日韓プロ野球の比較総括記事

韓国プロ野球の日本人選手、日本プロ野球の韓国人選手の活躍についてずいぶん詳しく突っ込んだ記事だなーと思ったら、「韓国プロ野球応援サイト ストライク・ゾーン」の運営者である室井昌也さんの記事でした。

記事入力 : 2010/05/03 12:02:00
野球:日韓7選手の月間総括=2010年4月
■韓国でプレーする日本人選手

 今年、韓国プロ野球には2人の日本人選手がいる。韓国2年目の門倉健(SK)と今年LG入りした岡本真或だ。韓国球界に日本人助っ人が2選手在籍するのは今年が初めてで、この2投手は開幕からここまで好成績を残している。

 3月27日の開幕戦で先発勝利を挙げた門倉は、4月に先発4回、リリーフで1回登板しいずれも勝ち投手となり、6戦6勝。ハーラー単独トップに立ち、防御率も1.98とリーグ2位だ。門倉は好調の理由をこう話す。「しっかりキャンプ、オープン戦で準備ができたのでいいコンディションを維持しています。勝ち星がついてきているのはラッキーで驚いている部分もありますね。いいテンポで投げられているので、野手もスムーズに攻撃に入れて援護してくれているのでしょう」。

 また、門倉を思わぬ形で後押ししたのが、今季からのルール改正だ。それは走者がいない場合、投手が12秒以内に投球しない場合、1回目は警告、2回目にはボールと判定される、いわゆる「12秒ルール」。門倉は15日のハンファ戦で一度警告を受けている。「12秒ってこんなに短いのかと思いました。ただ、このルールのおかげで迷いながら投げることがないです」。長打を喫する場面も昨年より減り、被本塁打は開幕戦に与えた1本のみ。「奪三振王をとった時(05年=横浜)の自分の状態と似ています。今年は20勝という高い目標を掲げていますけど、それを考えたらいい投球はできないので、その日1日を考えてスタンバイしています」。

 もう1人の日本人選手の岡本は抑え投手として、9試合に登板し1勝6セーブ。失点、自責点ともいまだゼロだ。しかし当の岡本は自身の状態に納得していない。「最近になってようやく下半身に力が入るようになって、ストレートにキレが出てきましたけど調子は良くないですね。4月は寒い日が続いたというのもありますが、コントロールがだいたいのところにしかいかなかったですから。でも、シーズンとしてはいいスタートが切れていると思います」。

 門倉が所属するSKは14連勝中の1位。岡本のLGは上位圏内の4位につけている。5月もこの両投手の活躍がチームに欠かせないものとなりそうだ。

■日本でプレーする韓国人選手

 一方、日本でプレーする韓国人選手は、イ・スンヨプ(巨人)、イム・チャンヨン、イ・ヘチョン(ともに東京ヤクルト)に、今年からキム・テギュン千葉ロッテ)、イ・ボムホ福岡ソフトバンク)が加わり、2001年と並ぶ最多タイの5人となった。この中で最も安定した成績を残しているのがキム・テギュンだ。開幕戦では4打席4三振を喫したが4月中旬から状態が上向き、打率3割7厘、5本塁打。打点27はパ・リーグ3位の成績で、開幕から全試合チームの4番を任されている。最近ではキム・テギュンらしい右方向への打球が目立ってきた。「ライト前に詰まったようなヒットが出るときが、自分の一番良い状態。それが良いバランスを保てている証拠だし、ホームランも出るようになるでしょう」。

 反面、イ・ボムホは激しいポジション争いで出場機会が得られず、4月上旬には1日に一、二軍両方の試合に出場する親子ゲームも経験した。しかし最近では松中信彦に代わって指名打者での機会が巡り始めている。これから実戦での感覚を上げていきたいところだが、ソフトバンクはロベルト・ぺタジーニの獲得を発表。今後の争いはさらに厳しくなることが予想される。しかし、イ・ボムホに腐る様子はない。「野球はいつどんな形でチャンスがくるかわからないので、常にそのための準備はしたいと思います」。

 その他の選手では、イ・スンヨプは固定されない起用が続き、イム・チャンヨンは6セーブを挙げるもチームは最下位に低迷。イ・ヘチョンは二軍で制球力アップに取り組んでいる最中だ。5月はどの選手にとって最良の季節となるだろうか。(記録は5月1日現在)

室井昌也(韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑著者)

http://www.chosunonline.com/news/20100503000035

門倉選手や岡本選手の活躍についての詳細は、室井昌也さんのこちらのブログをご参照ください。

室井昌也『ソウルはいつも野球愛』