京都木屋町・旧立誠小学校の新たな活用策

ああ、あそこですか。高瀬川沿いに風情ある建物を残し、いろいろ活用を試みられていたところですね。

http://www.rissei.org/
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この企画自体の趣旨としては、保存ではなく、風営法に基づく周辺の風俗店対策が前に出てきています。複合施設完成後の姿はどうなるのか、これだけではちょっとわかりません。

とは言え、国際マンガミュージアムで小学校の跡地や建物を活用・再生した経験を持っている京都市なので、そのノウハウが生かされた再開発になることを期待しています。

龍池小学校について | 京都国際マンガミュージアム
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京都・木屋町 小学校跡地にミニ図書館 風俗店ブロック
毎日新聞 2018年4月10日 13時30分(最終更新 4月10日 14時18分)

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高瀬川に面した仮設建物の1階に設けられた「立誠図書館」=京都市中京区で2018年4月5日、川平愛撮影

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旧立誠小学校の敷地の北東の角に設けられた図書閲覧スペース=京都市中京区で2018年4月5日、川平愛撮影

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立誠図書館の地図

 京都市の繁華街・木屋町にあり、1993年に閉校した市立立誠(りっせい)小学校(同市中京区)の跡地に今月、地域住民らが小さな図書館をオープンさせた。観光客らへ情報発信を目指すとともに、周辺の風俗営業の規制がもう一つの狙いだ。規制範囲を最大にするため、歩道に面した敷地の隅に「飛び地」の閲覧スペースも設けた。住民主体の街づくりの試みとして注目される。【国本ようこ】

 住民らでつくる一般社団法人「文(ぶん)まち」=山本国三理事長(78)=が新設した「立誠図書館」。旧立誠小は古都の風情を伝える高瀬川沿いにあり、旧校舎は昭和初期の建築。図書館は旧校舎南側の仮設建物1階に入っている。

 街歩きなど「京都歩きの本棚」▽地域の歴史に関する「立誠小学校DNAの本棚」▽食をテーマにした「食べる本棚」--に分けて計約500冊が並び、約30席の閲覧席は誰でも利用可。カフェも併設し、川面を眺めてゆったり本が読める。

 一帯は京都随一の繁華街で、住民らは夜間の風紀の乱れに頭を悩ませてきた。歯止めは学校や図書館から200メートルの範囲で性風俗店やラブホテルなどの新規出店を禁じた風俗営業法だ。立誠小の閉校後に規制が外れて性風俗店が増え、2005年から住民の要望で市は敷地を市立高倉小(中京区)の第2教育施設として使い、規制を復活させた。

 ところが、小学校跡地に複合文化施設「ザ・ゲート立誠京都」(仮称、20年完成)を造ることになり、状況が変わった。市が今月から東京の不動産会社に敷地を貸し、規制が外れる事態になったためだ。自治会、市、不動産会社が知恵を絞った結果が、図書館を造って規制を続けるアイデアで、設置費用を会社が負担して実現にこぎ着けた。

 図書館は、仮設建物の約70平方メートルのほか、敷地の北東、北西、南西の角にも閲覧場所「図書館ボックス」を設けた。歩道に面して小さな書架、椅子が数脚あり、歩行者が自由に本を手に取れる。敷地の角を図書館とみなすことで、従来の学校敷地と同様の規制範囲を保てる。複合施設の完成後も図書館は存続する予定だ。

 この地域で街づくりに関わってきた石原一彦・立命館大教授は「廃校を拠点に住民が街のイメージや治安を自ら守る活動は全国的にも珍しい。繁華街に保存された校舎が地域のシンボルとなり、住民の活動が続いてきた」と指摘する。山本理事長は「可愛らしい図書館だが、皆さんにふらりと立ち寄ってもらいたい」と期待した。

 開館時間は午前11時~午後8時。不定休。本の貸し出しはしていない。問い合わせは立誠図書館。

https://mainichi.jp/articles/20180410/k00/00e/040/241000c