仁川の雷雨と夕陽

仁川に来ての第一の目標地点は、仁川家族公園。と言っても、単なる公園ではなく、実際には仁川広域市の公設葬墓施設。火葬場も併設されている。ソウル近郊にある大規模施設でありながら、まだ訪れたことがなかったので、この機会に見てみようと思ったのだった。

過去に言及した記事は、このあたり。

d.hatena.ne.jp

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最寄駅は仁川地下鉄1号線の부평삼거리(富平サムゴリ)駅。仁川地下鉄に乗るには、現在のところ、ソウル地下鉄1号線の富平駅か空港鉄道の桂陽駅が乗り換え駅となる。富平サムゴリ駅は、富平駅から南方向へ2駅のところにある。

もともと共同墓地があったと思しきこの仁川家族公園は、3段階にわたっての造成が予定されており、現在は2010年10月までの第1段階が完工したという状況であるらしい。とりあえず、入り口から延びるアプローチは明らかに公園としての在り方を意図したものであり、そうした公園気分は花屋が並ぶ食堂棟と管理事務所が向かい合うあたりまで続く。




ちなみに、管理事務所棟には「葬事文化弘報館」が併設されており、現代韓国の葬事文化を考える上ではたいへん興味深い展示がされている。同様の施設は釜山の永楽公園にもあるが、仁川の方がより新しい認識のもとで構成されているように思われる*1

慶尚道2泊3日 知らない人のお墓参りツアー・3

いろいろ興味深いところはあるのだが、ここでの広報の核心を簡単にまとめれば、「火葬は定着しつつある、次は石造物の一掃、そして自然葬だ」という感じだろうか。石造の納骨墓だけでなく、石碑の類に対しても嫌悪感と敵意とがむき出しになっている。





さて、この弘報館を見学した後は、仁川家族公園の他のエリアをじっくり歩いて回って視察、といきたかったところだが、朝から断続的に降ってきた雨がだんだん本降りになってきた。だけでなく、稲妻と雷鳴が近づきながら頻度を増してきた。しばらくは参拝者の方々とともに雨宿りをしながら回っていたのだが、屋外を歩いて回るには危険が大きいと判断せざるを得ず、残念ながら途中撤退となってしまった。

見ることができたのは、複数ある奉安堂(納骨堂)のうち、中学校の校舎のような「追慕の家」と、円形の「錦馬塚」のあるあたりまで。その奥のエリアについては次回を期するほかない。







月尾島から見た夕陽は、綺麗だったんですけどねえ。

*1:弘報館は銀河水公園にもあるが、こちらは残念ながら未見のまま。