韓国の保守化とは何か

指摘としてそれほど意外であるとは思わないが、だからと言って重要でないというわけでもない。
問題は、客観的に存在するというよりも、何を問題化するかという問題意識にかかっている。
あれこれ説明する前に、「なぜそれが問題であるのか」を考えてみることが必要であるのかも知れない。あなたの場合はどうだろうか。

例によって、見られるうちにクリップ。

「保守化したのは韓国社会ではなく386世代
「韓国が保守化したって? 保守化したのは368世代だ」
『世界の文学』で主張

 「保守化したのは韓国社会ではなく、新たな既得権層となった386世代(1990年代に30代で80年代に大学に通った60年代生まれの世代)の方だ」

 学界内外で最近提起されている韓国社会の保守化について、386世代の社会科学者が、386世代に責任があると主張した。最近の韓国社会の保守化について考える特集を組んだ『世界の文学』春号に掲載された、「保守化あるいは行き詰まり」と題するキム・ジョンハン氏(西江大政治外交学科博士課程修了)の寄稿文だ。キム氏は文中で、「韓国社会の保守化という話には、違和感がなくもない。実際に保守化したのは韓国社会ではなく、制度圏に侵入することには成功したものの社会・経済的な分配を民主化できないまま、新たな既得権層になろうとした386世代だった」と記し、368世代の運動圏(学生運動出身の活動家たち)を名指しした。

 386世代が主導した盧武鉉ノ・ムヒョン)前政権の失敗に対する反作用で韓国社会が保守化し、こうした流れに乗って李明博(イ・ミョンバク)政権が誕生した、という分析はあちらこちらで見られる。実際に、本紙と韓国ギャラップが実施した国民意識調査によると、韓国国民の理念的状況は盧前大統領の任期中(2003−07年)に進歩から保守へと移行した。

 しかしキム氏は、労働階級の保守化をとりわけ懸念している。「社会的少数者がほかの少数者に対し、危機の費用と犠牲を一方的に転嫁することで生き残ろうとする事態の方がさらに危険」というわけだ。キム氏は、大企業の労働者が自らの労働条件を少しでも好転させたり、あるいは現在の状態で凍結するため、非正規的労働者の労働3権を無視することを例に挙げた。大企業の労働者が非正規労働者よりも良い条件で多くの賃金を受け取っているという事実だけで彼らを非難することはできないが、自分たちの経済的利害を守るために非正規労働者の不当な労働条件を黙認したり利用するなら、事情は違ってくるというわけだ。実際にキム氏のこうした懸念は、経済危機を迎えた企業の現場でしばしば現実のものとして現れている。

キム・ギチョル記者

http://www.chosunonline.com/news/20090308000011