「上海ビッグフォー」について何かを知ろうと思えば、「閃光のナイトレイド」を外せないのが今どきのようです。
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そっとプロジェクト@Wiki - 閃光のナイトレイド - 各話別メモ - 03話
第3回 - 歴史ナビゲーター・金谷俊一郎氏のワンポイントコラム
さて、今回の舞台となったビッグフォーは、上海の有名デパートの総称です。
先施公司、永安公司、新新公司、大新公司の4つの総称で、ここに中国国貨公司を加えて上海5大デパートと呼ぶ場合もあります。雪菜が赴いた永安公司(永安百貨)は、1918年の開店以来、上海モダニズムをリードする存在でした。
建物の屋上にあった倚雲閣(日本語で「雲に届く高楼」の意)や、2階に突き出たバルコニーは今も、1930年代の上海の面影を残しています。この2階のバルコニーからは、今でも専門楽士によるサックスの演奏を聴くことができ、聴く者を1930年代の上海に誘います。
ちなみに、「ビッグフォー」というのは、上海の南京路にあった四大デパートの事で、以下の四店舗の事を指すそうです。
◆先施公司:1917年開店、現在の上海時装公司
◆永安公司:1918年開店、現在の華聯商廈
◆新新公司:1926年開店、現在の上海市第一食品商店
◆大新公司:1934年開店、現在の上海市第一百貨商店
閃光のナイトレイド 3話 ビッグフォーに影は落ちる - ★アニメ三昧★戯言・言いたい放題★
現在も残るビッグフォーの姿を見られるのは、南京東路です。「上海第一の繁華街」ということになっていますが、北京の王府井と同様、地元の上海人には「外国人観光客や地方から来たおのぼりさんが集う場所」であるようです*1。
で、まだちゃんと行ったことがなかったので、行ってみました。諸般の事情で、昔の競馬場、人民広場側からのアプローチです。歩行者天国となっている南京東路を西から東へと進む形となります。
こちら側からだと、まず目に入ってくるのは上海市第一百貨商店(第一百貨)です。ビッグフォーの中では最後発の大新公司で、1931年を舞台とする「閃光のナイトレイド」の話の中では工事中という設定になっています。
そこから少し東へ歩くと同じ並びにすぐ見えてくるのが、上海市第一食品商店、かつての新新公司です。
そしてその東隣が、ひときわ目立つ尖塔のそびえる上海時装商店、かつての先施公司です。「先施大楼」という看板も掲げられています。
そしてその向かいにあるのが、永安百貨、かつての永安公司です。ビッグフォーの中ではここだけが南京路の南側に位置しています。
こうして一通り歩いて見て回ってみると、思った以上にコンパクトなエリアに、この4つの百貨店が立ち並んでいました。建物とともに道幅も1930年代そのままですから、取り立てて買い物をせずとも、これらの近代建築群を眺め歩くことで、近代上海爛熟期の当時をしのぶことができるでしょう。
というか、試しに永安百貨に入ってみたのですけど、中身は正直フツーの百貨店で、当時をしのばせるものはあまり見当たらなかったのです。他の百貨店まですべて見て回る体力は残っていなかったので店内巡りはそこでやめてしまったのですが、おおむね外観から想像を巡らせたほうが楽しいところかもしれません。
そんなわけで、「閃光のナイトレイド」を観てから上海に行くか、上海に行ってから「閃光のナイトレイド」を見るかは、あなた次第です。
このアニメの製作陣はかなり熱心に現地でロケハンしているみたいですから、どちらからアプローチしても面白いと思います。
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*1:だから、お茶会詐欺などがこの界隈で横行するわけですねえ。