そらーそうなるでしょ

そもそも現在の韓国社会では、日本と同様に大学新卒者の就職状況が厳しく、韓国語で言う「非正規職」で働く若者もたいへん多いわけです。「88万ウォン世代」という言葉に象徴されるようなこの状況で、その金利で学生を借金漬けにしてどうする気ですか。

韓国ワーキングプア 88万ウォン世代

韓国ワーキングプア 88万ウォン世代

日本の学生支援機構も無利子の第1種と有利子の第2種の奨学金を貸与しているわけですが、韓国のこの制度に比べれば金利的には多少マシとは言え、苦労して返済している人も少なくはありません。私もその一人です。

「親庶民的」と言われたければ、これじゃダメでしょう。庶民的感覚のなさを露呈しただけに終わるか、財政負担を付け焼刃で増やして別の方面から叩かれるか。いずれにせよ、記者が書いている通り、ジレンマに陥っていると言ってもいいでしょうねえ。

記事入力 : 2010/04/06 15:29:09
政府の学資金融資制度、学生に不人気!?
今年1学期の融資状況、政府予想の13%止まり
「高い金利が負担」との指摘

 学生が融資を受けた学資金を就職後に返還する「就業後学資金償還制度(ICL)」が今学期から開始されたが、融資を受ける学生数が、政府予想の8分の1にとどまっている。「お金のために勉強ができないということはあってはならない」という李明博(イ・ミョンバク)政府の代表的な教育政策が、市民には受け入れられていないようだ。

 教育科学技術部(教科部)は5日、今年1学期の学資金融資の結果、ICL融資受給者は10万9426人、一般償還融資受給者は28万5961人で、受給者全体では39万5387人と発表した。

 政府が昨年7月に制度の導入を発表した際、ICL融資受給者は84万人、全体の受給者は107万人に達すると予測したが、それに比べてICLは13%、全体では37%の水準にとどまるという寂しい結果となった。

 政府は、ICLが財政悪化をもたらすという指摘が出たため、今年1月、ICL融資受給の資格を成績評価C以上から、B以上に上げた。それでも70万人はICLの融資を受けるとみられていた。

 専門家らは、大学生がICLを利用しない最大の理由について、「金利負担」のためだと指摘している。韓国奨学財団が、大学生300人を対象にアンケート調査を行った結果、ICLの問題点について、回答は、「高い金利」(56%)、「低所得層に対する利子の支援不備」(13%)、「据え置き期間以降の複利」(12%)の順だった。

 5.7%というICLの金利は、庶民住宅購入資金ローンの金利5.2%よりも高く、ICLを行っている経済協力開発機構OECD)加盟国家の中で最も高い水準だという指摘も受けてきた。

 これに対し、教科部や韓国奨学財団側は、「国内の大学進学率が85%と、ほかのOECD国家より高く、韓国では学資金を民間発行債権で調達するため、金利が高くなる」と説明している。

 ICLは、昨年事業が発表されたときから「莫大(ばくだい)な財政悪化が懸念される親庶民的な国策事業」に挙げられてきた。現在、ICL金利を0.5ポイント下げるなどの基準緩和措置を行った場合、2020年の政府の年間財政所要額が5兆ウォン(約4194億円)近くになるという予想も出ている。

 教科部の関係者は「財源調達の方法を変えるなり、予算を投入するなりしなければ、金利については画期的な対策はない」と述べた。結局、焦って打ち出した政策が、現場で好評を得ることなく、金利引き下げによって財政負担を増やすのも困難というジレンマに陥っている。

兪碩在(ユ・ソクチェ)記者

http://www.chosunonline.com/news/20100406000062