さすがは九州大学(誉めてない)、博物館に興味なし。

いやーさすがです。九州帝国大学箱崎キャンパスも旧制福岡高等学校の六本松キャンパスも売っぱらって金に替える九州大学。博物館だけが例外なわけがありません。その態度、一貫してブレてません。パチパチ。

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2017.6.28 07:04
九大総合研究博物館、資料・標本が散逸の危機 移転後の保存先決まらず 福岡

 九州大学箱崎キャンパス(福岡市東区)の総合研究博物館で保存する資料や標本が、散逸の危機にさらされている。キャンパスは平成30年度までに同市西区に移転するが、移転先で博物館の新設予定はなく、保存方法も決まっていない。数百万点に及ぶ資料には、希少なコレクションも多数含まれているだけに、関係者は強い危機感を抱く。(高瀬真由子)

 白亜紀アンモナイトの化石や、弥生時代を中心とした3千体以上の人骨、世界的学者が収集した鉱物や、新種の基準となった昆虫の標本。九大には、各分野の第一人者が収集し、研究に使われた資料が保存されている。

 九大は100年以上の歴史をもつだけに、蓄積した資料は膨大だ。増加を続けることもあって正確な点数は分からないが、把握できているものだけで750万点に上る。これらの資料を、総合研究博物館や各学部で管理する。

 博物館は平成12年、貴重な資料を、教育などに有効活用しようと、箱崎キャンパスに設置された。資料の一元管理を目的に、データベース化を進めた。さらに「開かれた大学」を実現しようと、研究成果を地域に公開する役割も担った。

 文部科学省の意向もあり、同様の博物館は九大以外の旧帝大にも設けられている。

 博物館のある箱崎キャンパスは30年度までに伊都キャンパスへ全面移転する。

 しかし、移転に際して、博物館や収蔵資料をどうするかは白紙状態だ。関係者によると、新たな保存施設を建設するにも、費用のめどが立っていないという。

 今後、大学内の検討委員会で対応を協議する。博物館側は、全学部の共有スペースを活用し、資料の一部を保存する案などを、選択肢の1つとしている。

 博物館のある担当教授は「温度や湿度管理を必要とするデリケートな資料も多い。仮置きであったとしても、きちんと保管できる場所でなければならない。調整は難航すると思う。移転は迫っているのに、お先真っ暗だ」と打ち明けた。

 九大には、日本昆虫学会や日本古生物学会など、複数の学会や機関から、資料を適切に保存するよう求める文書が届いた。いずれも資料の学術的価値の高さを指摘し、散逸を防ぐよう要望している。

 過去には、他の博物館に資料を譲るケースもあった。適切に管理できる団体に譲渡するのは一つの手段だが、「知の蓄積」が、九州外や海外に流出する結果も招きかねない。

 鉱物の展示を手掛けてきた同大大学院助教上原誠一郎氏(鉱物学)は「博物館には、鉱物を見学に、米国や日本各地の研究者が訪れる。資料は授業でも活用している。一度失うと二度と手に入らないものばかりで、散逸は絶対に防ぎたい」と語った。

 鉱物資料の中核は、明治から昭和期に、九大教授だった高(こう)壮吉氏が収集した。質・量ともに優れ、日本の三大鉱物標本に挙げられるという。

 学術的資料は、単に保存するだけでなく、系統立って収集・整理されているかが重要となる。今はほこりをかぶっていても、研究内容の変化によって、再評価されるケースもある。

 移転という一大プロジェクトの中で、貴重な資料を失ってはならない。

http://www.sankei.com/region/news/170628/rgn1706280013-n1.html

まあねえ、でも、九州大学当局からしたら、建物は要るし、維持経費は馬鹿にならないし、正直言って邪魔なんでしょう?

いやいや、体裁繕わなくてもええやないですか。わかってますって*1

ただ、これだけまとまった膨大なコレクションが貴重なことは、学問的心得があれば誰でもわかることでしょう。バラバラに散逸させるのはもったいない話です。

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ですから! 収蔵できる博物館の建物を提供し、研究運営にかかる経費や人件費を負担するのを条件に、引き取り先を大々的に募集してみたらいかがでしょう? 無償などと言わずに入札させて、いちばん高い値段を付けたところに落札させれば、キャンパスの土地売却益ほどではないかもしれませんが、多少の収入になるでしょう。

ただなあ、九州と言わず、国内の大学にはそんな体力のあるところ、ないかもしれませんねえ。でも、中国あたりの有力大学なら、手を上げるところはあるかもしれませんよ! 九大なら世界各国の名門大学とのコネもあるでしょうよ。

立派な大学に引き取られて貴重なコレクションとして大事にしてもらって、しかもそれが多少の現金収入になるのなら、躊躇う理由はどこにもないでしょう。

残念なことですけど、ま、しゃあないですよ。背に腹は代えられません。日本の大学は、そういう状況なんですから、切り売りして食いつなぐのが精一杯なんです。

きんしゃい・はかた 街は博物館/58 九州大学総合研究博物館
毎日新聞 2016年7月8日 西部朝刊

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偏光顕微鏡や精密てんびんなど貴重な展示物を前に「ぜひ一度来館を」とPRする岩永省三教授=福岡市東区箱崎6の九大総合研究博物館で、三嶋祐一郎撮

教科書で見たあの化石も

 化石や昆虫、考古遺物、古人骨などあらゆる分野の学術資料、標本など計約750万点を収蔵、保管する九州大学総合研究博物館。1911(明治44)年創設の旧九州帝大からの研究成果が集められ、国内の大学で最大規模を誇る。

 開館は2000年4月。貴重な資料を広く一般に公開しようと、九大が旧工学部本館3階に展示室を設けた。旧工学部本館は30(昭和5)年完工の近代洋風建築。当時の博多の街の話題をさらった、文化的、歴史的に九大を代表する建築物だ。ただ大学の伊都キャンパス(福岡市西区元岡)への移転に伴い、博物館もいずれ同キャンパスの新しい建物に移る予定だ

 フロアは常設展示と企画展示に分かれる。特に400万点を超える昆虫標本は世界的に有名。縄文期など3000体の古人骨も保管され、故高壮吉(こうそうきち)工学部教授が明治から昭和の初めにかけて世界中で集めた「高壮吉鉱物標本」は日本三大鉱物標本に挙げられるほどだ。資源保護で注目されるウナギとドジョウの生態や環境、文化などをまとめた企画展(17日まで)は子供も大人も引きつけられる。

 「はかた博物館」の立石武泰館長(64)も「博多の文化や歴史を紹介するため」ここで学芸員の資格を取得し、「教科書に載っていたアンモナイトや化石、土器など知の宝庫が都市部にあるとは」と感激した。夏休みには子供たちの姿も目立つといい、副館長で考古学が専門の岩永省三教授(60)は「九大の研究の成果を分かりやすく紹介し、教員も面白い企画展を考えています。ぜひ一度来館してみてください」と呼びかける。<文・写真 三嶋祐一郎>

 次回は黒田藩に伝承された柔術居合術をはじめ柔道を次代へ継ぐ道場「隻流館(せきりゅうかん)」を紹介します。

九州大学総合研究博物館

 福岡市東区箱崎6の10の1。九大が設置、運営。一般の閲覧可で入館無料。常設展のほか各学部、研究者らの趣向を凝らした企画展も人気。開館は平日のみで午前10時〜午後5時。

https://mainichi.jp/articles/20160708/ddp/012/040/008000c

*1:ついでに言えば、「箱崎ならいざ知らず、伊都キャンパスに博物館作ったところで、どれほどの見学客が来るかっちゅーねん」という懸念も理解できます。