ソウルのドーム新球場:第11球団でも作りますか?

ドーム球場の建設は韓国野球界の悲願の一つであったはずなのですが、どうしてここまで揉めますかねえ。

高尺洞が「ドーム球場の建設地としては適切でない」というのはどういう意味なのか、よくわかりませんけど、使用料だの広告料だのを議論していることからすると、「安養川沿いで地盤が云々」といった問題ではなく、九老区という立地の問題であるような気がします。

ソウル市九老区と言えば、とりあえず漢江の南には位置しますが、間違ってもPSYがパロディにするような「江南スタイル」とは無縁のエリアですから。


記事入力 : 2012/11/24 08:45
野球:斗山・LG・ネクセン、高尺ドームへの移転に否定的
ソウル市のプロ野球振興策に反発


ソウル市はプロ野球界と何の相談もなく、高尺ドーム球場プロ野球チームを誘致する案を一方的に発表した。これを受け、プロ野球関係者の間では大きな反発の声が相次いでいる。写真は昨年4月に蚕室球場で行われたLGと斗山の試合。観客席は超満員だ。/趙寅元(チョ・インウォン)記者

 韓国プロ野球各球団がソウル市の野球振興策に強く反発している。

 ソウル市は「2020体育政策マスタープラン」を22日発表し、その中に▲現在の蚕室野球場は改修して今後も使用▲これまで検討されていた総合運動場内への新球場(収容人員4万人)建設は先送り▲現在ソウルを本拠地とする3球団のうち、1球団を高尺ドーム球場(ソウル市九老区、来年末完成予定)に誘致する―などの計画を盛り込んだ。韓国野球委員会KBO)のヤン・ヘヨン事務総長は「昨年6月に朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長が現場関係者の意見を聞き方針を決めるとし、『政策討論会』を開いて野球関係者から話を聞いた。ところが、われわれとは一言の相談もなく今回の計画が発表されたため、裏切られたような気分だ」と語った。

■ソウル市「高尺ドームはプロが使用すべき」

 野球場についてソウル市とプロ野球界が対立する背景には、高尺ドームの問題が絡んでいる。この球場は、呉世勲(オ・セフン)前ソウル市長が東大門野球場を撤去する見返りとして、大韓野球協会に提示したものだ。東大門野球場は野球関係者の間で「韓国野球の母体」とまで言われるほど、聖地のような場所だったからだ。高尺ドームは、当初の計画では観客席2万2000席の中規模、屋根も球場全体の半分とするいわゆる「ハーフドーム」とすることになっていた。ところが球場全体をドームとする方向に設計計画が変更されたことで、問題が表面化した。現在、高尺ドームの建設には1000億ウォン(約76億円)以上の巨額が必要な上に、工事期間も当初よりかなり長くなっており、さらに年間の維持費も100億ウォン(約7億5900万円)以上要すると試算されている。

 ソウル市は高尺ドームへのプロ野球チーム誘致計画を発表する際、韓国初のドーム球場という点に大きな意味合いを付与。また「ソウル市内に新たな球場ができれば、蚕室球場を2チームが使う必要はない」との考えも示している。しかし、プロ野球関係者の間では「ソウル市はこちらと何の話し合いもせず、毎年100億ウォン以上の経費がかかるドーム球場を建設し、ここに一方的にプロ野球チームを引っ張り込もうとしている」などと不快感をあらわにしている。

 高尺ドームの場所についても「ドーム球場の建設地としては適切でない」とも指摘もある。ソウル市もこれを認め、高尺ドームを本拠地とするチームには、球場の使用料や広告権料などに大きく配慮することも検討しているという。

 また「ソウル市は最初からネクセンの高尺ドーム移転を念頭に置いている」との指摘も相次いでいる。ネクセンはLGや斗山ほど財政的に余裕がないため、ソウル市が提示する広告権料や球場使用料に大きな魅力を感じざるを得ないからだ。

■各チームとも移転には否定的

 ちなみに、ソウルに本拠地を置くチームは全て高尺ドームへの移転に否定的だ。市内の一等地にある蚕室球場を本拠地とする斗山とLGは「30年近くかけて築いてきた基盤を手放すことはできない」とすぐさま反対の意向を示した。また、木洞を本拠地とするネクセンも「5年かけてやっと木洞に根を下ろした。今後も木洞でやっていくのがネクセンの考えだ」とコメントしている。アマチュア球界はさらに強硬だ。大韓野球協会のイ・サンヒョン事務総長は「高尺ドームを使うのは最初からアマチュア球界とされていたはずだ」と発言した。

 野球界は以前から、現在の蚕室総合運動場内にある屋内プールと学生体育館の敷地に、観客4万人を収容できる新球場の建設を提案してきた。しかしソウル市は、蚕室野球場の安全性には何ら問題がないとの理由で、新球場の建設を先送りした。その代わり、同市は蚕室球場に最新式のロッカールームを新たに設置し、内野席の幅を広げるなど、いくつかの点で改修を行う方向で検討を行っている。ソウル市体育振興課のチョン・グァンヒョン課長は「来年6月までKBO、ソウルを本拠地とするプロチーム、大韓野球協会などと話し合いを続けたい」「野球界が懸念するように、一方的に事業を進めるようなことは絶対にない」などとコメントした。

姜鎬哲(カン・ホチョル)記者

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2012/11/24/2012112400458.html

ま、ネクセンヒーローズが木洞、LGツインズ・斗山ベアーズが蚕室を動かないというのであれば、いっそソウル市内第4の球団をソウル市主導で作ったらどうですかね。で、第10球団参入合戦で水原市にやや遅れを取っている全羅北道と組んで、第11・第12の新球団参入の実現を図る、と。

もっとも、ここは木洞球場から5キロと離れていない場所ですので、木洞にこだわらず、陽川区・九老区・永登浦区に江西区・銅雀区・冠岳区・衿川区といったソウル市西南地域をホームタウンとするつもりがあれば、ネクセンにとっては条件次第で確かに悪くない話になるかもしれません。これだけ維持費がかかるようになってしまったドーム球場をアマチュア野球単独で運営するのは、さすがに厳しいでしょうからねえ。