「セウォル号の悲劇」から5年、追悼と分断

2014年の4月16日のことでした。もう5年ですか。

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国民的悲劇ですから、別にハンギョレさんだけが重く受け止めているわけではありませんが、以下に見る朝鮮日報の報道と併せ読むと、事件発生以来の遺族間の分断がいまだに解消されぬまま、政治的対立の構図に回収されつつあることを知ることができます。

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悲しいことです。彼らは等しく扱われ、追悼されるべきだと思います。

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記事入力 : 2019/04/17 10:01
セウォル号沈没から5年、文大統領が責任者の処罰に言及
遺族が処罰を希望する13人のリストを公表
野党「また誰を何を根拠に罰するのか」

 旅客船セウォル号」沈没からちょうど5年となる16日、文在寅ムン・ジェイン)大統領は「いつも記憶している。二度と再び同じ悲劇が繰り返されないように覚悟している」とした上で「沈没の真相解明と責任者の処罰は徹底して行いたい」と述べた。

 文大統領はこの日、フェイスブックに「セウォル号を胸にしまい込んだ平凡な人たちが世の中を変えようとしている」「国民の生命と安全が最優先という政府の誓いを必ず守ることを約束する」と書き込んだ。ただし文大統領は何の真相を解明し、誰を責任者として処罰するかについて具体的には言及しなかった。

 これについて事故で多くの犠牲者を出した壇園高校(京畿道安山市)の生徒の遺族たちが立ち上げた4・16セウォル号家族協議会は「第1次処罰対象者」として13人のリストを公表した。リストには朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領、金淇春(キム・ギチュン)元大統領府秘書室長、南在俊(ナム・ジェジュン)元国家情報院長、金章洙(キム・ジャンス)元大統領府国家安保室長、禹柄宇(ウ・ビョンウ)元大統領府民首席秘書官、黄教安(ファン・ギョアン)自由韓国党代表などの名前もあった。協議会は黄代表について「当時、法務部(省に相当)長官として捜査責任者に真実を隠蔽(いんぺい)するよう指示した疑いがある」と主張している。

 李洛淵(イ・ナクヨン)首相も「セウォル号惨事の真実解明を妨害する動きは今も陰湿に、また露骨に続いている」「一部勢力は真相解明の妨害をやめ、調査に協力せよ」などと述べた。しかし野党や法律に詳しい専門家などからは「事件の関係者に対する処罰や真相解明はすでに決着がついた。今から誰を何を根拠にどう処罰するのか」などの指摘が相次いでいる。

キム・ヒョンウォン記者 , キム・スンジェ記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/04/17/2019041780030.html

記事入力 : 2019/04/17 10:00
セウォル号うんざりだ」自由韓国党2人の暴言が波紋

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セウォル号事故から5年…非難殺到
黄教安代表「心からの謝罪の言葉」 倫理委招集し懲戒検討へ

 貨客船「セウォル号」沈没事故から5年となる16日、最大野党の自由韓国党が現議員・元議員らによるソーシャル・ネットワーキング・サービスSNS)への書き込みで非難を浴びている。同党の車明進(チャ・ミョンジン)元議員はフェイスブックに、セウォル号事故の遺族を指して「嫌になるほど食い物にしている」と、鄭鎮碩(チョン・ジンソク)議員はフェイスブックに「受け取ったメッセージ」だとして「うんざりだ」と書き込んだ。これらに対して政界からは「除名すべきだ」(共に民主党)、「人間としてやるべき言動ではない」(正しい未来党)、「ソシオパス(社会病質者)」(平和党)、「掃除ができていないから虫がわいた」(正義党)などの批判が相次いだ。

 騒動が広がるや、自由韓国党の黄教安(ファン・ギョアン)代表は「不適切で国民感情に反する意見表明に深い遺憾の意を表し、心からのおわびの言葉を申し上げる」と述べた。羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)院内代表も「傷つけたとしたら遺憾だ」と述べた。自由韓国党は中央倫理委員会を招集し、2人の現議員・元議員に対する懲戒処分を話し合うことにした。自由韓国党の内部からは、「やっと党支持率が回復しているところなのに、悪材料が降ってわいた」とため息が聞こえてくる。

 この日、韓国政界は真っ二つに割れた。与野党5党は同日午前の党指導部会議をセウォル号事故犠牲者に対する黙とうで始めた。その後、共に民主党正しい未来党・民主平和党・正義党の指導部は多数の犠牲者を出した檀園高校生徒の遺族が中心となって京畿道安山市花郎遊園地で行われた「セウォル号5周忌記憶式」に出席した。一方、自由韓国党指導部は仁川市内で行われた一般人犠牲者の追悼式に出席した。

 共に民主党の洪永杓(ホン・ヨンピョ)院内代表は同日の党会議で、「前政権の中核的な関係者たちがセウォル号の惨事を組織的に隠ぺいし、悪意をもって遺族を非難したことについて、必ず真相究明しなければならない」と言った。共に民主党議員は「公訴時効が終了する前に、セウォル号惨事当時の法務部(省に相当)長官だった黄教安・自由韓国党代表を捜査し、処罰しなければならない」と主張した。これは、檀園高校生徒遺族が中心となった「4・16セウォル号家族協議会」が「1次処罰対象者」13人の名簿に黄教安代表を入れたことによるものだ。

 黄教安代表がこの日、一般人犠牲者の追悼式に出席したのも、そうした状況が反映されたためと見られている。黄教安代表は安山市ではなく仁川市に行った理由について、「304名の方々の犠牲をここで追悼し、その志をたたえるという気持ちだからだ」と説明した。その上で、「前政権に身を置いていた人間として重い責任を感じている」と追悼の辞を述べたが、一部参列者からは非難の声が上がった。

イ・スルビ記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/04/17/2019041780029.html

記事入力 : 2019/04/17 10:02
【社説】セウォル号沈没から5年、韓国社会は安全になったのか

 昨日16日は旅客船セウォル号」沈没からちょうど5年となる日だった。事故が発生した海域に近い全羅北道珍島郡臨淮面の彭木港をはじめ、全国各地で犠牲者を追悼する行事が行われた。若い高校生を含む304人の貴重な生命が奪われた悲惨な事故だった。事故から5年という歳月が流れたが、国民の多くは今も胸の奥に当時のつらい思いをしまい込んでいる。事故は韓国社会全体が改めて危機感を持ち、安全確保の仕組みを見直すきっかけにもなった。ところがあれから5年が過ぎた今、この国はあの時と比べて安全になったと考える国民はどれだけいるだろうか。

 危険やリスクが事前に予測できたにもかかわらず、対策が不十分で発生したいわゆる「安全事故」は、セウォル号が沈没するまでの3年間(2011-13年)で88万件だったが、その後の3年間(2015-17年)は91万件と逆に増加している。2017年には海上で遭難事故を起こした船舶が3160隻と過去最高を記録した。犠牲者も83人でセウォル号沈没以後では最も多かった。事故原因の96%が整備不良や運航時の不注意などいわば人災だった。セウォル号沈没当時とその事情は全く変わっていないのだ。

 大規模事故を意味する「社会的災害」も増加している。中には療養病院(介護医療施設)などで火災が発生し、数十人が犠牲になった事故もあれば、ペンションに宿泊していた大学生が有毒ガスで窒息し犠牲になった事故もあった。高速鉄道が脱線し、建物が崩壊する事故も相次いだ。いわゆる「まさか」症候群と政府の無能・無策が繰り返された結果だ。陸、海、空のどこにも安全なところなどない。要するに何も変わっていないのだ。

 朴槿恵(パク・クンヘ)前大統領が弾劾されたその日、現場近くの芳名録に「ありがとう」と書いた文在寅ムン・ジェイン)大統領は昨日「真相解明と責任者の処罰は徹底して行われるだろう」と述べた。セウォル号沈没は船舶の違法な増築、平衡水の不足、貨物のずさんな固定、運航ミスが重なって起こったことがすでに明らかになっている。事故から3年にわたり行われた検察の捜査、国政調査、特別調査委員会による調査、裁判所の裁判などを通じて事実関係も明らかになった。ところが昨年あたりから再び「第2期特別調査委員会」が活動を開始している。無理なでっち上げとも言える疑惑が今再び堂々と語られるようになり、またも「責任者を処罰する」との声も出始めた。セウォル号を政治に利用したいという未練をいつまでも捨てられないのだ。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/04/17/2019041780031.html