琵琶湖・烏丸半島のハス群生地は「復元困難」との調査結果

この記事を書いてから1年弱。原因についての調査結果が発表されたようです。残念ながら「悲報」と言っていいでしょう。

【草津の風景】烏丸半島の大異変 - 大塚愛と死の哲学

土質の変化などの要因が挙げられていますが、琵琶湖博物館が開館20周年を過ぎていることからも明らかなとおり、烏丸半島の開発が進んだのは20年以上前の話で、その後は大した変化は認められません*1。そもそも、一昨年までは見事な群生が存在していたわけで、人的な要因が影響しているというのはあまり考えられないように思います。昨年訪れた時には、地元の方でも「思い当たる節がない」と言われてましたし。

烏丸半島にて - 大塚愛と死の哲学
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もしこれが自然のサイクルなのだとしたら、それを人間が自分の都合でどうにか「再生」しようなどと思わない方がいいのかもしれません。ハスはみずの森の水生植物公園内で見ることにして、その背後に広がる一面のヨシ原…というのも、それはそれで意義もあり、楽しめもする光景になるかもしれませんし。

琵琶湖ハス消滅「復元不可能」 専門家報告書、粘土層が消失

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かつて湖面を覆うように咲き誇ったハス(2014年7月26日、草津市下物町)

 滋賀県草津市は31日、昨夏に烏丸半島で消滅したハスに関する調査結果を発表した。姿を消した主な原因として、土質の変化による粘土層の消失やメタンガス濃度の上昇などが挙げられた。

 調査は、ハスの再生を目指す市が大学教員らでつくる「滋賀自然環境研究会」(代表・小林圭介滋賀県立大名誉教授)に580万円で委託した。調査日は3~4月の5日間。ハスの群生地周辺の11地点で水質や底質、植生などを調べた。

 報告書では、19年前の県の調査結果と比較し、ハスの生育に適した粘土層が波などの浸食の影響を受けて15~39センチ消失していた。また、地中のメタンガス濃度は5~8倍まで上昇しており、地下茎の成長を阻害した可能性を示した。消滅には複合的な要因があり「かつての状態に戻すことは不可能である」とした上で、生育環境のモニタリング調査など試験的な対策の必要性を指摘した。

 市が県などと昨年実施した現地調査では、土壌の酸素不足が原因と結論づけていた。今回の調査でより詳細なデータを得た市は「ハス再生に向け、関係機関と対策を検討していきたい」としている。

【 2017年06月01日 09時15分 】

http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20170601000026

びわ湖のハス群生地消滅 「人工的な復元難しい」
5月31日 4時49分

滋賀県のびわ湖で、全国有数のハスの群生地が消滅したことについて、専門家は湖の底を覆っていた粘土がほとんどなくなっていて、群生地を人工的に復元するのは難しいとする報告書をまとめました。

びわ湖の南部にある滋賀県草津市の烏丸半島の周辺は、全国有数のハスの群生地として知られていますが、去年からハスが育たなくなって群生地が消滅し、草津市が原因を調査していました。

滋賀県立大学の小林圭介名誉教授は、このほど、調査の報告書をまとめました。それによりますと、20年前に調査した際は、湖の底がハスの生育に欠かせない粒の細かい粘土で覆われていましたが、現在はほとんど確認できず、砂地になっていることがわかったということです。

また、ハスの生育を妨げる水中のメタンガスが20年前に比べて、多いところで8倍に増えていたということです。

周辺ではハスに代わって、砂地に生えるヨシが広がり始めていて、報告書では「人の力でハスの生育環境を復元し、群生地を取り戻すのは難しい」と結論づけています。

小林名誉教授は「人が手を加えると、水質の悪化や生態系のかく乱を起こしかねない。自然の力に任せながら、試験的な取り組みを少しずつ進めるべきだ」と話しています。

30年以上続いたハスの群生 去年途絶える

滋賀県草津市のびわ湖では毎年6月下旬から、湖面を埋め尽くすようにハスが育ち、全国各地から観光客が訪れる名所となっていました。

ハスの群生は35年ほど前から見られるようになり、年々数が増えて、おととしは30年前の2倍の13アールまで広がりました。ところが、去年は7月になってもハスがほとんど見られず、滋賀県草津市は専門家の意見を聞いたり、同じくハスが育たなくなった岐阜県海津市国営公園と連携したりして原因の調査を進めました。

当初は、カメやザリガニによる食害や病気なども考えられましたが、はっきりした原因はわからず、滋賀県草津市は去年10月、枯れたハスが湖の底に堆積し、土壌を酸欠状態にしたことが原因ではないかとする調査結果をまとめました。

一方で、草津市はハスを再生する方法を探るため、専門家にさらに詳しい調査を依頼していました。

http://www.kyoto-np.co.jp/environment/article/20170601000026/1

*1:だいたい、もっと開発する予定だったのが、頓挫してます…。