小中学校の教育環境ブラック

※画像はイメージです。

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この記事、神戸新聞兵庫県内の公立小中学校のことを書いていますけど、これが兵庫県内に限った問題ではないことは、既に見てきました。

九州各地などの地域に比べて、神戸市には「それでも働きたい」という人がまだ少なからずいるのだと思います。しかし、ここにあるような劣悪な待遇と条件で踏みとどまっていた人が耐えきれなくなって退出するとき、「教員不足」は始まるのです。

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人手が足りなくなっても同じように劣悪な条件しか提示できないような職場に、誰が好き好んで行くものですか。

017/9/21 06:00 神戸新聞NEXT
ブラック企業並み」小中校臨時教員、格差に悲鳴

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神戸新聞NEXT

 教員の働き方改革が叫ばれる中、非正規で働く公立小中学校の「臨時教員」の労働実態や待遇が問題になっている。正規教員と同様に担任や学年主任、部活顧問を任され、1カ月の時間外が100時間を超えることも。その一方で短期雇用が繰り返され、正規教員と同じ仕事をしても賃金が低いなど処遇に差がある。「働き方は“ブラック企業”並み」「いつ解雇されるか不安」-。兵庫県内の現場からは悲痛な声が上がる。(末永陽子)

 「(労働環境が)こんなにひどいとは…」

 30代女性は約10年、県内の小学校で臨時教員として働いてきた。

 午前7時すぎに登校し、帰宅は午後9時すぎ。学年主任を任された年は、残業が月100時間を超えたこともあった。新人の指導係を頼まれ、指導計画やテスト作成などを自宅に持ち帰ってこなした。だが、給与は正規の7割に届かず、昇給の見通しもなかった。

 今夏、出産を理由に休業した。正規は数年間の産休・育休が認められるが、非正規は休むしかない。児童からもらった「元気な赤ちゃんを産んで、また帰ってきて」とのメッセージに心が揺れる。「教え子の成長だけが支えだった。でも、有休も少ない中、子育てしながら続けられるかどうか…」

 3年ほど前から非正規として働く女性は、会議では意見を言わない。行事や授業の問題点や改善策が浮かんでも「1年で替わるので提案しても意味がない気がして」とため息をつく。採用試験を受けようと思ったこともあったが、出題傾向は毎年変わり、休日は残業や子育てに追われる。

 臨時教員が「裏」と呼ばれていることにもがくぜんとした。「表あっての裏やからね」と、面と向かって言う正規教員もいた。それでも頼まれた仕事は積極的に引き受ける。「やっかいな人だと思われて次の採用に影響が出ても困るから」

 県内の小学校で担任をしている30代の男性も非正規教員の一人。半年ごとに契約を更新しながら同じ学校に3年以上勤務する。

 臨時教員の場合、雇用期間が最長1年と定められ、契約の前後に1~2日の“空白期間”を設けて採用を続けることが多い。9月1日、新学期の初日。厳密にいうと失職中だが、朝から出勤した。

 採用試験に合格していないこともあり、非正規と知った保護者から批判を受けたこともある。「非正規」という立場に甘えてやる気のない同僚もいたが、自分には失職中も家庭訪問や資料作成を行ってきたという自負がある。働いて10年以上。基本給はほとんど変わっていない。「現場での態度や指導力を少しでも待遇に反映できる制度があれば、非正規の士気も上がるのに」と訴える。

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201709/0010572937.shtml

2017/9/21 06:10 神戸新聞NEXT
公立小中校臨時教員の給与 正規の5~8割

 文部科学省の調査では、全国の公立小中学校の「臨時的教員」は4万人以上いるとされる。兵庫県教育委員会と神戸市教委によると、2017年度は県内で2246人が勤務。特に育児休業の取得者が急増している神戸市は増加傾向にある。

 臨時教員は教員免許を取得しているが、教育委員会の採用試験に合格していない。待遇は自治体によって異なるが、給与は正規教員の5~8割程度といわれている。

 連続雇用が禁止され、月末や学期末に1~2日の“空白期間”を設けて採用を続けるケースも多い。一方、日本教職員組合の調査で、非正規教員の3人に1人が「空白期間」の失職中も仕事をしていた。

 兵庫県内のある小学校幹部によると、空白期間を設けて採用する方法は県内でも常態化。少子化で子どもの数が減り続けることを前提に、正規の採用を抑え、期限付きの非正規に頼っているのが現状という。幹部は「臨時教員の情熱や使命感に甘えてしまっているのが現状。教師のモチベーションを上げ、教育の質を平等に保つためにも、抜本的な改革が必要なのだが…」と語った。(末永陽子)

https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201709/0010572935.shtml

何度でも言いますが、正規の採用を抑え、期限付きの非正規に頼るのであれば、そこではせめて同一労働同一賃金の原則を徹底させるのが当然でしょう。情熱や使命感「に甘えている」のではなくて、情熱や使命感「を搾取している」のだとハッキリ言うべきです。

韓国の「熱情ペイ」は主に就職希望の若者が対象になっていますけど、日本のこれは働き盛りであるべき年代を搾取してるわけですから、ある意味さらに質が悪いとも言えます。

www.kpedia.jp

しかしまあ、何ですねえ、「ブラック企業並み」と言えば「それでもまだブラックとまでは言いきれない」といった含みが感じとれるのですが、これ、労働環境としては紛れもなく「ブラック」ですからね。「ブラック企業大賞」で何かの賞をいつ貰っても不思議ではないと思っています。

blackcorpaward.blogspot.jp