日大フェニックスのラフプレー問題:日大選手の記者会見

所用で会見の中継は見ることができなかったのですが、ネットで流れてくる情報を拾っているだけでも、胸が苦しくなりました。

その場に立つ辛さもさることながら、そこに至るまでの経緯の辛さを思うと、ふさわしい言葉がちょっと思いつきません。

2018/5/22 16:43神戸新聞NEXT
日大選手 陳述書全文

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報道陣に囲まれ質問に答える日本大学アメリカンフットボール部の宮川泰介さん(壇上左)=22日午後、東京・日本記者クラブ(撮影・勝沼直子)

 アメリカンフットボールの定期戦で日本大の選手が悪質な反則行為で関西学院大の選手を負傷させた問題で、日本大の選手が22日午後、東京都内で会見した。会見後、会場で日大選手の「陳述書」が配布された。

 全文は次の通り。

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陳述書

1 はじめに

 平成30年5月6日に調布市アミノバイタルフィールドで開催された日本大学アメリカンフットボール部(以下「日大アメフト部」といいます。)と関西学院大学アメリカンフットボール部(以下「関学アメフト部」といいます。)との定期戦において、私が関学アメフト部のクオーターバックの選手に対してタックルをして怪我をさせてしまった件(以下「本件」といいます。)について、述べさせていただきます。

 最初に、本件で怪我をさせてしまった関学アメフト部のクオーターバックの選手及びそのご家族、関学アメフト部及び関西学院大学関係者の皆様並びに日大アメフト部のチームメイトに対し、この度のことでご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。

 ただ、本件は、私の独断で行ったことではありません。以下に、本件の経緯を詳しく述べることにします。

2 5月3日

 今年度の試合は、本件までに、4月22日、同月29日の2回行われています。そのいずれについても、私はスターティングメンバーで出場しました。

 5月3日の実戦形式の練習でプレーが悪かったということでコーチから練習を外されました。これまで同じようなことはありませんでしたが、このころは、監督、コーチから「やる気が足りない。闘志が足りない。」という指摘を受けるようになっていたので、このプレーをきっかけに外されたのだと思います。その後全体のハドルの中で監督から、「宮川なんかはやる気があるのか無いのかわからないので、そういう奴は試合に出さない。辞めていい。」。井上コーチからは「お前が変わらない限り、練習にも試合にも出さない。」と言われました。

3 5月4日

 練習前に監督から「日本代表にいっちゃダメだよ。」と、当時選抜されていた今年6月に中国で開催される第3回アメリカンフットボール大学世界選手権大会の日本代表を辞退するように言われました。監督に理由を確認することはとてもできず、「わかりました。」と答えました。

 この日は今年度初めて全体で行うディフェンスインディーの日でした。未経験の1年生がいたので、副キャプテンがタックルをして私が受けるかたちでメニューをやってみせるために私がダミーを持ちました。すると、コーチから「なぜ最初にダミーを持つんだ。」と言われてグラウンド10周走らされました。「その日の実戦練習は、練習前に井上コーチに確認したところ「宮川は出さない。」と言われて外されました。

4 5月5日

 この日も実戦練習は外されました。

 練習後、井上コーチから「監督に、お前をどうしたら試合に出せるか聞いたら、相手のQBを1プレー目で潰せば出してやると言われた。『QBを潰しに行くんで僕を使ってください。』と監督に言いに行け。」と言われました。続けて井上コーチから「相手のQBと知り合いなのか。」、「関学との定期戦が無くなってもいいだろう。」、「相手のQBが怪我をして秋の試合に出られなかったらこっちの得だろう」、「これは本当にやらなくてはいけないぞ。」と念を押され、髪型を坊主にしてこいと指示されました。ポジションの先輩■■から、井上コーチに「宮川に『アラインはどこでもいいから、1プレ一目からQBを潰せ』と言っとけ。」と言われた旨を告げられました。

 相手を潰すくらいの強い気持ちでやってこいという意味ではなく、本当にやらなくてはいけないのだと追い詰められて悩みました。

5 5月6日(本件当日)

(1)いろいろ悩みましたが、これからの大学でのフットボールにおいてここでやらなければ後が無いと思って試合会場に向かいました。

 試合のメンバー表に私の名前はありませんでした。その後の試合前のポジション練習時に井上コーチに確認したところ、「今行ってこい」と言われたので、私は、監督に対して直接「相手のQBを潰しに行くんで使ってください。」と伝えました。

 監督からは「やらなきゃ意味ないよ」と言われました。

 戻った私は、井上コーチに、監督と話しをしたこと、監督から「やらなきゃ意味ないよ」と言われたことを伝え、さらに、井上コーチに対して「リード(DLの本来のプレーのこと)をしないでQBに突っ込みますよ。」と確認しました。井上コーチからは「思い切りいってこい。」と言われました。このことは、同じポジションの人間は聞いていたと思います。

 「その後、試合前の整列の時に、井上コーチが近づいてきて「できませんでしたじゃ、すまされないぞ。わかってるな。」と念を押されました。

(2)本件直後は、何も考えられない状態でした。そのため相手のQBが怪我をして代ったことにも気づいていませんでした。普段の試合で、こんなことはあり得ません。

 本件で問題になっている1プレー目の反則行為の後、2プレー目が終わり、コーチに呼ばれてサイドラインに戻った時に、井上コーチから「キャリア(ボールを持っている選手)に行け」と言われましたが、散々「QBを潰せ」と指示をされていたので、井上コーチの発言の意味が理解できず、再びパスをしてボールを持っていない状態の相手チームのQBにタックルをして倒し、2回目の反則をとられました。

 3回目の反則は、相手に引っ張られて尻餅をついた後、相手のオフェンスの方に行こうとした際に、正面から向かってきた相手選手を突いた行為に対して取られました。この反則は、普段から「相手が掴んできてもおとなしすぎる」などとコーチらから指摘されていましたし、「やる気がない」として外されていたので、むかってきた相手選手にやられっぱなしにできないと思って、意識的に行った行為でした。

 退場になりテントに戻った後、ことの重大さに気づき泣いていたところを井上コーチに見られていました。 

(3)試合後、スタメンと4年生が集められたハドルの時に、監督から「こいつのは自分がやらせた。こいつが成長してくれるんならそれでいい。相手のことを考える必要はない。」という話がありました。

 その後、着替えて全員が集まるハドルでも、監督から「周りに聞かれたら、俺がやらせたんだと言え。」という話がありました。

 「井上コーチからは、私が退場になった後、■■というDLの上級生リーダーが、私に相手QBに怪我させる役割をさせたことを済まなく思って、「自分にもやらせてほしい」と申し出たという話を紹介して、「■■は自分にもやらせてくれと言ったぞ。お前にそれが言えるのか。」「お前のそういうところが足りないと言っているんだ。」と言われ、退場後に泣いていたことについても「優しすぎるところがダメなんだ。相手に悪いと思ったんやろ。」と責められました。さらに気持ちを追い詰められました。

6 5月8日

(1)井上コーチから午後5時ころにグランドに呼び出されました。私がグランドのクラブハウスで待っていると先輩が来て、私の様子を心配してくれました。先輩に「もうアメフトをやりたくない。」と伝えると、先輩も「そうだよな」 と応じてくれました。その後、学生のスタッフが来て、監督が待っているコーチ部屋に行くように言われました。

(2)当初、コーチ部屋には監督ひとりでした。

 私と監督が話し始めると、遅れて井上コーチと鈴木コーチが来て監督との話しを聞いていました。

 私が監督に対し、「もうフットボールをやりたくない。」と言うと、監督は、「お前の罰はあの時、罰退になってるから、お前の処罰は終わってるんだからいい。」「世間は監督を叩きたいだけで、お前じゃない。気にするな。」と言われました。

 その後、監督は練習に出て行ったので、井上コーチと鈴木コーチの3人で話すようになりました。当然、二人のコーチからは事実関係の確認は無く、「お前が辞める必要はないだろう」「むこうとの試合がなくなろうと別にいいだろう。」というような話をして、退部を申し出た私を引き留めようとしてきまし た。しかし、私としては、あんなプレーをしてアメフトを続けるということはとても考えられませんでした。

 結局、その日は、監督やコーチ、先輩たちと、7時間程度クラブハウス等で話をしました。

7 5月9日

森ヘッドコーチから三軒茶屋のキャンパスに呼び出されて、「やめるべきじゃない。フットボールで返していくしかない。」「監督が厳しくいったことをそのままお前に伝えたコーチに責任がある。」と言われました。

8 その後

(1) 5月11日、前日の謝罪文公表を受けて、こちらから井上コーチに連絡をして、本部にある監督の部屋で、監督と井上コーチ、私と両親で面会しました。

 父から「個人的にでも相手方選手と家族に謝りに行きたい。」と申し入れたところ、監督から「今はやめてほしい」と言われました。

 父から、「監督・コーチから選手に対して対戦校のQBに怪我を負わせろと指示を出し、選手はそれに従っただけ」である旨の公表を求め、そのメモを先方に渡しましたが、「公表できない」と拒絶されました。

 面会のあと、井上コーチから父に連絡があり、理由の説明もなく「関学アメフト部の監督に謝りに行く。」と言われました。父がアポイントを取って欲しい旨を求め、アポイントを取ろうとしたようですが、先方から断られたと連絡がありました。しかし、夜中に再度井上コーチから父に連絡があり、「謝りに行く、息子さんを行かせて下さい。」と言われて、関西学院大学に行くことになりました。

(2)5月12日、謝罪のために私と井上コーチと関西学院大学を訪れましたが、再度先方から面会を拒絶されたため、関学アメフト部の監督にお会いすることはできませんでした。

(3)5月14日、井上コーチから父に連絡があり「三軒茶屋のキャンパスに来て欲しい。」と呼び出され、父と二人で訪問しました。■■■■■■

 その日は、その後、私と父が、関東学生アメリカンフットボール連盟の規律委員会で聞き取り調査を受けました。

(4)5月16日、私は日本大学本部の体育局に、チームの幹部とともに呼ばれましたが、先方がどう出てくるかわからない不安が強く、体調もよくなかったため、私は行きませんでした。

(5)5月18日に、私と父で関学アメフト部クオーターバックの選手及びご両親を訪問し、直接謝罪の意を伝えました。

9 最後に

本件は、たとえ監督やコーチに指示されたとしても、私自身が「やらない」という判断をできずに、指示に従って反則行為をしてしまったことが原因であり、その結果、相手選手に卑劣な行為で怪我を負わせてしまったことについて、退場になった後から今まで、思い悩み、反省してきました。そして、事実を明らかにすることが、償いの第1歩だとして決意して、この陳述書を書きました。

 相手選手、そのご家族、関西学院大学アメリカンフットボール部はもちろん、私の行為によって大きなご迷惑をお掛けした関係者の皆様に、改めて深くお詫び申し上げます。

以上

平成30年5月21日

住所■■

氏名■■

※■は人名など非公開部分

https://kobe-np.co.jp/news/sports/201805/0011281079.shtml

日本大広報部コメント全文
2018/5/22 22:22

 22日の日本大選手の記者会見を受けて、同日夜に日大広報部が発表したコメント全文は以下の通り。

アメリカンフットボール部・宮川選手の会見について

2018年5月22日

 本日、本学アメリカンフットボール部の宮川泰介選手が、関西学院大学フットボール部との定期戦でルール違反のタックルをし、相手選手にけがを負わせた件につきまして、心境を吐露する会見を行いました。厳しい状況にありながら、あえて会見を行われた気持ちを察するに、心痛む思いです。本学といたしまして、大変申し訳なく思います。

 会見全体において、監督が違反プレーを指示したという発言はありませんでしたが、コーチから「1プレー目で(相手の)QBをつぶせ」という言葉があったということは事実です。ただ、これは本学フットボール部においてゲーム前によく使う言葉で、「最初のプレーから思い切って当たれ」という意味です。誤解を招いたとすれば、言葉足らずであったと心苦しく思います。

 また、宮川選手が会見で話されたとおり、本人と監督は話す機会がほとんどない状況でありました。宮川選手と監督・コーチとのコミュニケーションが不足していたことにつきまして、反省いたしております。

日本大学広報部)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30837230S8A520C1CC1000/

ここまで注目されたがゆえに、会見とそれを受けた現時点での論点は各種報道などですでに出尽くしていると思われます。次は日大サイドの対応です。今の路線をあくまで押し通すならそれもよし(どうなっても知らん)、途中で折れるとしたらどこでどこまで折れるのか、今回以上に注目されるはずです。

アメフット 再三圧迫、追い込まれ 日大選手が実名で証言
毎日新聞2018年5月22日 21時59分(最終更新 5月23日 00時06分)

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多くの取材陣が詰めかけた会見場=東京都千代田区で2018年5月22日午後3時11分、小座野容斉撮影

 東京都内の日本記者クラブで22日にあった日本大アメリカンフットボール部3年生の宮川泰介選手(20)の記者会見では関西学院大の選手を負傷させた悪質なタックルに及ぶまでの心理が生々しく語られた。「やらなければ後がないと思った」。内田正人前監督(62)=19日付で辞任=らは選手を定位置から意図的に外し、厳しい言葉で追い込んだ。20歳の若者は謝罪のため、悲壮な覚悟で実名と顔を公表した。真相をあいまいにしてきた大学と指導者の責任は重い。【松本晃、倉沢仁志】

 関学大との定期戦(6日、東京都調布市)での悪質なタックルはソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で映像が拡散した。プレーが終わっても、日大選手がボールの動きを無視してQB(クオーターバック)を追い回す衝撃の光景は、こんなやり取りから生まれた。「リード(ボールを追う動き)をしないで、QBに突っ込みますよ」。日大選手が試合前に確認すると、井上奨コーチからはこう念を押された。「できませんでしたじゃ、すまされないぞ」

 フェアプレーを逸脱した行為のきっかけは試合の3日前だった。「闘志が足りない」とコーチから練習を外された。大学生の日本代表の辞退も申し渡された。頭の丸刈りも命じられ、試合前日に井上コーチから今回の核心が伝えられた。「監督にお前をどうしたら試合に出せるか聞いたら、相手のQBを1プレー目で潰せば出してやると言われた」。「潰す」は乱暴な言葉だが日大に限らず、アメフット界で激しいプレーをするときに使う。だが、井上コーチの一言は心に刺さった。「相手のQBがけがをしたらこっちの得だろ」。日大選手は相手に厳しいタックルを浴びせることではなく「けがをさせる意味と認識した」と振り返る。

 「何も考えられない状態だった」と追い込まれた。関学大選手の負傷退場を重く見たのだろう。井上コーチは悪質タックルのあと「キャリアー(ボールを持った選手)に行け」と表現を和らげたが、日大選手は「散々QBを潰せと指示されたので理解できなかった」と歯止めがかからずに反則を繰り返した。

 今回明らかになった経緯で内田前監督が選手に直接言ったのは「やらなきゃ意味ないよ」だけだ。日大はコーチや上級生が監督の意向をくんで動く。日大OBによると、内田前監督が日大本部の人事担当常務理事の要職についてからは、その傾向がより強まった。

 日大選手は反則行為を後悔し、退場となった直後にベンチに戻って泣いた。その姿に井上コーチは「優しすぎるところがダメなんだ」と突き放した。期待する選手に負荷をかけて成長させるのも日大のやり方だが、正常な判断を失わせるほど追い込むことが人格形成を目的にした大学スポーツの姿だろうか。日大選手は「厳しい環境に身を置き、徐々にアメフットが好きではなくなった」と打ち明けた。

日大、訴え取り合わず

 実名を公表した記者会見は、大学側の対応が後手だったことへの日大選手と、その父の危機感だった。代理人は父が15日に「このままでは本人が勝手に突っ込んでけがをさせたことになってしまう」と初めて相談に訪れた心境を明らかにした。

 10日に関学大が日大に申し入れ書を送った翌日の11日に選手は両親と内田前監督を訪ね、個人として負傷した選手に直接謝罪する意向を伝えた。しかし、内田前監督から「今はやめてほしい」と止められた。指示に従ったことを公表するよう求めても、拒絶された。

 その後も日大はアメフット部としては事情を聞かず、関学大に対して、15日付で「指導方針はルールに基づいた『厳しさ』であり、指導者による指導と選手の受け取り方に乖離(かいり)が起きた」と書面で回答。原因は選手の意思だとの見解を示した。内田前監督が関学大の関係者に謝罪し、騒動後、初めて取材に応じたのは試合から約2週間後の19日だった。そこでも「文書を出す」と言及を避けた。

 関学大選手から警察に被害届が提出され、大学もアメフット部も守ってくれないことを悟ったうえでの会見だった。記者会見で日大選手は前監督らへの思いを問われ「指示だったと、最初から(表に)出してほしいという気持ちはあった」と、沈黙の後、はっきりとした口調で答えた。

 日大は22日に発表した文書で指示そのものは認めたが反則に至った経緯は「誤解を招いたとすれば、言葉足らずであったと心苦しく思います」と従来の主張を踏襲した。大学は幹部職員を守るためにあるのか、学生のためにあるのか。教育機関の姿勢が問われる。

監督らの刑事責任「可能性ある」

 日大選手が犯した悪質な反則タックルを巡って、前監督やコーチは刑事責任を問われることになるのか。

 元東京地検公安部検事の落合洋司弁護士は「タックルをした選手の陳述書を見ると、監督やコーチが傷害罪の共犯に問われる可能性は十分ある」と指摘する。落合弁護士は「選手の話だけで事実の認定はできない」としつつも、「選手が監督やコーチに逆らえない強い主従関係があったことは明らかだろう。監督が試合後も選手をとがめていない点からも問題のタックルを肯定していたと受け取れるし、前後の文脈から『潰せ』との指示に相手にけがをさせる趣旨があったと解せる」と話した。

 元東京地検特捜部検事の高井康行弁護士は、「相手を潰せ」と指示されたとの証言について「捜査ではそれがどういう趣旨だったのかを明らかにする必要がある。仮にルールを破ってでもけがをさせろという趣旨だったのであれば、傷害罪の教唆に問われる可能性はある」と指摘。ただ「潰すくらいの気持ちでやれという趣旨だったと監督らに弁明されてしまえば、立件は難しくなるのではないか」との見方を示した。【春増翔太】

https://mainichi.jp/articles/20180523/k00/00m/050/148000c

2018.05.22.
日大広報「法人としてお話しすることはない」日大選手が監督指示認める会見するも…

 アメリカンフットボールの定期戦で、日大選手の悪質な反則行為によって関学大選手が負傷した問題で、反則タックルを行った日大DL選手が22日、都内で会見を行い、内田前監督から反則行為の指示があったことを認めた。「選手の受け止め方に乖離があった」とする監督側の主張と食い違いが出た。

 千代田区にある日大本部には多くの報道陣が詰めかけ、日大側のコメントを求めたが、古賀千晴広報課長は「こちらとしては何もお話しすることはありません。お引き取りください」と、撤収を求めた。会見については「見ている職員もいた」とした上で、大学としての記者会見の開催も未定のまま。「法人としてお話することはない」と、繰り返した。

https://www.daily.co.jp/general/2018/05/22/0011281005.shtml

日大選手の直接謝罪、会見まで公表せず 関学側の見解は
2018年5月22日22時32分

 アメリカンフットボールの日本大と関西学院大の定期戦(6日、東京)で、日大の選手が関学大の選手に悪質なタックルをして負傷をさせた問題で、タックルをした日大選手が、関学大の被害選手に直接、謝罪していた。22日に会見した日大選手らが明らかにしたが、この事実はこれまで公表されていなかった。

 関学大アメフト部も22日、謝罪があったことを認めた。部の書面でのコメントによると、謝罪は18日にあり、日大選手とその両親が、関学大の被害選手とその両親と対面して行われたという。公表しなかった理由について、関学大アメフト部は「日大選手は最初から謝罪に来ようとしていながら(日大アメフト)部に止められていたこと、謝罪に来たことを明らかにすると日大選手が何らかの不利益を被る可能性がある」ためだったとしている。

https://www.asahi.com/articles/ASL5Q6WK9L5QPTQP00Q.html

2018.5.22
関学大監督、日大選手の告白に「愕然」 会見出席の勇気はたたえ「立派な態度」

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選手の会見を受けて取材に応じる鳥内秀晃監督=兵庫県西宮市

 大学アメリカンフットボールで、関学大との定期戦で悪質な反則タックルを仕掛けた日大の当該選手・宮川泰介(20)が22日、都内の日本記者クラブで会見を開いた。これを受け、被害を受けた側の関学大関係者がコメントを発表。鳥内秀晃監督は「愕然としている」と、日大の内田正人前監督ら指導者から指示を受けた旨を宮川が告白したことに驚きを表した。

 鳥内監督は「日大選手が話してくれた内容は非常に具体的だったので真実を語ってくれたと感じた」と内容を評価。「愕然としている。このようなことがスポーツの場で起きたこと自体が信じられない」と思いをつづった。

 その上で「この事案はアメリカンフットボールあるいはスポーツの範疇を超えているものだと改めて感じた。今後は警察の捜査にも委ねられることになるだろう」との見方を示した。

 日大側からは24日に文書で回答が寄せられる予定で、「(関学大の)部としては24日の日大からの回答を待って対応を決定するつもりだ」とした。

 さらに、宮川自身に対しては「行為そのものは許されることではない」としつつ、「勇気を出して真実を語ってくれたことには敬意を表したい。立派な態度だった」との言葉を送った。

https://www.daily.co.jp/general/2018/05/22/0011281216.shtml

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