国民保導連盟事件について:日本語で読める「ハンギョレ」の記事や映画「レッドトゥーム」など

過去に何度か言及したことはあるんですけど、国民保導連盟について、まとまっているところをまとめて。

Wikipediaについては、日本語版も韓国語版もありますが、前者だけではちょっと不足しているところ(出典情報など)もあります。

国民保導連盟 - Wikipedia
保導連盟事件 - Wikipedia
국민보도연맹 - 위키백과, 우리 모두의 백과사전
보도연맹 학살 - 위키백과, 우리 모두의 백과사전

namuwikiにもかなり詳しい言及があります。

보도연맹 학살사건 - 나무위키

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で、記事としてはハンギョレ日本語版が記事を何本か翻訳してくれています。もちろん、これらが言及の全てではないでしょう。とは言え、1950年に起こされた虐殺事件については、長いタブーの時期を経て、1990年代後半ごろから話題となりはじめ、2000年代後半に入って「真実・和解のための過去史整理委員会」の活動によってその真相究明が促進されていった、という流れとなっていることは、ここからうかがい知ることができます。

"軍・警に虐殺された保導連盟員 4934人 確認"
登録 : 2009.11.27 09:47 原文入力 : 2009-11-26 午後07:09:56

真実和解委, 政府次元で初調査…2570件 処理完了
"李承晩政権 最高位層の命令と判断" …最大 20万人と推定

キム・ミンギョン記者

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←ハン・ソンフン真実・和解のための過去史整理委員会,集団犠牲調査局チーム長が26日午前、ソウル,忠武路の真実和解委大会議室で‘国民保導連盟事件’調査結果を発表し証拠資料を公開している。 イ・ジョンア記者

韓国戦争当時、政府が国民保導連盟員だという理由で数千名を虐殺した事実が公式確認された。真実・和解のための過去史整理委員会(委員長 アン・ビョンウク・真実和解委)は韓国戦争が起きた1950年6月25日から同年9月までに少なくとも4,934人以上が軍・警により招集・連行・拘禁された後に集団虐殺された事実を糾明したと26日明らかにした。

真実和解委による調査の結果、警察は韓国戦争勃発直後に国民保導連盟員らを各地から招集し連行した後、2日~3ヶ月間留置場や倉庫などに拘禁し、左翼活動経歴が多く‘甲(A)等級’に分類された人々は大部分が同年7月初めに集団虐殺された。残りも人民軍の占領が近づき、後退する軍・警により処刑された。国民保導連盟とは李承晩政権時の1949年4月‘左翼活動経歴を持った人々を思想的に改造する’という趣旨で作られた政府系団体であり、強制的に加入させられる場合が多かった。

ハン・ソンフン真実和解委チーム長は「1950年6月28日、ソウルが人民軍により陥落し、国民保導連盟員らが北韓に同調することを憂慮し漢江以南地域で全面的な虐殺が始まった」とし「保導連盟員でない人々も左翼の家族だったなどの理由で命を奪われたケースもある」と話した。

先立って真実和解委は去る2006年10月△被害規模の集団性△命令系統の同一性△処理過程の類似性などを考慮し、国民保導連盟関連事件に対する職権調査決定を下し、受け付けられた国民保導連盟事件2570件の処理を最近終えた。

真実和解委が調査を通じ身元を確認したのは4934人だが、学界では各軍単位で100~1000人余りが殺害されたことに照らし、10万~20万人に達するものと推定している。この過程を実質的に主導したのは警察査察係と陸軍防諜部隊(CIC・Counter Intelligence Corps)だった。真実和解委は種々の国家機関が一糸不乱に動員されたという点から見て、李承晩政府最高位層の決定と命令によったと判断した。

キム・ドンチュン真実和解委常任委員は「今回の真実和解委の調査は事件が発生し59年ぶりに政府次元で進行された最も体系的な最初の公式調査」として「90%以上の被害者が真実糾明申請をしておらず、全体犠牲者の身元や規模を明らかにできなかったという限界がある」と評価した。

真実和解委は「憲法で保障された国民の基本権である生命権と合法的手続きと公正な裁判を受ける権利を侵害した」とし、国家の公式謝罪と再発防止のための法・制度的措置,被害補償のための賠・補償法制定などを勧告した。

キム・ミンギョン記者

原文: http://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/389982.html 訳J.S

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/3681.html

‘保導連盟 虐殺’ 初めて国家賠償判決 : 政治 : ハンギョレ
清州・清原 保導連盟損害賠償訴訟「国は遺族へ78億支払え」 : 政治 : ハンギョレ

朝鮮戦争での保導連盟員大量虐殺、軍指令で警察が実施
登録 : 2016.06.22 21:52 修正 : 2016.06.23 05:52

「20万人良民虐殺」保導連盟管理検事の肉声証言

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朝鮮戦争忠清北道遺族の会員らが21日、忠清北道NGOセンターで国民保導連盟の組織と管理を主導したとされるソンウ・ジョンウォン氏の保導連盟関連証言映像を視聴している=忠清北道歴史文化連帯提供//ハンギョレ新聞社

市民団体がソンウ・ジョンウォン氏のインタビューを公開
「警察が主導…軍に言われてやったこと」
何の罪もない良民虐殺強行を告白
第2期真実和解委・特別法制定が必要

 「意識分子というよりむしろ意識のない者が多かっただろう。共産党の何たるかを知っていようか。知らずに入った者が多いだろう…」

 朝鮮戦争で多くの犠牲者を出した国民保導連盟を組織・管理したとされる「反共検事」のソンウ・ジョンウォン氏(1918~2014)の肉声証言が公開された。ソンウ氏はソウル地検検事、法務部初代検察課長、治安局情報捜査課長などを務め、1949年に左翼転向者を集めて保導連盟を作って管理した主役だ。

 朝鮮戦争忠清北道遺族会(会長イ・セチャン)と忠清北道歴史文化連帯(代表パク・マンスン)は21日午後2時、忠清北道NGOセンターで開いた「2016朝鮮戦争民間人犠牲者忠清北道合同追慕祭」で、ソンウ氏の証言を記録した映像を公開した。時間にして5分4秒のこの映像には、2007年10月18日に「真実和解のための過去事整理委員会」(真和委)調査官がソンウ氏の事務所を訪ねて証言を記録する様子が含まれている。パク代表は「保導連盟を組織し管理した高位級要人の肉声証言を公開するのは今回が初めて」と話した。

 ソンウ氏は映像で、保導連盟加入者の指向を尋ねる質問に「忠清北道槐山(クェサン)でビラを撒いて逮捕された人々は、(南労働党など)聞いたこともない本物の農民だった。共産党とは考えられなかった。(彼らのように)理解も知識もない者が多かった」と話した。

 彼は保導連盟員の虐殺は、警察が主導し軍人が後押ししたと明らかにし、「警察が(殺すことを)主導した。だが、警察が単独では絶対にできない。軍にやれと言われてやったのだろう」と証言した。

 パク代表は「ソンウ氏の証言は当時の国家権力が共産党員ではないことを知っていながら多くの良民を虐殺したことを裏付ける」と話した。朝鮮戦争全国遺族会などは朝鮮戦争が起きた後、全国で保導連盟員20万人余が犠牲になったと主張している。パク代表は「第2期真実和解委員会を推進し、過去事法を改正し賠償・補償特別法の制定、過去事財団設立、遺体発掘などを急がなければならない」と話した。

オ・ユンジュ記者

韓国語原文入力:2016-06-21 22:09
http://www.hani.co.kr/arti/society/area/749129.html 訳J.S(1240字)

http://japan.hani.co.kr/arti/politics/24455.html

この最後の記事の内容については、KBSが伝えたニュース動画もあります。

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あとは、この件を真正面から取り上げたものとしていま挙げられるのは、昨年公開されたドキュメンタリー映画「レッドトゥーム」でしょう。これ、未見だったんですが、監督自身によって全編Youtubeにアップされているんですね。

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보도연맹 다룬 영화 레드 툼 9일 개봉
“한국 현대사서 묻힌 사건 꼭 알려야겠다 생각”
전국 15개관이지만 많은 사람들 만나
유족들 아픈 이야기 귀 기울였으면…

기사입력 : 2015-07-02 07:00:00

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“할머니들께서 저를 껴안고 울면서 한을 풀어달라 하시던 날을 절대 잊지 못합니다. 드디어 약속을 지킵니다.”

자금사정으로 개봉이 어려워 시민들의 모금을 받은 다큐멘터리 영화 ‘레드 툼(Red Tomb)’이 오는 9일 서울과 부산, 대구 등 전국에서 개봉한다.

‘레드 툼’은 6·25전쟁 중 일어난 정부 주도의 민간인 학살인 ‘보도연맹 사건’을 다룬 영화로 2013년 9월 발표해 서울독립영화제 우수작품상을 수상하고 여러 영화제에 초청받았지만 자금난에 개봉이 어려웠다. 지난 3월 말부터 4월 30일까지 전국을 대상으로 개봉 후원금을 모금해 모두 개인과 단체를 포함한 133팀으로부터 960여만원을 받아 개봉에 나섰다.

지난 29일, 개봉을 열흘 앞두고 만난 ‘레드 툼’의 구자환(49) 감독은 7월 초를 놓칠 수 없었다고 말했다.

“7월 초부터 8월 24일까지 국민보도연맹원들에 대한 학살이 시작됐기 때문에 이 시점에 개봉해 한국현대사에서 묻힌 사건을 꼭 알려야겠다고 생각했다”며 “늦었지만 억울함을 풀고 싶다는 유족들의 바람을 이뤄드리고 싶다”고 밝혔다.

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하지만 지역의 독립영화인 데다 한국 사회의 ‘레드(빨갱이) 콤플렉스’를 다루고 있는 만큼 배급이 쉽지 않다. 10년간 창원시 진전면 등 보도연맹 희생자 유족들을 직접 취재하며 영화를 찍은 구 감독은, 배급도 직접 하고 있다.

서울과 부산, 대구 등 독립·예술영화전용관에서 상영이 확정됐지만 정작 영화를 찍고, 감독이 활동하고 있는 창원을 비롯한 경남에는 독립·예술영화전용관이 없어 개봉관 확보에 어려움을 겪었다. 그러다 이날 인터뷰 도중 창원 메가박스에서 하루에 한 차례, 일주일간 상영을 할 수 있다는 연락을 받았다.

개봉 첫날 스크린을 몇백 개씩 확보하는 상업영화에 비교하자면 상대도 되지 않는 개봉관 수인 15개 관에 불과하지만 구 감독은 어떻게든 이 영화가 많은 사람들과 만났으면 하는 바람이다. 경남에서는 단 한 곳에서만 상영하기 때문에 관람을 원하는 단체는 ‘공동체 상영’ 신청도 가능하다.

구 감독이 페이스북에 ‘레드 툼’을 봐달라며 개봉관을 안내한 글이 천 번 넘게 공유되면서 포털사이트 다음의 일간개봉예정영화 11위에 오른 것은 희망적이다.

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‘레드 툼’의 구자환 감독

“관심이 놀랍다. 속하지 않으면 빨갱이로 몰린다고 가입하고, 먹을 것 준단 소리에 가입한 무고한 사람들 수십만 명을 정부가 학살한 사건인데 유족들은 더 큰 피해를 당할까 억울함을 밝히지도 못하고 숨죽여 지냈다”며 “역사를 전공하는 학생들도 잘 모르는 이야기다. 이 영화를 보고 사람들이 보도연맹 사건에 대해 알고, 유족들의 아픔과 이야기에 귀 기울였으면 좋겠다”고 말했다. 15세 관람가.

이슬기 기자

http://www.knnews.co.kr/news/articleView.php?idxno=1152389

日本語でこの映画についてきちんと言及してるのは、こちらくらいですかねえ。

blog.goo.ne.jp