死の哲学

若い子たちとの会話?

そうですね。 私自身は「歳の離れた子たちと何を話したらいいかわからなくて困る」とかいったことはあまりないです。 それよりも私は、すぐ近くのあなたと何をどう話したらいいかわからなくて、何年も何年も、ずっと途方に暮れています。 触れたくても決して…

生死と力

生者と死者とは、何もせずとも、時の流れに乗ってたゆたっていく。 人生も、その中の様々な営みも、それらの結果として残される何物かも、時に流されていく。 いずれは死に、朽ちて、消えていく。 そうした流れに、力をもって、掉さすことは、できなくはない…

がん患者の死生観

個人的には、死後の世界や生まれ変わりなどというのは死生観のごく一部を占めるに過ぎないと思っている。それらについて、「がんが転移し治療が難しい患者ほど割合は低く、現実的な死生観を持っていた」と記事にはあるが、これにはもう少し慎重な分析や考察…

HEARTと死の哲学

PEACH/HEART(DVD付)アーティスト: 大塚愛出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント発売日: 2007/07/25メディア: CD購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (27件) を見る会いたい、会いたい、会いたい、会いたい。 でも困る顔を見れない。…

生前死に関する断片的思索

死者となって、かつていた世界が遠ざかっていく体験。 その時、遠ざかっていったその世界に対する配慮や気遣いや関心を、どれほど、どのように、持ち続けているだろうか。 その時、彼や彼女が現に生きている世界に、どれほどの執着を持っているだろうか。 そ…

『読売新聞』連載「日本の知力 第5部 宗教で考える[3]」

日付的には昨日になるが、10月24日付『読売新聞』1面に掲載されていた連載記事「日本の知力 第5部 宗教で考える[3]」は、個人的になかなか興味深かった。「死者と向き合う観念」と見出しの付いた今回の記事には、死の哲学をぼちぼちと考えていく中で私…

承前・pretty voiceと死の哲学

声は、時空を越えて届く。 去ったあとに残る声。声を残して去っていくこと。 亡き人の声が心の中に響く。 どれも太古からあったことではなかろうか。 としたら、電話や無線は、どれほどのインパクトがある発明だったのだろうか。 せいぜいが、自然科学的に証…

pretty voiceと死の哲学

最近、声のことを考えている。LOVE PUNCH (DVD付) (CCCD)アーティスト: 大塚愛,愛,Ikoman出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ発売日: 2004/03/31メディア: CD クリック: 15回この商品を含むブログ (47件) を見る声がよすが…

オスカルとタムドク

たまたま古本屋で見かけて読んだこの本。ベルサイユのばら外伝―完全版 (1) (中公文庫―コミック版)作者: 池田理代子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2004/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見る読んでいてふと気付…

giveの前にgivenがある。

日頃から愛読している浅羽祐樹氏のブログにこういう記事があった。Give5乗と相互主義 勝間和代さん(ブログはこちら)はGive & TakeではなくGive5乗(Give & Give & Give & Give & Give)を主張している。Giveをすればするほど情報が集まり結果としてTakeになり…

「国家神道」論を考える。

大塚愛を手がかりに死の哲学を考えようとしている私ではあるが、死について考えようとすれば、宗教や宗教学についてもある程度は関心を持つようになる。 例えば、戦死のような非業の死について考えようとすれば、戦没者慰霊のような問題についても考えること…

バリバリ伝説

何の脈絡もなく、ふと思い出した場面。スウェーデンGPでの走りが危険走行と見なされてペナルティを課せられたグンが、アメリカGPを前に密かに日本に戻っていたときのこと。イチノセレーシングのガレージで、死んだヒデヨシと言葉を交わし、そして駆け出…

承前・PEACHと死の哲学 2

安定というか、安心というか、そういう状態は、こと「愛」をテーマにする限り、静的に持続するものではない。いまここで愛するのは、いまはもういなくなってしまった何者か。あるいは、まだここにはいない何者か。不在なる何者か、もう少し注釈を加えれば、…

承前・PEACHと死の哲学

とか言って大見得切ったものの、さてどこから取り上げたものか…。とにかく、この人の言葉遊びは、ためにする遊びに見えないのだ。少なくとも、こうしてホラを吹く気になってる私には。ハートマークがひっくり返ったピーチマーク。そう考えてみれば、確かにハ…

PEACHと死の哲学

CHU-LIPもそうだが、この曲も一見すると死の哲学とは関係なさげで、実はそうでもない。PEACH/HEART(DVD付)アーティスト: 大塚愛出版社/メーカー: エイベックス・エンタテインメント発売日: 2007/07/25メディア: CD購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブ…

承前・CHU-LIPと死の哲学

チューリップを「CHU-LIP」と読み替える技は、単なる言葉遊びにとどまらない、と思う。チューすればするほど好きになる。好きになればなるほどリップが気になる。手を重ね、肌を合わせるのと同じように、そしてまた違うように、気になるのが、くちびる。くち…

CHU-LIPと死の哲学

CHU-LIP(DVD付)アーティスト: 大塚愛,愛,Ikoman出版社/メーカー: エイベックス・トラックス発売日: 2007/02/21メディア: CD購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (35件) を見るなかなか無理っぽい取り合わせだが、敢えて取り合わせてみればどうなる…

承前・恋愛写真と死の哲学

あなたは、どこにいるのだろうか。あたしは、どこにいるのだろうか。実はもう、よくわからない。わかるのは、その恋愛のすべてが過去形であるということ。現在形で現れるのは、語るあたしと恋愛写真、そして『ただ、君を愛してる』という言葉のみであること…

恋愛写真と死の哲学

さくらんぼ・Happy Days・フレンジャーと、比較的アップテンポの曲を、死の哲学と絡めて見てきた。むろん、クムリウタのように、それ以外の曲にも死を読み込むことはできる。例えばこれなどは、死の哲学という観点からも名曲であると思う。恋愛写真アーティ…

フレンジャーに関する(とりあえずの)オチ

フレンジャーについてタラタラと書きながら、オチをつけるべきところを放置していた。 つまり、さくらんぼやHappy Daysが「不在のあなたとあたし」と歌っていたとするなら、フレンジャーは「あなたと不在のあたし」ではなかったかと思うのだ。どこにもいない…

死後生ではなく

ふと思いついたこと。以前、「死後生」というお題で書いたことは、考えてみれば「生前死」と表現したほうがいいのではないか。表現的になじみがないので、その時には思いつかなかった。「生前死」。メモっておこう。

死の哲学者たち

田辺元に上原専禄。両者の死の哲学に共通する要素に「妻の死」がある。だったら何か?まず妻をがおらんと、死の哲学を考えることは難しいんか?そんなことを認めるつもりは毛頭ないが、その意味するところについては、考えていかねばなるまい。

さらに承前・フレンジャーと死の哲学

もう少し言葉を継いでみたい。例えば、遠距離恋愛の辛いところはどこらへんだろうか。ここにいて欲しいのに、ここにいないこと。ここにいないのに、そこにいること。ここにいないから、空を見上げる。君のいる場所につながる空を見上げる。その空の向こうに…

承前・フレンジャーと死の哲学

いつだってそこに駆けつけてあげられるのは、 いつだってそこにいてあげられるのは、 いつだって君の味方でいられるのは、 いったい誰なのでしょう。 そこにおらへんやん。 本当にいて欲しいとき、そこにおらへんやん。おらへんかったやん。 あたしが月を見…

フレンジャーと死の哲学

先に、「さくらんぼ」と「Happy Days」を使って「不在のあなたとあたし」ということを書いたが、この歌は同じ「死の哲学」でも少し違うことを歌っている。フレンジャー(DVD付)アーティスト: 大塚愛出版社/メーカー: エイベックス・トラックス発売日: 2006/04…

大塚愛が歌う「死」

私がここで大塚愛に引っ掛けて好き勝手に書いていることは、つまるところ私の思索(妄想・ホラ話)に過ぎない。けれども、大塚愛が「死」のことを意識せずに能天気に任せて詞を書いているとも思えない。実例はいくつか挙げられるが、わかりやすいのは「クム…

思索のルーツが本になる…らしい。

大学に入るもっと前、死のことをもそもそと考えていた私に、ある友人が教えてくれたホームページがあった。ブログなんてまだなかった頃、パソコン通信がまだ元気だった頃の話である。ボクの哲学モドキその当時は今のようなことを専門にやるとは考えていなか…

承前・Happy Daysと死の哲学

口ずさんでみれば分かるが、全編が「あなたに呼びかけるモノローグ」になっていると同時に「独りつぶやくダイアローグ」になっている。あなたは、確かに存在する。と同時に、確かに存在しない。存在するのに存在しない「あなた」。 あたしがいる「今、ここ」…

Happy Daysと死の哲学

例えばこの歌も、「不在のあなたとあたし」を歌っている。Happy Days (DVD付)アーティスト: 大塚愛出版社/メーカー: エイベックス・マーケティング・コミュニケーションズ発売日: 2004/07/07メディア: CD購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (22件)…

承前・さくらんぼと死の哲学

あなたは、どこにいるのだろう。おそらく、今ここにいるわけではないはずだ。つながっていないから「つながってたい」のだ。隣にいないから「抱き合ってたい」のだ。不在のあなたとあたし。愛し合う二人の、その遠い未来を予想するなら、「いつの時も隣どお…