高校野球・大冠、大阪桐蔭にあと一歩及ばず準優勝

ずっとネット中継を見守っていましたけど、最後の最後まで力の入る熱戦でした。あの中京大中京日本文理の甲子園決勝戦を思い出しましたよ。

大冠27年ぶり公立V逃す「力を出した」監督/大阪
[2017年7月30日17時1分]

f:id:bluetears_osaka:20170731084532j:plain
準優勝に終わり、悔しそうな表情をみせる大冠ナイン(撮影・田崎高広)

高校野球大阪大会:大阪桐蔭10-8大冠>◇30日◇決勝◇大阪シティ信用金庫スタジアム

 公立校として19年ぶりに大阪大会決勝に進出した大冠の甲子園出場はならなかった。1点を追う3回に4連打などで4点を奪い、今春センバツ王者の大阪桐蔭を苦しめた。

 8回裏には5点を奪われ、9回表を迎えた時点では、4-10。ただ、そこから大反撃をみせた。

 5長短打を集中し、2点差まで迫った。最後は追いつけず、27年ぶり公立校優勝は夢と消えたが、大声援を背に戦い抜いた。

 東山宏司監督(55)は「生徒たちは本当によくやってくれた。力を出してくれた」。相手の大阪桐蔭・西谷監督も「(最後は)大阪の意地を感じました」という反撃だった。

https://www.nikkansports.com/baseball/highschool/news/1864598.html

私学優位な構図が続く大阪で、これだけ注目されることは今までなかった大冠。この結果が「今年だけの奇跡」ではないことが大阪府下で知られるようになるにつれ、「大冠で私学を倒したい」という中学生がこれまで以上に集まってくるかもしれませんね。

その意味で、この一戦は、今後の大阪の高校野球地図を塗り替えるきっかけになることもあり得ます。期待を込めつつ。

2017.7.30
大阪桐蔭に善戦の大冠 開校時は分校 打倒私学で台風の目に

f:id:bluetears_osaka:20170731085259j:plain
大阪桐蔭を追い詰めるも惜しくも敗れた大冠ナイン

f:id:bluetears_osaka:20170731085359j:plain
9回、猛反撃に盛り上がる大冠ベンチ

f:id:bluetears_osaka:20170731085500j:plain
大阪桐蔭・福井章吾主将(中央左)に千羽鶴を手渡す大冠・猪原隆雅主将(中央右)=シティ信金スタジアム(撮影・山口登)

 「高校野球大阪大会・決勝、大阪桐蔭10-8大冠」(30日、シティ信金スタジアム)

 大阪桐蔭を最後まで苦しめた大冠(おおかんむり)は、もともと島上高校分校大冠校としてスタートした大阪府立の普通科共学校だ。1986年に開校、95年に大冠高校として独立した。

 野球部は86年に創部したが、これまで甲子園出場はなく、今回の大阪大会決勝進出が最高成績。強豪私学のような専用グラウンドは持たず、校内のグラウンドを使用。一部は他の部活動と共用している。

 しかし過去には、プロ野球のスカウトの目に留まるような好投手を複数輩出するなど、東山宏司監督(55)は選手育成に定評がある。15年夏には大阪大会準決勝に進出。この時は甲子園に出場した大阪偕星に敗れている。

 野球部は代々、私学を倒すことをテーマに取り組んできた。今大会は3回戦で東海大仰星を破り、5回戦では大阪偕星にリベンジ。準決勝で上宮を下すなど、甲子園出場経験のある強豪私学を沈めてきた。今大会全8試合に先発した左腕・丸山惇投手(3年)は「監督も、私学に負けるなと言ってくれるので」と、堂々と王者・大阪桐蔭に挑んだ。

 惜しくも準優勝に終わったが、この一戦は今後へ大きな自信につながるに違いない。

https://www.daily.co.jp/baseball/2017/07/30/0010419270.shtml

【大阪】27年ぶり公立V逃した大冠・東山監督、初心の白いユニホームで「こんなに駆けめぐってくれた」
2017年7月30日23時9分 スポーツ報知

f:id:bluetears_osaka:20170731085646j:plain
大阪桐蔭を最後まで苦しめ、準優勝した大冠の選手たち

 ◆全国高校野球選手権大阪大会 ▽決勝 大阪桐蔭10-8大冠(30日・シティ信金スタ)

 公立の星・大冠(おおかんむり)が、春夏初の甲子園にあと一歩で散った。大阪では1990年の渋谷以来となる公立校Vを逃したが、大阪桐蔭を追いつめる攻撃野球を展開。ナインの着る白いユニホームには、東山宏司監督(55)の公立魂が詰まっていた。

 前身の府立島上高出身で就任21年目。現在は部員106人の大所帯だが、就任当初は18人。施設にも恵まれない普通の公立校だった。「強くなってもたたかれる。その繰り返し」。強豪私立に及ばない環境で甲子園を目指したが、激戦区大阪の壁は厚かった。

 2010年頃の夏に私立に敗れた。「気分を変えたいと思った。もう1回、原点に帰る」。小さい頃に憧れた球児は白いユニホーム。「高校野球は純白がいい。一生懸命やっている姿になる」。初心を思い出して全身白に統一した。座右の銘も「初志貫徹」。選手には「公立で甲子園に行きたい。私立に負けるな」と繰り返した。

 今もグラウンドは他部と共用で打撃練習の時間は限られるが、106人全員を必ず打席に立たせ、マンツーマンで指導する。大阪で勝つには打力が必要。午前6時半からの朝練も付き添い、どんなに短い時間でも選手と顔を合わせた。「一人、一人、時間と労力がかかるけど、100人を超える選手との溝を埋めるため。それが僕のやり方」。調子が悪い選手には、より時間を費やした。「入学時から気持ちの強い子が多かった。この学年に懸けていた」。冬場は1日3000スイングにも及ぶ厳しい練習についてきてくれた。

 0―1の3回に3安打で1死満塁の好機をつくると、主将の2番・猪原隆雅捕手(3年)の中前適時打で2点を返して一時は逆転。白いユニホームが跳びはねて喜び、センバツ王者をのみ込んでいく。さらに2点を追加し、この回4連打を含む5安打で4得点。4―5の8回に5失点で突き放されたが、6点を追う土壇場の9回にも5本の集中打で4得点と食い下がった。

 同校初の決勝で最強私立から計13安打8得点。白かった教え子たちが、土で真っ黒になっている。「白いユニホームがこんなに駆けめぐってくれてうれしい。うちの野球をしてくれた。下級生は最後の攻めを目に焼き付けてほしい」。“純白の公立”が確かな足跡を残し、指揮官の目から涙がこぼれた。(浜田 洋平)

http://www.hochi.co.jp/baseball/hs/20170730-OHT1T50244.html