小中学校の教員不足:足りないのに改善しないから足りない。

何度も何度も言った気がしますけど。

臨時講師はあくまで「臨時」であって、常勤でやるべき仕事は常勤で、専任でやるべき仕事は専任でやるべきなんですよ。例えば担任のような日常的業務に穴が開くようであれば、正規の教員を増やし、待遇を改善する方向にしか解決策はありません。それを避けてる(そしてやろうとしても簡単にはできない)から、問題は解決しないんですよ。

「(正規教員ではなく)臨時教員の争奪戦をしてる」ってのは、そういうことです。「教員を使い捨てにしない覚悟」が、ないんですよ。そんな境遇にとどまっていたいと思う人間が、どれだけいるというんでしょうか。おまけに目指すべき正規教員の待遇や勤務状況も、アレですしねえ。

最後まで読んでも、出てくるのはため息と現場へのシワ寄せばかりでした。いつどこで崩壊が始まってもおかしくない状況ではないですか?

67教委調査 小中教員不足357人 非正規頼み困難に
毎日新聞2017年11月28日 06時45分(最終更新 11月28日 06時45分)

 全国の公立小中学校で定数に対する教員の不足が、今年度当初に少なくとも357人に上ったことが、都道府県と政令市の67教育委員会への取材で分かった。団塊世代が大量退職した後も教員採用は抑制気味で、OBを含む臨時講師や非常勤講師など非正規教員の比重が高まっているが、その臨時講師が減っていることが影響しているとみられる。

 取材に、52教委が欠員を補充できなかったり、補充が遅れたりしていると回答。うち24教委は今年4~5月の不足数を明らかにし、合計すると357人だった。それ以外の教委は「不足数はゼロ」か「数をまとめていない」とした。

 52教委の回答を総合すると、年度当初は不足数ゼロでも途中で病気休職する教員が出ると、予測できないだけに産休や育休以上に補充が難しい。2010年以降、団塊世代の教員が相次いで退職したが、これを機に今まで採用試験に通らずに臨時講師として登録していた教員志望者の多くが採用され、臨時講師が不足する現状につながっている。

 文部科学省によると、公立小中学校の教員採用数は00年度から増加傾向だが、大量退職分を完全に埋めてはおらず抑制気味だ。同省関係者は「各教委は少子化で将来的に教員が余る可能性があるとみており、欠員対応は非正規に頼りたいと考えているようだ」と言う。さらに、近年の好景気で民間企業を志す大学生が増え、教員志望者数自体が低下傾向であることも拍車をかけている。同省によると、小学校教員の倍率はここ10年で4.6倍から3.6倍に、中学校は9.8倍から7.1倍に下がった。

 不足数を29人とした北海道は「(定員を)埋められない状況が増えている」▽13人とした大阪市は「臨時講師登録の状況は変わっていないが、病気休職が増えている」--などと回答した。【渡辺暢】

https://mainichi.jp/articles/20171128/k00/00m/040/182000c

小中教員不足 「担任すら決まらず」自治体間で講師争奪
毎日新聞2017年11月28日 06時50分(最終更新 11月28日 06時50分)

 各地の小中学校で教員不足が広がっている状況が、都道府県と政令市の67教育委員会を対象にした毎日新聞の調査で浮かんだ。定数からの不足数は今年度当初の時点で少なくとも357人。学校現場からは人手不足と過重労働への悲鳴が聞こえてくる。【渡辺暢】

 「担任が決まらない教室すらある中、現場は疲弊している」。福岡県教組の本村隆幸書記長はため息をつく。大量退職後、教員は若返りが進んだが、その分、産休や育休の取得者が増えている。同県では5月1日現在、政令市の福岡、北九州両市を除いて29人が不足。公立幼稚園教諭や大学生が臨時免許を得て教壇に立つなど苦肉の策で対応してきた。

 政令市を抱える県内では「県、政令市」と複数にまたがって臨時講師登録する人も多い。「補充のため声を掛けたら、既に他の自治体で働き始めていた」といったケースも珍しくなく、自治体間で「講師の争奪戦」(福岡市教委担当者)が起きているといわれる。

 欠員補充については「教務主任でカバー」(群馬県)や「退職者に声を掛ける」(長崎県)など、各教委が頭を悩ませる。教科ごとに免許が異なる中学校では、技術・家庭科などで欠員が出た場合の補充が難しく、教員1人に複数の学校で授業してもらうこともあるという。

 全教千葉教職員組合の寺田勝弘書記長は教員不足は児童・生徒にも影響すると指摘する。「欠員をカバーするための過重労働で、休職につながる悪循環もあり、子どもたちとの信頼関係も築けない」

 本紙の調査では、大量退職後も多くの教委で正規採用を抑えがちだった。少子化による将来的な教員過剰や大量退職が繰り返されることを懸念したためとみられるが、寺田書記長は「臨時講師と正規教員で待遇に大きな差がある自治体もあり、臨時講師が集まらないことは明らかだ」と批判。「少人数学級を進める議論も行われており、正規採用を増やしても大きな問題にならない」と強調する。

 文部科学省初等中等教育局の担当者は「教員志望者の減少と地域偏在がネックだ。要因も複雑で(教員不足の解消に向けた)対策は難しい」としている。

学力に影響も

 増田修治・白梅学園大教授(教師教育論)の話 数字は氷山の一角だろう。年度途中になれば、定員からの不足は東京都内だけでも3桁に上るとみている。代替講師がいないのは、正規教員を減らしてきたつけだ。欠員状態が続けば子供たちの学力にも影響が出る。都道府県も市町村も解決に取り組む姿勢が必要だ。

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都道府県と政令市の教員「不足」数

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各地の小中学校で教壇に立つ教員の不足が進む中、現場は対応に苦慮する

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臨時講師が不足する仕組み

https://mainichi.jp/articles/20171128/k00/00m/040/183000c