まだ協議中の案件もあるが、包括的に合意できる事項で和解した。引き続き真摯(しんし)に対応したい」と話している。【東海林智】

http://mainichi.jp/select/news/20151126k0000m040043000c.html