韓国の法曹人養成システム改革の試行錯誤

翻訳が機械っぽかったり、多少問題はありますが、毎日経済日本語版サイトの原文記事の表示の仕方はいいですね。他のメディアの日本語版サイトも見習ってほしいところです。

韓国の場合、医学・薬学関係はよくわかりません。ただ、少なくともロースクールについては、日本のことも参照しながら、それとは若干異なる仕組みを導入しています。

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楊萬植「韓国のロースクールの状況と卒業後の進路」

「専門職への進入路」ロースクールと薬学部、ほろ苦い人気
記事入力 2016-07-20 17:21 | 記事修正 2016-07-21 16:28:41

代表的な専門職への進入通路である法学適性試験(LEET/Legal Education Eligibility Test)と薬科大学入門資格試験(PEET/Pharmacy Education Eligibility Test)の志願者がともに増えたことが分かった。 2017年度のPEET志願者は史上最高を記録したことに続き、減少傾向にあったロースクール入学のためのLEET志願者も今年は反発した。 2017年度LEET志願者は8838人で、前年比で7.2%(592人)増加して歴代3番目を記録した。先立って発表された2017年度PEET志願者も1万6127人で過去最大であり、競争率も9.5対1で最も高かった。 PEET志願者は2011年度の最初の試験の後、継続して増加している。

一方、LEET志願者は2009年年度に1万960人から出発したが、2013年度は7000人に急減した後、2014年度に入って9000人余りと反騰した。LEETは序盤の人気とは異なり、「クムスジョ(金のスプーン/富裕層)」に有利な高コスト構造と判事や検事への任用が容易ではない問題などが浮き彫りになり、近年は志願者が減少するようすを見せた。

とは言え、司法試験の廃止が目前に迫ると司法試験の受験生が流入したり、早目にロースクール進学を決定する学生が増えて、今年の志願者は増加に転じた。司法試験1次試験は今年が最後であり、2次・3次試験は2017年を最後にして、2018年には完全に廃止される予定だ。

オ・ジョンウン鍾路学院ハヌル教育評価理事は、「今年からLEETを受けなければ法曹会への道を放棄しなければならない、岐路に立った司法試験受験生などの受験生が流入したものとみられる」と説明した。キム・ミョンギ法学専門大学院協議会事務局長は、「法曹人の養成システムが徐々にロースクールに一本化され、学生はもはや司法試験とロースクールの間で悩むことなく、さっさとロースクール進学を決めて志願者が増えたせいもある」と語った。

最近の就職不況と雇用の不安定がもたらした、専門職を好む現象が影響を及ぼしたという分析もある。オ・ジョンウン理事は、「就職準備生たちが景気の低迷と就職難で、薬剤師や弁護士などの専門職を好んでいる」とし「PEETの場合、医学専門大学院の選抜人員が大幅に減少し、医学教育入門検査(MEET)の代わりに志願者が増えたせいもある」と語った。ユン・テソク延世大ロースクール教授も、「最近は若者の就職が難しくなり、専門職を好む傾向が強くなってLEET志願者が増えた可能性がある」と明らかにした。

問題は優秀な学生がこのようにロースクールと薬科大学に集まり、人材の偏り現象など、さまざまな副作用が現れているという点だ。専門家らは現在、法学科を廃止してロースクールを設立した25大学には上位圏の大学が多数布陣しており、優秀な学生の法学科忌避現象が深刻化していると指摘した。さらにロースクールは弁護士の養成が主な目的で、事実上は実務中心の3年課程の就職機関に他ならない。

薬科大学の場合、一般大学で2年以上を履修した後の入学が可能だが、このために優秀な学生は理工系の専攻を薬科大進入への踏み台に利用しているという指摘が出されている。特に試験科目と関係のある化学や生物学の教授らは、薬科大が理工系を荒廃させていると批判している。今回の試験でも、試験科目と関係のある生物学工学・化学専攻者の受験率が72%以上だった。

[チョン・スルギ記者]

http://japan.mk.co.kr/view.php?type=M1&category=30600005&year=2016&idx=4789

news.mk.co.kr

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このロースクール制度と司法試験の廃止とをめぐっては、上に書かれている以上に、いろいろな議論や課題が今も積み残されているみたいです。日本の法科大学院が抱えている問題に通じるものもありますが、異なる部分も目に付きます。

廃止予定の司法試験を21年まで存続 韓国政府が方針
2015/12/03 15:32

【ソウル聯合ニュース】法学専門大学院(ロースクール)の導入に伴い2017年末に廃止されることが決まっていた司法試験について、韓国法務部は3日、21年まで存続させる姿勢を示した。

 これを受け、国会に提出されている司法試験の存続を柱とする法案が処理される可能性が高まった。一方で、国民的合意を経て廃止期限まで決めていた司法試験を存続させることをめぐる法曹界からの批判が強まりそうだ。

 法務部の金周賢(キム・ジュヒョン)次官は定例会見で、「現行法によると司法試験は17年12月31日をもって廃止されることになっているが、国民の8割以上がロースクール制度の改善が必要だとして試験の存続を主張している」と説明した。

 また、試験廃止の猶予期限を21年とした理由については、ロースクール制度の改善方向に対する研究に必要な期間などを考慮したと述べた。

 ロースクールは「試験浪人」をなくし、専攻に関係なく誰でも法曹人になれるチャンスを与えるという趣旨で、韓国で09年に導入された。現行法では、ロースクールの卒業生に限り弁護士試験を受験できる。

 翌10年から司法試験の合格者数を段階的に減らし、17年に試験そのものを完全に廃止するというのが当初の政府計画だったが、ロースクールは学費が高いため、導入時から「富裕層のための制度」との批判にさらされた。政府が表明した期限付きの存続は、こうした社会的葛藤を踏まえた折衷案といえる。

http://japanese.yonhapnews.co.kr/headline/2015/12/03/0200000000AJP20151203002400882.HTML

詳しい解説は、こちらに譲った方がいいでしょう。

business.nikkeibp.co.jp

司法試験と弁護士試験の二本立て

 韓国では2009年から法学専門大学院(ロースクール)の設立が始まった。これを受けて、2012年以降、法曹人になるために2種類の試験が行われている。1つは「司法試験」。大学で法学関連科目を35単位履修した人なら誰でも受けることができる。もう1つは「弁護士試験」。ロースクールを修了した人だけが受けられるものだ。弁護士試験はロースクール修了生ならだれでも合格できるレベルだという。

 法務部が司法試験を維持したいと言い出したのには、ある世論調査が影響している。法務部が成人1000人を対象に電話調査したところ、司法試験を続けるべきという意見が85.4%に上った。国会議員の7割も司法試験を継続すべきと答えた。法務部はロースクールがまだ完全には定着していない、すなわち公正だと認められていないので、司法試験を廃止するかどうかを改めて検討するという。

 法務部が「まだ完全には定着していない」と言う理由の1つに、ロースクールを取り巻く「縁故」問題がある。法務部が新方針を発表する数日前、野党・新政治民主連合の議員が、ロースクールで落第した自分の子供をなんとかしようと大学に押しかけ影響力を行使したとして問題になった。

 某国立大学の総長の娘がロースクールを修了する前に大規模法律事務所から内定を得たという報道も注目された。本来ならロースクールを卒業し弁護士試験に合格してからでないと内定は得られない。この女性は、その後、弁護士試験に落ちたため、内定も取り消しになった。そのほかにも、こんな報道が相次いでいる。大規模法律事務所にいる新人弁護士の7割は父親が法曹人か大手企業の役員、医者、教授だ。

 ロースクールを修了して弁護士試験に合格しても、その後は実力ではなく財力と父親の社会的地位で決まる。司法試験の合格者数は年間150人程度。合格後は司法研究院に入り、研修が終われば、本人が断らない限り100%就職できる。一方、ロースクール修了生は、弁護士試験に合格してから就職口を探すことになる。合格者数が年間1500人もいるので、実力より人脈、親のコネで就職する人の方が多いことが問題視されている。

 ロースクールは貴族学校なのかと憤慨する記事を書く韓国メディアも多い。ロースクールの授業料は高額で、修了までに1000万円以上かかる。奨学金制度はあるものの狭き門だ。貧しい家庭の子供は勉強ができてもロースクールに進学するのは難しくなった。貧しいと弁護士試験にチャレンジするチャンスすらもらえない可能性が高い。

こういう問題構造であれば当然、ハンギョレさんの出番です。

japan.hani.co.kr
www.hani.co.kr

ソウル大ロースクールのこうした措置も、そこで出ているような問題点の指摘への対応策なのでしょう。

www.youtube.com

また、上記の日経ビジネスオンラインの解説記事中に出てくる「朝鮮日報の記事」というのは、これのことですね。

女변호사는 왜 립스틱 짙게 바르고 매일 구치소로 출근했나 - 조선닷컴

'배고픈 변호사는 굶주린 사자보다 무섭다'는 말이 있다. 변호사가 많은 미국에서 유래된 속담이지만 이젠 우리나라도 예외가 아니다. 사기·횡령 등 잡범(雜犯)으로 추락하는 변호사가 속출하고 있고, 구치소에서 법률서비스 대신 웃음을 파는 변호사까지 생겨났다. 변호사가 2만명에 이르는 시대, 그 그늘도 점점 넓어지는 셈이다.

법률 자문 대신 웃음 파는'접견변호사'

변호사 2만명 시대의 어두운 단면을 상징적으로 보여주는 것은 속칭 '접견녀'의 출현이다. 일부 로펌들이 용모 단정한 여자 변호사를 뽑아 피의자 접견권을 이용해 구치소 접견실에서 재소자와 함께 시간을 보내주는 것이다. 과거에도 기업인 재소자와 회사를 오가며 심부름을 맡았던 '집사 변호사'들이 있었지만, 요즘은 젊은 여자 변호사들이 집사 변호사로 대거 진출하고 있다.

서울 서초동 법조타운의 일부 중소 로펌은 아예 로스쿨 출신의 여자 변호사들만 채용한다고 한다. 접견 변호사들은 구치소에서 의뢰인과 하루 종일 이른바 '농담 따먹기'를 하며 시간 보내주는 게 주된 업무라 사건 내용은 몰라도 된다고 한다. 이들은 때로 의뢰인이나 로펌 요구에 따라 짙은 화장을 하거나 짧은 스커트를 입기도 한다. 일부 재력가 재소자들은 여러 명을 면접한 뒤 자신을 전담할 접견 변호사를 선택하기도 한다. 서울변호사회 관계자는 "룸살롱에서 여종업원 파트너 선택하듯 접견 변호사를 고르는 사례까지 있다"면서 "한 젊은 변호사는 로펌 입사 후 한 달간 사무실에 가지 않고 구치소에서 재소자들 접견만 했다"고 했다.

그렇다고 이들의 보수가 다른 변호사보다 많은 것도 아니다. 이들 급여는 대략 월 250만~300만원으로 알려져 있다. 대한변협 관계자는 "취업이 안 되는 점을 이용한 일부 로펌과 재력가들에게 떠밀려 로스쿨 출신 여자 변호사들이 말하기도 민망한 업무에 내몰리고 있다"고 했다.

이들이 접견실을 차지하다 보니 실제 접견이 필요한 재소자를 위한 공간이 부족해질 정도다. 서울구치소 측은 지난 여름 대한변협에 10여 명의 변호사 명단을 통보하고 징계를 의뢰했다. 일부 접견 변호사들은 재소자에게 사탕이나 과자, 초콜릿 등 금지 물품을 전달하다 적발됐으며, 이런 물건들은 부적절한 접견 과정에 사용된 일종의 '데이트 용품' 성격이 강했다고 한다.

うーん、韓国のロースクール制度は日本の法科大学院の「失敗」を教訓にしていたはずなんですが、なかなかうまくいかない部分があるようですねえ…。