現代重工業、大宇造船海洋の買収に合意

造船業界に大した関心があるわけではないのですけど、大宇造船海洋と言えば、巨済島に行ったときにその巨大な造船所を目にしてます。それに、ソウル駅を拠点にブラブラしてた頃にはまだあのビルが大宇財閥の本社だったので、「大宇」と聞くと何となく懐かしい気分になります。

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GM大宇もあれですし、「大宇/DAEWOO」の文字を見かけることが今後、さらに少なくなりそうですね。

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韓国造船統合、日中勢に規模の脅威 世界首位の現代重が3位の大宇買収 シェア2割超
20年越しの救済、生産再編に労使反発など難航も
2019/3/9 2:00日本経済新聞 電子版

造船世界最大手の韓国・現代重工業は8日、同3位の韓国・大宇造船海洋を買収することで大宇の筆頭株主と最終合意した。船舶建造量ベースの世界シェアは2割を超える。この約20年間に数回の経営不振に陥った大宇は単独での再建をあきらめ、現代重工傘下で生産効率化を進める。競合する日中勢には脅威で、合従連衡の呼び水になりそうだ。

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現代重工業は18年に船舶を前年比4割増の140億ドル受注し、20年の業績回復が見込まれる(韓国南東部・蔚山の造船所)

現代重工と政府系金融機関で約56%の大宇株を保有する韓国産業銀行は8日、2019年末にも現代重工が大宇を買収すると発表した。大宇の買収については1月末に「条件付き合意」していたが、この日は正式に契約を交わした。

現代重工グループの持ち株会社が約29%、産業銀行が約8%出資する形の新会社をつくり、傘下に現代系の造船3社(重工、現代三湖重工業、現代尾浦造船)と大宇が入る。大宇の実施する第三者割当増資を引き受けるなどし、新会社が約68%の大宇株を握る。

国土交通省がまとめた世界の船舶市場の最新データ(17年)によると、現代系3社と大宇の建造量は合計1554万総トンで、4社合算の世界シェアは約23%。00年以降、最大手が20%以上の世界シェアを持ったことはない。大手が乱立する造船業界で「規模の競争」が加速する。

現代重工は韓国東南部の蔚山(ウルサン)、大宇は南部の巨済(コジェ)に造船所を構える。韓国の業界関係者は「現代重工は大宇を事実上の下請けにして競争力を高めるだろう」と話す。

巨済には世界最大級の幅131メートルのドックがある。最新鋭コンテナ船など超大型船の建造をこのドックに任せ、成長が期待される液化天然ガスLNG運搬船蔚山に集約すれば、生産効率が上がって納期やコストの低減につながる。

大宇は過去に採算の合わない船舶受注を繰り返してきた。経営が傾いて00年に産業銀行の管理下に入ったものの、引き取り手が見つからず、12年から5年連続で最終赤字に転落。政府系金融機関から総額12兆ウォン(約1兆2千億円)の金融支援を受けて債務を圧縮し、黒字転換した。

日本が1980年代に政府主導で2度の構造調整を実施した際、韓国メーカーは日本の技術者を大量に採用して競争力を高めた。今回の統合は、造船業の復活を視野に長年の懸案を処理しようとする韓国政府の意向が見え隠れする。現代重工が大宇の経営管理に失敗すれば「大宇の技術者が中国メーカーに流出して韓国の競争力低下を招く」(韓国のアナリスト)ことも考えられる。

もっとも現代重工と大宇の統合の成否にかかわらず、造船業界はさらなる合従連衡が避けられない見通し。韓国が3強から2強体制に移ることで、限られたパイをめぐる争奪戦は激しさを増す。

韓国ハンファ投資証券は、海運会社が20年と25年に取り組む新たな環境規制を追い風に「19年~27年の新規船舶発注は年平均1120億ドル(約12兆4300億円)と、18年より7割増える」と予測する。だが、ピークの07年と比べると半分にも満たない。

中国では昨年来、傘下に多くの造船所を抱える国有の2大メーカー、中国船舶重工集団(CSIC)と中国船舶工業集団(CSSC)の統合案がささやかれる。両集団の17年の建造量は計638万総トン。実現すれば世界2位に位置する。国有企業の統合で巨大企業を誕生させ、国際競争で優位に立とうとするのは中国政府の常とう手段だ。

日本の造船業界は最大手の今治造船とジャパンマリンユナイテッド(JMU)の大手2社が主導する。ただ韓国で「巨艦」誕生に警戒感は強く、国内大手2社と距離を置く川崎重工業や三井E&S造船といった旧財閥系の動きが今後の焦点となる。

(ソウル=山田健一、上海=松田直樹、東京=朝田賢治)

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO42206510Y9A300C1EA6000/