清水哲

KKコンビ時代のPL学園に関心を持つ者であれば、この人物の名前を知らない人間はいないだろう。

白球の夢、車いすの不死鳥 PL学園OB・清水さん
2009年7月16日

草野球チームの監督を務める清水哲さん=「車いすの不死鳥」から
 PL学園高校(大阪府富田林市)の選手として甲子園で活躍し、大学時代に試合中の事故で首から下の自由を失った清水哲さん(43)=大阪府枚方市=が先月、「車いすの不死鳥」を出版した。事故で絶望を経験したが、33歳で結婚し、今は野球の指導者になる夢を追う。自身の半生を率直な筆致でつづった。

 清水さんはPL学園で桑田真澄さん、清原和博さんの1年先輩。84年の夏の甲子園取手二との決勝で9回裏に同点本塁打を放った。だが、同志社大1年の秋、二塁に頭から滑り込んで首の骨を折った。今は車いすで全国各地の学校などで講演し、口に棒をくわえてパソコンを操作し、執筆活動に取り組む。

 00年3月に結婚。妻の由美子さんはもとは清水さんのヘルパーで、信頼を寄せるうち気心が知れるようになった。家庭での生活や外出など障害を抱えながら生活することの難しさを紹介しながらも、「一人ですべてのことを決めて自由に暮らしていた時よりも、より自分の人生をしっかり生きている感覚がある」。パートナーを得た暮らしの充実感をにじませる。

 以前に草野球の監督を務めたこともあったが、今年4月から新たに、幼い頃プレーした少年野球チーム「守口セネタース」でコーチを始めた。週に1度、車いすでグラウンドを訪れ、4〜5時間ほど指導する。「ジェスチャーはできないけど、言葉でヒントを与えて子どもたちに考えさせることで、他人のまねではない本当の力を身につけさせることができる」。経験を積み、将来は高校や大学での指導を目標に掲げる。

 事故を経て見えた世界と広がる夢。「しんどいことがあってやる気を失っている人に『あきらめたらアカン』と伝えたい」と話す。

 新著は四六判194ページ。税別1300円。問い合わせは主婦と生活社(03・3563・5121)。(左古将規)

http://www.asahi.com/kansai/sports/news/OSK200907160073.html

車いすの不死鳥―絶望の淵から夢を追って

車いすの不死鳥―絶望の淵から夢を追って

桑田よ 清原よ 生きる勇気をありがとう

桑田よ 清原よ 生きる勇気をありがとう

ぜひ、ご一読を。