釜山の日本総領事館前に徴用労働者像を設置しようという運動

ソウルの日本大使館と済州の日本総領事館の前に労働者像を設置しようという運動はもう報道済みですから、これでスリーカードが揃いました。

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というか、それ全部に労働者像が設置され、一度は挫折した済州の慰安婦少女像がリベンジ成功すれば、これはいわば一盃口ですね。完成すればちょっと嬉しいですけど、役としてはさほど高くありません。

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ちなみに、両者が並ぶ図は、仁川の富平公園で既に実現しています。今後、これがモデルとなっていくんでしょう。

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現時点では、全国各所での像の設置は少女像のほうがはるかに先行しています。後追いの労働者像は龍山駅などKORAILのターミナル駅のような独自の場所を開拓するとともに、日本大使館・日本総領事館前のように注目度の高い場所については、これから積極的に少女像に「抱きつき」に来るのかもしれません。労働組合としては合理的な選択ですが、挺対協サイドからはフリーライダーに見えるんではないでしょうか。きっと不快でしょうねえ。

また、自治体は自治体で、圧力に屈して少女像の設置をいちど黙認・追認してしまったところでは、後発の労働者像を拒みにくいだろうと思います(積極的に推進したところは言うに及びません)。なので、周囲とギクシャクしたり揉めたりすることはありつつも、この運動を止めるのはなかなか難しいような気がしますよ。

釜山日本総領事館に新たな火種 徴用工像設置の動きに悩める自治体
2017/09/17 09:27

【釜山聯合ニュース】旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」が設置された釜山の日本総領事前に韓国の労働組合組織が植民地時代に強制徴用された労働者を象徴する像を設置する動きを見せており、同地域を管轄する釜山市の東区庁が対応に頭を悩ませている。

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8月12日、ソウル・竜山駅の広場で徴用工像の除幕式が開かれた=(聯合ニュース

 全国民主労働組合総連盟(民主労総)の釜山地域本部は日本領事館前で18日に記者会見を開き、日本による強制徴用に対し、日本政府の公式な謝罪と賠償を求める予定だ。また、募金活動などを開始し、来年5月1日に日本総領事館前に労働者像を設置する計画を発表する。

 釜山の日本総領事館を巡っては、昨年末に市民団体が総領事館前に少女像を設置。これに反発した日本政府が駐韓大使らを一時帰国させる措置を取るなど、両国の外交摩擦の中心になっている。ここに民主労総が新たに労働者像を設置すれば、落ち着きを取り戻しつつある両国関係が再び悪化する可能性が高い。

 同地域の道路や歩道を管理する東区庁も対応に頭を悩ませている。

 東区庁は当初、市民団体が設置した少女像を違法として強制撤去したものの、世論の反発を招き、像の設置を黙認した。

 その後、少女像を見張る防犯カメラを設置するなど、像の管理を行っているが、厳密に言えば少女像の設置は道路交通法に違反するとの矛盾した立場を取っている。

 東区庁としては、法的に労働者像の設置は許可することも黙認することもできないが、そのような立場を明らかにした場合、少女像が設置された当初のように世論の反発を招く可能性がある。

 朴三碩(パク・サムソク)東区庁長は「法規定を根拠に労働者像の設置に反対することも、地方自治体が法を無視して認めることもできない立場」とし、「民主労総から協議の要請があれば話を聞いて判断し、代案も模索してみる」と話した。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/09/15/0200000000AJP20170915004700882.HTML

釜山日本総領事館前に徴用労働者像を 韓国団体が運動開始
2017/09/18 14:47

【釜山聯合ニュース】韓国労働組合の二大中央組織の一つ、全国民主労働組合総連盟(民主労総)の釜山地域本部は18日、釜山の日本総領事館前で記者会見を開き、日本による植民地時代に強制徴用された労働者に対する日本政府の公式謝罪と賠償を求めるとともに、労働者を象徴する像を総領事館前に設置するための運動を始めた。

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少女像のそばに設置された労働者像のレプリカ=18日、釜山(聯合ニュース

 民主労総は「70年以上あまり知られていなかった強制徴用問題を今からでも伝え、歴史を正すという側面から日本政府の公式謝罪と賠償を受けたい」と表明。9歳だった1939年に父親と共に端島炭坑軍艦島長崎市)に強制徴用されたク・ヨンチョルさんは「大勢の強制徴用者が大豆油を搾り取った後に残ったかすを食べながら毎日長時間、炭鉱で悲惨に働き、暴行を受けた」と振り返った。

 民主労総は労働者像設置のための特別委員会を構成し、募金と署名運動を展開する方針だ。

 18日から100日間、総領事館前に建てられている旧日本軍の慰安婦被害者を象徴する「平和の少女像」のそばに労働者像のレプリカを設置して「1人デモ」を行い、少女像が設置されてから1年となる12月28日に労働者像設立宣言大会を、来年のメーデー(5月1日)に像の除幕式を行う計画だ。

 民主労総は少女像そばへの労働者像設置を強行する方針を示しており、管轄自治体との対立が予想される。

 民主労総は昨年8月、植民地時代に約3000人が強制徴用された京都市の旧丹波マンガン鉱山付近に労働者像を建て、今年8月にはソウル市の竜山駅と仁川市の富平公園にそれぞれ労働者像を設置した。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2017/09/18/0200000000AJP20170918001900882.HTML

ただねえ、この運動がいくら進展しても、問題の何がどうなるというわけではないんですけどねえ。なかなか。

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