あなたの知らないあなたへの

私は、あなたが知っているほどには、あなたのことを知りません。

けれども、あなたの知らないあなたを、私は確かに見ています。

あなたの知らない、たぶんあなたの家族も恋人も知らない、

あなたのイイトコロを、私は知っています。

それはきっと、

あなたが自分では直に見ることのできないところを、

そしてふと見過ごされたままでいるところを、

私が持つ全ての感覚でもって、見て聞いて触れて、経験してきたからでしょう。

どうかそのことが、恥辱ではなく、慈しみ愛おしさかけがえのなさを、

あなたに齎しますように。