【慶南の風景】巨済島を行く

釜山と巨済島との距離を一気に縮めた巨加大橋の無料通行が終了したみたいですね。もともと2010年内限定の予定でしたので、スケジュール通りということです。

巨加大橋、通行料1万ウォンで無料通行終了

釜山ー巨済島を結ぶ巨加大橋が1月に入り、無料通行サービス期間が終了し、1万ウォンの通行料が発生する。

記事登録日:2011-01-04

http://www.pusannavi.com/special/5032168

巨済島側はもちろんこれを奇貨として、2011年を「巨済訪問の年」として盛り上げるつもりのようです。橋の開通で、これまで釜山から2時間40分程度かかっていた市外バスが、1時間20分ほどで行き来できるようになったんですから、それはもう間違いなく画期的なことです。

巨済島に釜山の西部市外バスターミナルから行こうとすれば、主な目的地は2ヶ所。巨済市庁のある고현(古縣)か、大宇造船海洋の造船所に近い장승포(長承浦)。それぞれへ向かう市外バスが出ていますし、古縣経由で長承浦に向かうものもあります。両地域間は、長承浦から造船所のある入り江を挟んだ옥포(玉浦)を経由した市内バスがわりと頻繁に結んでいます。





古縣バスターミナル


玉浦の街並み



長承浦バスターミナル


大宇造船海洋の造船所

この巨済訪問時には、古縣にある巨済島捕虜収容所とか、玉浦から海沿いを北上したところにある金泳三大統領生家・記録展示館などに行ったのですが、その話についてはまた後日ということで。


その代わりに、韓国の造船業界に関する記事をクリップ。古縣にある三星重工業の造船所はじっくり見る暇がなかったのですが、韓国の三大造船会社(現代・三星・大宇)と称される中の二社までが巨済島に造船所を持っているというところに、ここがいかに「造船の島」であるかが見て取れます。

造船業
2007-12-03

韓国の造船業界は、いま史上最大の好景気に沸いている。99年に世界一だった日本を追い抜いた韓国の造船業界は、01年、02年、04年に日本に1位を譲ったが、その後は日本を大きく引き離しダントツの1位になっている。この15年間で19倍に成長し、受注量、受注残高、建造量で世界トップの座を誇っている。07年は上半期だけでも受注量は日本の2倍にあたる364隻、1132万CGT(標準貨物船換算数)だった。これは量で前年同期比38.2%増、金額にすると、332億ドル(3兆8800億円)で、実に51.8%の伸びだった。

07年6月末の時点での受注残高は4382万トン、1346隻、1216億ドルと実に世界の4分の1を上回り、向こう4年分の工事量をかかえている。

高度な技術を要する潜水艦や軍艦も建造している。ドックだけでは建造が間に合わないため、巨額の設備投資が必要なドックを使わない、陸上での建造技術を06年に編み出した。また賃金の安い中国やベトナムなどに工程の一部を作る工場を持ち、北韓にも進出しようとしている。

しかし中国が日本を追い抜いて急速に追い上げてきているため、韓国は次第に高い付加価値が出る船の建造にシフトしている。超大型コンテナー船、LNG船、原油掘削船、砕氷船などで、大型客船にも挑戦しようとしている。

ただ鋼材の値上がり、賃金の上昇、石油高による資材の値上がりで利益幅が薄くなる傾向があり、この克服が課題になっている。

表にみられるように、受注残高8位までに日本の造船所の名はない。

ちなみに韓国各社の造船所の所在地は次のとおり。現代重工業蔚山(ウルサン)、三星重工業=慶尚南道巨済(コジェ)、大宇造船海洋=慶尚南道巨済、現代尾浦造船=蔚山、現代三湖重工業=全羅南道霊岩(ヨングァン)、STX造船=慶尚南道鎮海(チネ)、このほか受注残高9位の韓進重工業=釜山がある。大型の造船所はこれまで蔚山から巨済島までの南東部海岸に集中していたが、最近は全羅南道海南郡に大韓造船が大型ドック4基を建設するなど、南西部海岸にも広がっている。

http://world.kbs.co.kr/japanese/korea/program_basicinfo_detail.htm?No=322


追記:プサンナビに、巨済島への交通アクセスに関する記事が出ました。ご参考までに。

釜山から巨済島に行く方法 - プサンナビ

蛇足ですが、巨済市庁のある「고현(コヒョン)」は、プサンナビは「古懸」と書いてますが、漢字で書くと「古縣」、もっと簡単に書けば「古県」です。