兵役人員不足への対処とユスンジュンの裁判

両者に直接の関係はありませんが、同時に目についたので。まあ、まったく無関係でもないか。

少子化の進行と必要な兵役人数の推移とは連動しませんから、人員不足という事態は起こり得るものだとは思います。ここに出ている以外にも、いろいろ考えているんだろうと思います。

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一方でこういう話もありましたし、この問題はなかなか複雑です。ただ、兵役期間の短縮とかいった議論のあった廬武鉉政権のことを思い起こすと、同じ進歩派といっても文在寅政権は軍に対する態度や政策がやや異なっているような気がします。

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22年から兵役人員が不足 代替服務の人数縮小へ=韓国首相
2019.11.21 10:28

【ソウル聯合ニュース】韓国の李洛淵(イ・ナクヨン)首相は21日、政府世宗庁舎で開かれた国政懸案点検調整会議で、政府が発表した兵役代替服務制度改善策について「2022年から兵役資源が不足する中で、安全保障のためには代替服務人力の縮減が避けられない」と明らかにした。

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国政懸案点検調整会議で発言する李洛淵首相=21日、世宗(聯合ニュース

 代替服務は軍に服務する代わりに専門研究要員、産業技能要員、乗船勤務予備役、公衆保健医師など公益のために勤務する制度で、政府は1973年から代替服務制度を運営してきた。

 李氏は少子化に伴う兵役人員の減少により、代替服務制度を維持できるか、現役服務と公平性が確保されるか、代替服務を行う専門人材は適材適所に配置され、成果を出せるかなどが問題だとして、専門家などの意見を聞いて改善策を設けたと説明した。

 また、代替服務制度とは別に少子化による兵役人員の減少には根本的な対処が必要だとし、国防部の「国防改革基本計画2.0」に沿って各軍の改編を行うよう指示した。

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20191121000900882

代替服務者を1300人削減 兵役人員不足へ対策=韓国政府
2019.11.21 11:17

【ソウル聯合ニュース】韓国政府は21日、李洛淵(イ・ナクヨン)首相の主宰で国政懸案点検調整会議を開き、兵役代替服務制度の改善計画を確定、発表した。計画は、少子化に伴う2020年代前半以降の兵役対象者の不足が見込まれる中、22年から26年までの5年間かけて代替服務要員を1300人減らすことが骨子。

 代替服務は軍に服務する代わりに専門研究要員、産業技能要員、乗船勤務予備役などとして指定の企業や分野で公益のために勤務する制度で、1973年から運営されている。

 計画によると、修士学位取得者の専門研究要員は現行の1500人から300人削減して1200人とする。ただ、人数は減らすものの、日本による対韓輸出規制強化などを受けて対応が急がれる素材・部品・装備(装置や設備)関連の中小・中堅企業に割り当てる人数は、逆に来年から増やすという。

 中小・中堅企業で勤務する専門研究要員は18カ月勤めれば大企業に転職することができ、中小・中堅企業からの研究人材流出が問題となっていたが、今後は大企業に転職できないようにすると政府は強調した。

 あわせて、産業技能要員は現行の4000人から800人減らして3200人とする。

 産業技能要員は実業系高校の卒業者らが対象で、就職を支援し、中小企業などの人手不足解消や競争力強化を図るため、指定企業で勤務させる。政府は、趣旨を考慮して一般系高校の卒業者や大学生の産業技能要員への編入を制限すると説明している。

 このほか、有事の際の戦略物資輸送などを担うために割り当てられる乗船勤務予備役は現行の1000人から800人に200人減らす。政府は、閉ざされた空間で長期間勤務し、他分野に比べて人権侵害の懸念が大きい乗船勤務の特性を踏まえ、対象者が乗船する全ての国際船舶にオンライン相談システムが構築されるよう努めるとしている。

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20191121001200882

BTSも予定通り入隊へ 芸能人は兵役免除せず=韓国政府
2019.11.21 11:57

【ソウル聯合ニュース】韓国の人気グループBTS(防弾少年団)など芸能人に兵役代替服務の特例を与えないとする現行の制度が維持されることが決まった。国防部は21日、政府世宗庁舎で開かれた国政懸案点検調整会議で、兵役の公平性を強化する内容の「兵役代替服務制度改善計画」を審議、確定したと発表した。

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芸能人やスポーツ選手に対する兵役免除の特例を求める声が上がっている=(聯合ニュース

 現行の兵役法によると、▼五輪3位以上の入賞者▼アジア大会1位の入賞者▼国際芸術コンクール2位以上の入賞者▼国内芸術コンクール1位の入賞者――らは芸術・体育要員とされ、4週間の基礎軍事訓練を受けた後、民間で活動を続けられる。一定期間の特技奉仕活動の義務があるが、軍生活をしないため、事実上の兵役免除措置となる。

 国防部、兵務庁、文化体育観光部などで構成された制度改善タスクフォース(TF、作業部会)は、公平性などを巡って論争を呼んでいた芸術・体育要員制度の全面廃止も検討したが、芸術・体育要員を削減しても兵役人員の確保効果は大きくないことに加え、要員が国民の士気や国の品格を高めるのに寄与する効果が大きいと判断した。

 芸能人を芸術代替服務要員に含めるべきだとする一部の要求については、代替服務要員の削減によって公正性と公平性を高めるという政府の基本立場と合致せず、検討対象から除外された。

 国防部の関係者は「大衆音楽と比較できる(クラシックなど)伝統音楽はコンクールがあり、客観的基準がある」とした上で、大衆芸術にはそのような基準が不足していると説明した。

 一方、兵務庁は兵役を終えていない芸能人の海外公演を制限する「国外旅行許可制度」に関して、文化体育観光部と出国条件を緩和する方向で意見交換している。

 スポーツ選手を体育分野の代替服務要員として認定する大会は、現行通り五輪とアジア大会に限定する。アジア大会では野球の韓国代表の選抜などで公平性が問題になったが、国民の士気高揚に及ぼす効果が大きく、廃止された場合に不人気種目の存続が難しくなる可能性がある点が考慮された。

 サッカーのU-20(20歳以下)ワールドカップ(W杯)で韓国の初の決勝進出に貢献した韓国代表のホープ、李康仁(イ・ガンイン、スペイン・バレンシア)も対象に入らない。

 このほか、芸術・体育要員の代替服務である「ボランティア活動」は「公益服務」に名称を変更することが決まった。

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20191121001500882

で、ユスンジュンのこれ。一審・二審と敗訴したあと、大法院で差し戻しされて高裁でユスンジュン側が勝訴した、という状況です。

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japanese.joins.com

となれば、普通に考えたらもう覆らない気がするんですけど、韓国政府はあくまで争う気なんですね。

反対論は依然根強いみたいなんですけど、もう17年にもなるんですから、これを機にいい加減事態を転換してもらいたいなと思いますよ、当時のファンとしては。

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韓国入国求めた兵役逃れ疑惑の歌手勝訴 外交部が再上告へ
2019.11.15 16:48

【ソウル聯合ニュース】韓国外交部は15日、兵役逃れ疑惑により韓国入国が禁止されている歌手のユ・スンジュンさん(42)が在ロサンゼルス韓国総領事館に査証発給拒否処分取り消しを求めた訴訟の差し戻し審判決で勝訴したことを受け、大法院(最高裁)に再上告する方針を明らかにした。

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外交部(資料写真)=(聯合ニュース

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ユ・スンジュンさん(資料写真)=(聯合ニュース

 同部当局者は「大法院に再上告し最終的な判断を求める予定。外交部は今後、再上告などを進める過程で法務部、兵務庁など関係官庁と緊密に協力する」と述べた。

 韓国で1997年にデビュー後、トップスターとして活動していたユさんは2002年1月、韓国国籍を放棄し米市民権を取得した。当時、ユさんは3カ月後に兵役に就く予定だったため兵役逃れ疑惑が持ち上がり、非難の声が高まった。これを受け韓国法務部は出入国管理法に基づきユさんの入国を禁止した。

 ユさんは2015年、韓国内での営利活動が可能な在外同胞ビザ(F―4)をロサンゼルスの韓国総領事館に申請したが却下され、訴訟を起こした。

 16年の一審、17年の二審ともに敗訴したが、今年7月、大法院は領事館がビザ発給を拒否したのは違法だとして、ソウル高裁に審理を差し戻した。

 差し戻し審判決で、ソウル高裁はユさんの訴えを認め、査証発給拒否処分を取り消した。

https://jp.yna.co.kr/view/AJP20191115003700882