セウォル号沈没事件:乗務員の待遇問題が浮上

この事件、乗組員の待遇の問題を指摘する記事も出るようになってきました。

海運会社の経営難が、乗組員の非正規職への置き換え→人件費圧縮を通じて、安全問題へとストレートにつながっていく、という図式になりますね。

記事入力 : 2014/04/21 14:15
旅客船沈没:船長は契約職だった

 沈没した旅客船セウォル号」の運航会社である清海鎮海運や周辺の船会社関係者の証言から、イ・ジュンソク船長はセウォル号運航時、契約職の身分だったことが20日分かった。

 イ・ジュンソク船長は満68歳と高齢のため、契約職として、清海鎮海運と1年契約を結んでいた。問題は、契約職の船長の場合、部下から無視され、実質的に船を統制するのが難しいということだ。

 また、清海鎮海運は人件費を減らすため、韓国最大規模の旅客船(6000トン級)2隻を運航しながらも、交代で船長を投入することで船長の数を減らし、非正規職として契約してきた。経歴わずか1年足らずの航海士を投入していたのも、同じ理由によるものと解釈できる。

 イ・ジュンソク船長は月給270万ウォン(約27万円)、航海士や機関長、機関士らは同170−200万ウォン(約17−20万円)ほどで、ほかの船会社の従業員の給与の60−70%にすぎない。船舶職員15人のうち9人が契約職で、雇用条件が不安定だ。

 海運業界の関係者は「経営難に見舞われた清海鎮海運が人件費を抑えるため、船を無理に運航していたのではないか」と指摘した。

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/04/21/2014042101541.html

<세월호참사> "인건비 아끼려 비정규 대체선장 투입"

(인천=연합뉴스) 특별취재팀 = '세월호' 선사인 청해진해운이 인건비를 줄이려고 대체선장 등 선박직 다수를 비정규직으로 채용해 무리한 운항을 해왔다는 지적이 제기됐다.

21일 청해진해운에 따르면 세월호 사고 당시 선장 이준석(69)씨는 청해진해운이 운영 중인 인천∼제주 항로의 세월호와 '오하마나호'(6천322t급) 등 여객선 2척의 교대선장이다.

이씨는 두 여객선의 본선장이 한 달에 각각 4일씩 휴가를 가면 대신 투입돼 운항해 왔다고 선사 측은 밝혔다.

통상 배 1척당 2명의 선장을 두고 교대로 운항하는 것과 달리 청해진해운은 이씨를 여객선 2척에 교대선장으로 등록해 항로를 운영해 왔다.

이씨는 근로기준법의 보호를 받지 못하는 비정규직 선장으로 1년 단위로 계약을 갱신해 온 것으로 알려졌다.

이 때문에 청해진해운이 인건비를 줄이기 위해 국내 최대 규모인 6000t급 여객선 두 척을 운영하면서도 비정규직 교대선장을 투입한 것 아니냐는 의혹이 제기된다.

실제로 이씨의 월 급여는 270만원이며 청해진해운의 항해사, 기관장, 기관사의 급여는 170∼200만원 수준으로 알려졌다. 이는 다른 선사 선박직 급여의 60∼70% 수준이다.

또 청해진해운 선박직 15명 중 9명이 계약직인 것으로 전해졌다.

해운업계 한 관계자는 "장거리를 운항하는 대형 여객선은 운항의 전문성과 업무 피로도를 줄이기 위해 보통 담당선장을 2명 둔다"며 "청해진해운이 경영난을 겪다 보니 인건비를 줄이기 위해 무리하게 운영한 것"이라고 지적했다.

금융감독원에 따르면 2009년 20억원에 가까운 영업이익을 냈던 청해진해운은 이후 영업이익이 급격히 줄어 2011년과 2013년에는 각각 영업손실을 기록했다.

2010년부터 2013년까지 이 회사의 4년간 실적을 보면 영업적자와 흑자를 오가면서 연평균 약 1억원의 영업손실이 났다.

특히 지난해 영업손실은 7억8천500만원에 달해 2003년 이후 10년 만에 적자폭이 가장 컸다.

2014/04/21 23:47 송고

http://www.yonhapnews.co.kr/society/2014/04/21/0701000000AKR20140421175100065.HTML

となると、殉職した乗組員の美談に涙し、脱出した乗組員*1を殺人者呼ばわりするだけでは済まないことが、そこに浮上してきます。

鮮于鉦さんが言うのとはまた別の意味で、「セウォル号の船長」は韓国社会に「ごまんといる」わけですから。

記事入力 : 2014/04/19 12:15
【コラム】韓国社会にごまんといる「セウォル号の船長」

 ニューヨークのタクシーは運転が乱暴なことで有名だ。スピードを出し過ぎ、料金をごまかすこともある。だがバスは違う。客が乗り込むと、座席に座るまで待っている。体の不自由な客がいる場合には、発車まで十数分かかることすらある。運転手が降りて車椅子を持ち上げ、車内に固定して、安全を確認して発車するのだ。

 東京のバスも同じだ。車線を変更せず、スピードを出すことも、急ブレーキをかけることもない。そのため、歩いた方が早いといわれるほどスピードは遅い。だが気は楽だ。バスに乗った途端、急発進して転倒するのではないかという不安、座席に座っているとバスが停留所を通過し、降りられなくなるのではないかという不安もないからだ。

 バスがタクシーと違う点は、多くの人を乗せるということだ。多くの乗客の安全に責任を持つため、守るべき義務も異なる。ニューヨークや東京のバスは、運行に際して細かいマニュアルが定められている。これを守らなければ運転手は解雇される。実際のところ、座席に座る前にバスが発車したからといって、客が転倒するようなケースはまれだ。車椅子を固定していないからといって、ひっくり返るというケースもめったにない。それでもマニュアルを守るのは、最悪の事態を常に念頭に置いているためだ。

 日本の旅客船会社「マルエーフェリー」は、今回の事故を起こした「セウォル号」を日本で18年間運航していた。その間、事故を起こしたことは一度もなかった。この会社の海難事故対策マニュアルを見ると、人命の安全を確保することや、事態を楽観視せず、常に最悪の状況を念頭に置いて措置を講じることなどが、最も重要な項目として挙げられている。「船長の判断を尊重する」という項目もある。もちろん、上記の2項目をきちんと認識した船長を指すものだ。今回の事故について、海外の専門家たちは「常に最悪の状況を考える」というマニュアルを無視した船長が、早い段階で楽観視していたことが悲劇を招いた、と指摘している。そのために「船内で待機するように」という指示を出し、その指示に従った純粋な高校生たちを死に追いやったのだ。

 世界銀行が韓国を「開発途上国」リストから除外したのは1997年のことだ。1人当たり国民所得が1万ドル(現在のレートで約100万円)を超え、「先進国クラブ」と呼ばれる経済協力開発機構OECD)に加盟したことが反映されたのだ。この年には厳しい経済危機に見舞われたが、結果的に危機が刺激となり、韓国は先進国に分類されることになった。そのスピードはあまりにも速かった。未熟な人々は「成功神話」によってつらい過去を忘れた。崩落事故で数十人が犠牲になった聖水大橋や、倒壊事故で数百人の犠牲者を出した三豊百貨店の跡地に造られた新たな建造物を見ているうちに、教訓を忘れてしまった。セウォル号の船長は、20年前の聖水大橋の管理者や、三豊百貨店の経営者と何ら変わらない。そして今、韓国社会の安全に責任を持つべき地位に、セウォル号の船長のような人物がいくらでもいる。

 下心を持つことなく、乗客のために命をささげる英雄のような船長を望んでいるのではない。王も大統領も、国民を見捨てて逃亡した過去があることを知っているだけに、「船長よ、あなただけは乗客と運命を共にせよ」と強要するのも恥知らずなことだ。命を捨てろとまでは言わない。ただ、自ら与えられた地位に責任を持ち、規則を守ってほしいということだ。船が沈みそうになったら、マニュアル通りに行動し、中にいる子どもたちを避難させてほしいということだ。

 国連コフィー・アナン前事務総長は「先進国」についてこう定義している。「全ての国民が安全な環境の下、自由で健康な生活を送れる国」。この点で韓国は依然、途上国のままだ。

鮮于鉦(ソンウ・ジョン)国際部長

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2014/04/19/2014041900589.html

*1:多数指摘されている彼らの「行動」の問題については、それはそれとして裁かれる必要があるでしょう。