格安航空会社事情・その後の展開

まあ、いいんじゃないですか。経営基盤強化と運賃引き下げにつながるのであれば。

これだけ格安航空会社が次々に出てくる昨今であれば、ANA自身が外資として外国のLCCに出資してもいいくらいです。

格安航空会社 全日空 出資受け入れ検討
2010.8.3 05:00

 全日本空輸が、2011年度にも設立を計画している格安航空会社(LCC)について、外国航空会社やファンド、国内の他業種から出資を受け入れる方向で検討に入ったことが2日、明らかになった。

 全日空は幅広く出資を募ることで、新会社の経営基盤を強めると同時に、割安な運賃水準を設定する。

 航空会社が運航ダイヤや運賃を政府の干渉なしに決定できる航空自由化(オープンスカイ)が進む中で、現在の全日空ブランドとは別の新ブランドを立ち上げて、次々と日本進出を図る海外のLCCを迎え撃つ。

 新会社の資本金は数百億円規模、筆頭株主全日空の出資比率は最大50%になる見通し。国内航空会社に対しては外資比率を3分の1未満に制限する規制があり、外国航空とファンドの出資は合わせて30%弱にし、国内の旅行会社やホテルからの資本参加も検討する。

 拠点空港には、関西国際空港を活用する案が有力視されている。燃費効率が高い中小型機を使い、国内線のほか、航空需要が急速に高まっている中国や韓国方面で国際線を運航する方針だ。

 LCCは単一の機材を使って乗務員の訓練費や整備費を抑えたり、機内サービスの有料化によって、低価格の運賃を可能にしている。日本では1996年、スカイマークが設立されたほか、豪ジェットスターが2007年、関空に乗り入れたことで広く認知されるようになった。

 LCCの誘致は政府の新成長戦略にも盛り込まれ、航空業界の活性化や観光立国推進の浮上策として期待されている。ただ、日本の空港は他国に比べて着陸料が割高で、LCC育成の障壁となっていることから、国土交通省が着陸料の引き下げを検討している。

http://www.sankeibiz.jp/business/news/100803/bsg1008030501001-n1.htm

韓国の仁川空港にも各国のLCCが集まりつつあるみたいですしねえ。下の記事は、仁川のハブ空港化がさらに進みそうなニュースです。

記事入力 : 2010/08/03 10:42:16
格安航空エアアジア、11月に韓国就航

 仁川−クアラルンプール間の最低運賃は6万ウォン(約4430円)−。マレーシアの格安航空会社、エアアジアの長距離部門エアアジアXのアズラン・オスマン・ラニ最高経営責任者(CEO)が2日、ソウル市内のホテルで、新たに開設する韓国−マレーシア路線の運賃を公表すると、会場のあちこちから驚きの声が上がった。

 最低運賃は8月4日から8日までインターネット上で予約した乗客限定の特別価格だが、アジア最大の格安航空会社の韓国上陸を実感させるには十分なインパクトだった。

 金融危機で一時的に下火となっていた外国航空会社の韓国就航が相次いでいる。中には、破格の価格を掲げる格安航空会社やすき間路線を持つ航空会社も少なくない。海外旅行客にとっては、選択の幅が広がりそうだ。

 今月から来年1月までに韓国に就航する外国の航空会社は5社。11月にエアアジアXが就航するのをはじめ、12月にはアラブ首長国連邦UAE)のエティハド航空(仁川−アブダビ)、タイのオリエント・タイ航空(仁川−バンコク)が新規路線を開設する。米ハワイアン航空も来年1月に仁川−ホノルル間に就航する。2008年10月に韓国から撤退したエア・インディアは、2日から仁川−香港−デリー線の運航を再開した。

 最も注目されるのは、エアアジアXだ。超低価格の就航キャンペーンが終了した後も通常の往復運賃は300ドル(約2万6000円)程度。大韓航空やマレーシア航空の約半額だ。

 エアアジアXは、映画や機内食はもちろん、コーラ1杯に至るまで全てのサービスを有料化し、乗客の選択に委ねている。クアラルンプールまで6時間半、ただ座ってさえいれば、最低運賃で利用可能だ。ハワイアン航空や、オリエント・タイ航空は、これまでの大手航空会社が持たないきめ細かい接続便が強みだ。例えば、ハワイアン航空を利用すると、ホノルル到着後に周辺の多くの島に容易に移動可能だ。外国の航空会社が大量に進出する中、最近国際線に進出している韓国の格安航空会社は、さらに厳しい競争にさらされそうだ。

 ジンエアー、済州航空など韓国勢は「われわれは格安でも機内食と飲料は無料だ。安全面でもレベルを満たしている」と話すが、緊張感を隠せずにいる。

李吉星(イ・ギルソン)記者
ソン・ヒョン朝鮮経済i記者

http://www.chosunonline.com/news/20100803000034

ハンギョレ新聞』には、もう少し詳しい記事が掲載されているみたいです。

ハンギョレ・サランバン - 韓国 空の道‘外国 低価格航空’激戦場に

こうなると、韓国行きの乗客向けの金浦・金海便/トランジット客向けの仁川便、という、それぞれ別個の強化が、関空の課題になってくるのかも知れません。