映画「国際市場」を観る。

1月1日に清凉里のロッテシネマでは観れず、2日に安養のロッテシネマでは観ることができたのは、日取りのせいでしょうか、場所のせいでしょうか。

とにかく、17:40からの回を観ることができたのです。

なるほど。各方面で話題作になるのもわかります。

確かに、政治的に気になる点もあります。特に、ベトナム戦争の描き方は、ベトナムの人々に見てもらうことを考えたら「ごめんなさい」するしかないでしょう*1

しかし、これはおそらく、「政治的にそういう問題がある」ことを十分に意識した上で、それでもなお、このような作品を作る必要がある、という考えのもとで、敢えて確信犯的に撮られたものだと思います。

仮に政治的には「不適切」であるとしても、当時の主人公の目には「そのように見えていた」というその主観の部分は、それはそれとしてすくい取られるべきものであるはずです。それは「どうあるべきであったか」という問題以前に、「そうであった」のです。

これは、2014年から2015年にかけての現在、一人二人とこの世を去りつつある1940年代生まれの韓国人が経験した苦難の現代史を、同時代的に描き残すこと、そしてそれを観てもらうことを使命とした作品なのでしょう。

個人的には、主役のファンジョンミンの熱演、途中で登場する東方神起・ユノユンホもさることながら、ヒロイン役のキムユンジンが美人役の途中で見せる不細工顔がツボでした。本気で生きていると、どんなに美人でも時としてああいう顔にもなりますよね…。

*1:「あなたは遠いところに」でも感じましたが、韓国人にとって「ベトナム戦争を総体的に把握する」というのは、極めて難しいことなのだろうと思います。もしかしたらこれは、韓国人ではない立場からの眼差しを導入しないことには、埒が明かないかもしれませんね。もっとも、韓国国内の「政治的」論議のポイントは、そこではないようですが。