【仁川の風景】仁川家族公園の公園化は止まらない・その8:古い墓地にも既得権なし。

久方ぶりの続きです。

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満月堂の裏手にある駐車場のさらに裏手に回ると、歩道の両脇に植樹されたスペースがあって、その向こうには斜面が広がっています。この辺りは、古くから共同墓地として利用されていたエリアでした。

何か看板がありますが、とりあえずは気にせず、そちらへ歩みを進めています。


あららー。

うわー。これはまた、ざっくりとやっちゃってますねえ―。

上の写真にちょっと見えてる茂みに何かありますが、これですね。



なるほど。仁川家族公園2段階工事に伴って、戸別訪問などを通じてこの一帯の墓地の移葬を進めてきたが、それでも移葬が完了しない場合には強制収用(移葬)を行なう、ということのようです。ところどころに残っているのは、遺家族との連絡がつかないか、移葬に同意を得られないかといったケースなんでしょうね*1

ここで適用されている法律は「공익사업을 위한 토지 등의 취득 및 보상에 관한 법률(公益事業のための土地等の取得および補償に関する法律)」です。つまり、「葬事等に関する法律」の規定とは別のロジックで、墓地(自然葬地と塀型納骨壇)用地の収用が進められています。

ここにあった墓地はほぼ確実に、墓地利用の期限制(原則15年、最長で3回まで更新可能)を導入した葬事法の2000年の改正よりも前のものだったと思われますが、葬事法の期限制の適用を受けないそうした墓地も、だからといって未来永劫アンタッチャブルなわけではない、ということが、ここで示されています。

それにしても、こういう移葬の手続きを大規模に進めるのにはかなりの困難が予想されるのですが、それを考えれば、こうして残っている墓地の数はかなり少ないです。期限が迫っている時期だったこともありますが、公園化事業は順調に進められているようです。


※追記:関連記事を見つけたので、ここに追加でクリップ。

인천가족공원 무연 분묘 강제 개장, 2단계 건립 본격화
매장 중심에서 화장·봉안·자연장 등으로 개선
15-10-20 10:29ㅣ 편집부

인천시가 부평구 인천가족공원의 무연 분묘를 대해 강제 개장하고 지난 2011년부터 추진해온 봉안시설 건립 등 2단계 가족공원 조성사업을 시행한다고 밝혔다.

신(新) 장사문화 정착을 목표로 진행하는 2단계 가족공원 조성사업은 매장 중심의 장례문화를 화장·봉안·자연장 등으로 개선해 추모와 휴식이 함께하는 친환경적인 휴(休) 공간으로 바꿔나가기 위한 사업이다.

시는 이에앞서 10월26일 부터 잔여 무연분묘 16기에 대해 강제개장을 실시할 예정이다. 그동안 2회에 걸친 무연분묘 개장공고에도 개장이 안 된 분묘 중 연고자가 없는 분묘다.

시는 지난 2010년도에 1단계 사업을 완료했으며, 2011년부터 추진해 온 2단계 사업은 평온당 등 봉안시설 건립, 자연장 조성, 야외봉안당 건립, 외국인묘역 정비 등이며 2016년말 최종 준공될 예정이다.

http://m.incheonin.com/news/news_view.php?m_no=1&sq=30342&thread=001002000&sec=4


ちなみに、このあたりは仁川家族公園の墓域では中心に近い場所なので、進行中の2段階工事の対象になっていますが、「セウォル号事故 一般人犠牲者追慕館」建設予定地からさらに奥に進んで山道を登っていけば、その対象外となっている古い墓域を見ることができます。



仁川家族公園の周囲を取り巻く山裾には、こうした墓域が広く分布しています。少々歩いたところで歩きつくすことはできませんので、適当なところで引き返しておかないとあとで後悔します。




このあたりは、仁川家族公園3段階工事の対象となることが予定されていますが、その工事はもう少し先のことになるので、今回はとりあえず措いておくとします。もういちど中心部に戻って、先を急ぐとしましょう。

*1:実際に訪問したのは9月です。期限を10月11日にしていることからすると、今はもうこれらも強制移葬されてしまっているかもしれません。